プロに聞く! ノンアルコールワインの基礎知識と選び方とは?
このところ、ビールやカクテル、日本酒など「ノンアルコール」商品のバリエーションが広がっていますが、最近の注目はノンアルコールワイン。こだわりの製法でワイン顔負けの味わいになっているとか。ノンアルコールワインを数多く取り扱っている、株式会社湘南貿易の佐藤大空さんにお話をお聞きしました。
ノンアルコールワインの味わいは?
最近は味も風味もワインテイストのものが増えています。特にスパークリングは発泡ならではの飲み口のよさを香りがあり、言わなければノンアルコールだとわからなかったという人もいます。ワインは甘みが強いと「ジュース」に近くなってしまいますが、製法によって渋みや発酵によって生まれる複雑な味わいも再現することができます。
――ノンアルコールワインの需要は増えてきているのでしょうか?
当社は10年ほど前からノンアルコールワインを取り扱っていますが、ここ数年で売り上げも伸びてきています。ノンアルコールビールが定着したことで飲めないときの選択肢としてソフトドリンクではなく「ノンアルコール飲料」という意識が高まったのも大きいと思います。飲食店でもノンアルコールワインを常備するところが増えていますね。
ノンアルコールワインの製法は?
アルコール度数が1%未満のものをノンアルコールワインと定義しています。銘柄によってアルコール度数に違いがありますが、製法は大きく分けて2種類あります。
ひとつは通常のワインからアルコールを除去する方法、もうひとつはアルコールを生成させないでつくる方法です。
アルコールを除去する方法はいくつかのやり方がありますが、当社で扱っているワインは「減圧蒸留法」でつくられています。タンクの中を真空状態にして圧を下げた状態で過熱して蒸留します。
通常アルコールは78℃で気化しますが、気圧を下げることで沸点が低くなり、30~40℃で蒸留することができます。低い温度で蒸留することで、風味や甘みなどの残すことでき、ワインらしい味を残すことができるのです。
アルコールを生成させず、発酵を途中で止めたり、最初から醸造しない製法もあります。アルコール発酵をさせないので、後から渋みや風味などを加えてワインの味に近づける工夫をしています。脱アルコール製法よりも果実味が強いのが特徴です。日本産のノンアルコールワインはこの製法でつくられるものが多いようですね。
ノンアルコールワインは糖質オフでヘルシー
ワインの健康効果としてよく知られている「ポリフェノール」はノンアルコールワインにもが豊富に含まれています。脱アルコール製法のものは、カロリーや糖分が通常のワインの1/3~1/2程度と言われています。
アルコールを生成させないタイプは、味をワインに近づけるために加える成分によって、カロリーや糖分が高くなることがあります。
ただ、アルコール自体にカロリーがあるため、ノンアルコールワインは本物のワインに比べるとカロリー低めの飲み物だと思います。
――ノンアルコールワインのおすすめの飲み方などはありますか?
ぜひ、食事と一緒に楽しんでほしいです。単体で飲むよりも料理を合わせることでよりワインに近い味わいになります。お酒を飲めない食事会などで、お茶や水では味気ないと感じている方にはノンアルコールワインをおすすめしたいですね。
おすすめのノンアルコールワインは?
よりワインに近い風味が楽しみたいなら脱アルコールワイン製法のものを、果実味があるものがお好きならアルコールを生成させないタイプを選ぶのがおすすめです。
どちらの製法でも「赤」は果実味が強い傾向があります。ワイン好きの方は「赤」を好まれるのですが、ソムリエにノンアルコールワインを試飲してもらうと「白」のほうが香りがよくワインの風味を再現しているという評価をいただくことが多いですね。
―――おすすめの銘柄はありますか?
これからの時期ならノンアルコールでは日本初となるヌーヴォワイン「ヴィンテンスピノ・ノワールヌーヴォー」をぜひ試していただきたいですね。「脱アルコール製法」で作っていますので、アルコール度数は0.0%ですが、渋み、香りもワインに負けない味わいに仕上がっています。
ぶどうも「ノンアルコールワイン」になることを想定して選んだ、味が濃いぶどうを使用しているので、アルコールを抜いても十分にワインの風味を楽しんでいただけると思います。
ヴィンテンスピノ・ ノワールヌーヴォー 1382円(税込)
飲みやすさではスパークリングタイプもおすすめです。香りもよく、甘さも控えめなので食事にもよく合います。ワインが苦手という方でも飲みやすい味わいだと思いますよ。
スパークリングワイン デュク・ドゥ・モンターニュ ロゼ 1404円(税込)
スパークリングワイン デュク・ドゥ・モンターニュ白 1404円(税込)
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ノンアルコールワイン=ジュースというイメージもありましたが、飲んでみてびっくり! 本格的な味わいのも味わいで料理との相性も抜群でした。アウトドアや運転などお酒を飲めないシーンだけでなく、休肝日にもお酒の雰囲気を楽しみたいという人にはぴったりだと思います。美味しくなっているノンアルコールワイン、ぜひ試してみてください。
※記事の情報は2019年11月23日時点のものです。
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