焼き鳥はダイエット中のおつまみにOK? カロリーやおすすめ部位を管理栄養士が解説

居酒屋の定番メニュー「焼き鳥」。鶏肉なので太りにくいイメージがありますが、ダイエット中のおつまみとしてはおすすめなのでしょうか? 気になるカロリーや、ダイエット中に適した部位、食べる際の注意点など、管理栄養士の森由香子先生が解説します。

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焼き鳥はダイエット中のおつまみに向いている?

焼き鳥といえば、おつまみの定番。日本のみならず海外でも有名な専門店ができるほど大人気のメニューです。 

鶏肉なので太りにくい、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

今回は、そんな焼き鳥がダイエット中のおつまみに本当に適しているのかを、管理栄養士の視点で探っていきたいと思います。

調理過程でカロリーオフできる焼き鳥はダイエット向き!

炭火で焼く
その前に、体重の増減はどうして起こるのか、基本的なところを確認したいと思います。

体重の増減は、摂取カロリーと消費カロリーの収支バランスであり、これは普遍の真理です。活動量(消費カロリー)よりも、食事量(摂取カロリー)が多ければ体重は増加しますし、逆ならば体重は減少します。そのためダイエット中は、なるべく余分なカロリーを摂らないこと、そして消費カロリーを増やしていくしかありません。

余分なカロリーを摂らないためには調理法を配慮する必要があります。焼き鳥は、ガスや炭火で焼いているので余分な脂を落とすことができ、摂取カロリーを減らせるのでおすすめだといえます。

実際にどのくらい脂が落とせるのかは気になるところだと思いますので、参考になる資料をご紹介しましょう。

下記の表は、鶏もも肉100gを焼いたとき、重量とカロリー(エネルギー量)がどのくらい変化するかを示したものです。調理前に100gあったもも肉が焼くことによって61gとなり、カロリーもご覧のとおり190Kcalから134Kcalへ、約60Kcal減っていることがわかります。
 

鶏もも肉100g調理前後のエネルギー量比較

食品名 調理前重量(g) 重量変化率(%) 重量(g) エネルギー(kcal)
もも 皮つき 生   100 100 190
もも 皮つき 焼き 100 61 61 134
                  出典:日本食品成分表(八訂)

焼き鳥は串から外すとダイエット効果UP

焼き鳥は形状もダイエットに向いています。

串に刺してあるので、外して1個ずつ口に入れて、よく噛んでゆっくり食べれば時間を要します。そうすることで満腹中枢に指令がいくまでの時間稼ぎにもなり、食べ過ぎ防止の一助となります。

ときどき、焼き鳥を串から一気に抜いて頬張り、あまり噛まずにビールと一緒に流し込んでいる方を見かけますが、これはダイエットに向いていない食べ方なので注意しましょう。

焼き鳥のカロリーと、ダイエット中におすすめの部位は?

焼鳥 いろんな部位
次に部位別のカロリーです。

下記にあるのは、1本あたりを40gとして調理前のカロリーを比較した表です。

お店によって大きさや重量が異なりますので、あくまで参考としてとどめておいてください。
 

部位別のエネルギー量

食品名 重量(g) エネルギー(kcal)
心臓 40 74
肝臓 40 40
砂肝 40 34
皮 むね 40 186
皮 もも 40 190
軟骨(むね肉) 40 22
ささみ 40 39
手羽先 皮つき 40 83
手羽元 皮つき 40 70
つくね 40 94
もも 皮つき 40 88
         出典:日本食品成分表(八訂)
 
皮がダントツでカロリーが高いですね。ダイエット中は控えたいところです。

おすすめは、カロリーが低い軟骨とささみです。

軟骨は、よく噛んで食べるため満足感を得やすい部位です。ささみは、鶏の部位の中でもたんぱく質が豊富で脂肪が少ないので、ダイエット中でも安心して食べられます。

とはいえ忘れてはいけないのは、体重の増減はカロリーの収支バランスからきているということです。軟骨やささみのカロリーは低いといっても0ではありません。たくさん食べれば当然摂取カロリーは増えていきますのでご注意ください。

また、肝臓(レバー)もカロリーが低く、鉄、ビタミンB群、ビタミンAが豊富ですが、食べるなら1本程度にとどめてほしいところ。なぜなら、皮膚や粘膜の健康に必要な栄養素であるビタミンAが、レバー1本で上限量を超えることが多いからです。カロリーが低く、栄養豊富だからといって毎日何本も食べることはおすすめしません。

なお、ビタミンAはほかの部位にも含まれています。脂溶性のため、脂肪の多い皮に近い部分ほど豊富ですが、極端に食べ過ぎなければ上限量は越えることはまずないので、安心して食べてください。

焼き鳥の塩とたれ、ダイエット中はどちらを選ぶ?

ねぎま
味付けにも注意しましょう。塩とたれが主ですね。

ダイエット中なら、もちろん塩をおすすめします。

たれは、砂糖、しょうゆ、みりん、酒が原料でそれ自体にカロリーがあり、日本食品成分表を見ますと「焼き鳥のたれ100g:131Kcal」と表示されています。

せっかくカロリーの低い部位を選んでも、たれで摂取量を増やしてしまっては本末転倒。ダイエット中であれば、ぜひ塩をチョイスしてください。

ダイエット中は、焼き鳥以外の栄養バランスも重要

ダイエット中は代謝を円滑にするため、栄養バランスも考える必要があります。

焼き鳥は主菜としての位置付けとし、ほかに野菜やきのこなどの副菜をそろえるとバランスが整いやすくなります。アスパラ、ピーマン、シシトウ、ねぎ、きのこなど野菜の串や、サラダを用意して一緒に食べるのがおすすめです。

焼き鳥を賢く取り入れて、健康的なダイエットを

焼き鳥をダイエット中のおつまみとして賢く食べるためには、食べ合わせも考慮にいれてほしいところです。朝食や昼食、晩酌で焼き鳥のほかに何を食べるか、お酒はどのくらい飲むか、どのくらいカロリーを消費したかでも、体重は影響を受けます。

いつもの生活習慣の中でおつまみを焼き鳥に変えてみて、体重が減る傾向にあるならば、あなたにとって焼き鳥はGOOD。反対に体重が増える傾向にあれば、あなたにとって焼き鳥はダイエット中のおつまみには向いていないということになります。

ご自身の生活習慣と体重の増減を合わせて見ながら、焼き鳥と美味しいお酒で、健やかな飲酒ライフをお過ごしください。

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※記事の情報は2022年3月14日時点のものです。
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