【焼酎の飲み方】今さら聞けない定番スタイルからおすすめアレンジ術まで

当然知っているつもりでも意外と間違えがちな焼酎の割り方、本場九州で親しまれている前割り、いつもの焼酎にひと手間かけて楽しむ方法など。焼酎初心者にも上級者にも役立つ「飲み方」を一挙にご紹介します。

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▼焼酎の飲み方 目次

【定番編】
・ストレート
・オンザロック
・水割り
・お湯割り
・ソーダ割り
・前割り

【アレンジ編】
・焼酎版ブラッディ・メアリー
・金魚
・ガリ酎
・こうばし麦茶割り

【焼酎の飲み方・定番編】

芋、麦、米、蕎麦、黒糖、泡盛…。本格焼酎の、原料そのものの香りや味わいを楽しみたいなら、まずは定番の飲み方で。

・ストレート

・ストレート
この飲み方の魅力
原料そのものの風味や旨味を何にも邪魔されず、最大限に堪能できる飲み方です。焼酎を口に含んだままゆっくり鼻で呼吸をすると、その焼酎の香味が一層広がります。

作り方
焼酎は常温のままでも、冷蔵庫・冷凍庫で冷やしてもOK。原酒などアルコール40度以上の場合、冷凍庫で冷やすとトロっとした舌触りになります。焼酎瓶を軽くゆすって味をならしてから、お好みのショットグラスやおちょこに注いで味わいましょう。

ポイント
ストレートで飲むのに特に向いているのは、原酒、熟成酒、泡盛の古酒。ただし、焼酎のアルコール度数はだいたい25度前後、原酒の場合だと37~45度なので、そのまま飲むと結構パンチがあります。一口飲むごとに水(チェイサー)をはさみながら、少量を、ゆっくり時間をかけて楽しんでください。
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・オンザロック

・オンザロック
この飲み方の魅力
実は、焼酎は夏の季語。江戸時代は暑気払いの飲み物として親しまれていたそうです。ロックグラスに入れた焼酎は見た目も涼やか。氷が少しずつ溶けていくことで、味わいにも変化が生まれます。

作り方
大きめの氷をロックグラスいっぱいに入れます。焼酎瓶を軽くゆすって味をならしてから、焼酎を氷に当てるように静かに注ぎます。マドラーで7~8回混ぜて、良く冷やしてからいただきます。

ポイント
ロックは氷が命。せっかく飲むなら製氷機の氷ではなく、純度が高く溶けにくい市販のロックアイスや板氷を用意しましょう。

黒糖焼酎や熟成した麦焼酎、球磨焼酎(米焼酎)の原酒、黄麹を使った芋焼酎など爽やかな飲み口のものがおすすめです。
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・水割り

・水割り
この飲み方の魅力
焼酎をあまり飲みなれていない初心者にもおすすめの飲み方です。水で割ることで、アルコール度数が低くなり口当たりがまろやかになります。お刺身やサラダなど淡白な味の料理にもすんなり馴染みます。

作り方
焼酎:水=6:4~5:5がベスト。グラスに氷をたっぷり入れ、水割りの場合は焼酎を先に注ぎ、マドラーで軽く混ぜます。そのあと水を注いて、再度マドラーで混ぜていただきます。

氷で焼酎が薄まるのが好みでなければ、氷を入れなくてもOK。その場合、焼酎と水は冷蔵庫で冷やしておくと良いでしょう。

ポイント
割り水は、ミネラル分の少ない軟水を選んでください。水道水を使う場合は、カルキ臭を飛ばすために一度煮沸して冷ましたものを使いましょう。さらにこだわって、酒蔵で使われている仕込み水と同じくらいの硬度の水で割るのもおすすめです。
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・お湯割り

・お湯割り
この飲み方の魅力
焼酎の本場、南九州には“ダレヤメ(晩酌に焼酎を飲んで一日の疲れを取ること)”という方言があり、なかでもお湯割りは心身をリラックスさせる飲み方として昔から親しまれています。冬はもちろん、夏にエアコンで冷えた体を温めるのにもぴったり。お湯で割ることで原料の香りがふわっと立ち上ります。

作り方
お湯割りを作るときは、お湯が先で焼酎が後。これは焼酎に直接熱湯をあてないためです。耐熱性のグラスや器にお湯を注いで80度くらいになったら、焼酎をゆっくり注ぎましょう。湯と焼酎の温度差で対流が起きて、マドラーを使わなくても自然に混ざり合います。焼酎:お湯=6:4~5:5がベストです。

ポイント
基本的にどんな焼酎にも合う飲み方ですが、香り豊かな芋や麦を原料にした焼酎がおすすめ。お湯割りと同じくらいの温度のあたたかい料理に合わせると、よりおいしく感じられます。
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・ソーダ割り

・ソーダ割り
この飲み方の魅力
少し前までは焼酎のソーダ割りといえば甲類焼酎で作るのが一般的でしたが、ここ数年で本格焼酎をソーダで割って飲む人も増えてきました

シュワッとした炭酸の刺激が心地よく、喉の渇きを潤す一杯目としても最適。また、焼き鳥や唐揚げといった脂っこい料理もさっぱり流してくれます。

作り方
グラスに氷をたっぷり入れてマドラーでかき混ぜ、グラスを冷やします。グラスに焼酎を注いで混ぜ、次に氷に当てないように静かに炭酸水を注ぎます。炭酸が飛ばないよう、そーっと静かに混ぜてからいただきます。焼酎:炭酸水=3:7~4:6がおすすめです。

ポイント
ソーダ割りで楽しむなら、黒糖焼酎や泡盛が特におすすめ。ミントやライムを入れてモヒート風にすると、さらに爽やかさが増します。
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・前割り

・前割り
この飲み方の魅力
九州以外の地域では意外と知られていない「前割り」。文字通り焼酎を水で割ってなじませておく飲み方で、水が焼酎本来の味わいや香りを引き出し10倍くらいおいしくなる、と言われています。

よく焼酎関連の解説書には「地元では客を自宅に招いたときにふるまう」と紹介されていますが、特別難しい作法があるわけでもなく、ただ焼酎を水で割っておくだけなので、筆者(福岡出身)の実家の父は普段から自分で仕込んだ前割り麦焼酎で晩酌をしています。

作り方
清潔なボトル容器に、焼酎と水(軟水)を4:6~5:5など好みの割合で入れて混ぜ合わせ、最低一晩以上寝かせればできあがり。

ポイント
焼酎と水をあえて1:3くらいの割合で薄めに仕込んで冷蔵庫で冷やし、ゴクゴク飲めるようにしても。

1週間くらい寝かせたものがベストですが、早くなじませたければ水と焼酎を入れたボトルを思い切り振る、というやり方でもOK。芋、麦、米、どんな焼酎にも合う飲み方です。
 
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【焼酎の飲み方・アレンジ編】

いつも飲んでいる焼酎も、アレンジ次第で新しいおいしさが。ここでは「食事にも合う!」にこだわった4つのアレンジスタイルをご紹介します。

・焼酎版ブラッディ・メアリー

・焼酎版ブラッディ・メアリー
この飲み方の魅力
ウォッカをトマトジュースで割る「ブラッディ・メアリー」は良く知られていますが、これはその焼酎版。抗酸化作用をもつ「リコピン」をおいしく補給できます。

作り方
グラスに氷を入れ、トマトジュース:焼酎=3:1の割合で注いでマドラーで混ぜます。レモンを搾ってどうぞ。お好みで塩やタバスコで味付けしても。

おすすめ焼酎
芋焼酎、麦焼酎

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・金魚

・金魚
この飲み方の魅力
グラスの中で金魚が泳いでいるように見えることからその呼び名が付いた、なんとも粋な飲み方。甘みがなく大葉が爽やかに香るので、脂っこい食事とも一緒に楽しむことができます。

作り方
グラスに焼酎を好みの方法(水割り、お湯割り、ソーダ割り)で割り、大葉を1枚入れ、唐辛子1本を浮かべます。

おすすめ焼酎
乙類でも甲類でもなんでもOK

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・ガリ酎

・ガリ酎
この飲み方の魅力
大阪の居酒屋が発祥といわれているこの飲み方。生姜の甘酢漬けのピリッとした辛さが炭酸の刺激と相まって、ついつい、おかわりしたくなるおいしさ。串カツなどの揚げ物を食べるときにもぴったりです。

作り方
氷を入れたグラスに生姜の甘酢漬けを漬け汁ごと適量入れ、焼酎と炭酸を好みの割合で割り入れます。マドラーで良く混ぜて出来上がり。マドラーでガリをつぶしながら飲むのが、なにわスタイルです。

おすすめ焼酎
麦焼酎、米焼酎、甲類焼酎

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・こうばし麦茶割り

・こうばし麦茶割り
この飲み方の魅力
「緑茶割り」や「ウーロン茶割り」は居酒屋の定番ですが、夏の風物詩「麦茶」だって忘れてはいけません。麦茶割りに使う焼酎は、ぜひ麦焼酎一択で。麦のこうばしさをダブルで堪能できます。

作り方
グラスに氷を入れ、麦焼酎:麦茶=1:1で割ります。マドラーで混ぜて出来上がり。冬にホット麦茶で作るのもおすすめです。

おすすめ焼酎
麦焼酎

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* * *

いかがでしたか?

家飲みの魅力は、作法なんて気にせず好きな飲み方で楽しめるところ…なのですが、ちょっとしたコツでいつもの焼酎が格段においしくなるのも、また然り。

さっそく今夜、お気に入りの焼酎でお楽しみください!

<参考文献>
『味も香りも百花繚乱! 焼酎を楽しむ(NHKまる得マガジン)』NHK出版
邸恵一著『本格  焼酎を楽しむ事典』西東社
立山雅夫著『やっぱり芋焼酎』同友館
山同敦子著『旨い!本格焼酎―匠たちの心と技にふれる旅』ダイヤモンド社


※記事の情報は2020年2月26日時点のものです。

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