キムチの効果、栄養は? 塩分量や食べるときの注意点を管理栄養士が解説!
辛さとコクがたまらない「キムチ」。おつまみの定番でもあるキムチが今、世界5大健康食品に選ばれるなど改めて注目を集めています。今回はそんなキムチに含まれる栄養や効果、塩分量やおつまみにするときの注意点について、管理栄養士の森由香子先生が解説します。
キムチは、世界に注目されている発酵食品!
近年、韓国産キムチの輸入量が大幅に拡大を続けています。これは、コロナ禍により健康を意識した人が増え、発酵食品のキムチが脚光を浴びたこと、K-POPの人気が沸騰中であること、糖質が少ないこと等から需要が伸びたと考えられています。
少し前に米国の健康雑誌に世界5大健康食品が紹介され、その中にキムチが入っていました。ちなみにほかに選ばれた食品は、日本の大豆、インドのレンズ豆、ギリシャのヨーグルト、スペインのオリーブ油です。5つの食品のうちヨーグルト、キムチと発酵食品が2つも占めていることになります。
キムチの健康効果と美味しさのヒミツは乳酸菌にアリ!
キムチの乳酸菌は、生きたまま腸まで届くという情報もあります。乳酸菌や辛味の成分のひとつ、カプサイシンは腸のぜん動運動を促す作用もあり、腸内環境を整えてくれる効果が期待できます。
また、辛味のなかにもコクがある、キムチ特有の味わい深い美味しさを作っているのも乳酸菌の仕事です。
キムチの塩分量と、1日の適量はどのくらい?
1日の塩分適正量で考えますと、1日20g、多くても50g位が目安ではないでしょうか。キムチ20gでは塩分量は0.6g、50gでは1.5gになります。塩分摂取量は、1食あたり2g程度におさえられると良いですね。
キムチを食べ過ぎるとどうなる?
また塩分の摂り過ぎは、骨の健康にも影響します。中高年になると骨粗鬆症が気になりますが、その原因として塩分の摂りすぎが挙げられます。
塩分を多く摂ると、喉が乾きますね。そのとき体内では、血液などの体液の塩分濃度を一定に保とうとする働きが生まれます。その結果、ナトリウムを含む余計な水分が体外に排出されるのですが、そのときに骨の健康に必要なカルシウムまで一緒に流れ出てしまうと言われているのです。
キムチを食べるときの注意点は?
また、栄養指導をしていると「野菜は漬物で摂っています」と、キムチで野菜不足を補おうとしている方に出会います。漬物は塩分濃度が高いため、栄養バランスを考えると、野菜を摂ったことにはなりません。思い当たる方は、ぜひ気を付けていただければと思います。
キムチはいつ食べるのがおすすめ?
その理由は、夕方から夜にかけて、体の塩分排出力が高まるからです。同じ塩分量のキムチを朝に食べたときよりも、夜に食べたときのほうが外に塩分が出やすいのです。 ほかに、腸内環境を整える有用菌(善玉菌)の働きは、夜から就寝中に活発になることも理由に挙げられます。
キムチをおつまみにするときに気を付けることは?
また、どちらもたんぱく質がほとんど含まれないため、肉、魚、卵、大豆製品など良質のたんぱく質食品も忘れずに摂ることをおすすめします。もちろん、野菜料理も忘れずに。食物繊維が塩分の排出を助けてくれます。
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これから暑い夏が来ます。食欲がないときでも、辛いキムチを食べれば食欲増進、エネルギー不足解消にも役立ちそうです。
賢くキムチを食べて、健やかな飲酒ライフをお過ごしください。
※記事の情報は2022年6月13日時点のものです。
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