すごい梅酒みつけました(和歌山県みなべ町)< 歩いて楽しむ酒⑬>
梅干し、梅酒に梅ジュース。今年も梅仕事の季節がやって来ました。「さけ通信」がとりあげるのはもちろん梅酒、梅の実をベーススピリッツに漬け込むだけのシンプルなリキュールです。日本一の梅産地である和歌山県みなべ町の梅農家を訪ねると、そこには産地ならではの極上の梅酒がありました。
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梅農家の跡取り息子がつくる梅酒
3月7日にみなべ町を訪ね、梅を栽培する有本農園の有本陽平さんに町を案内していただきました。有本さんは梅を栽培するだけでなく、酒造免許をもち梅酒を製造販売しています。彼の梅酒は自身が育てた梅が枝についたまま完熟するのをじっくり待ち、桃のように甘い香りが出るようになってから手摘みしたものを使います。スーパーや八百屋に梅酒用として並んでいる青梅は、店頭に並べても日持ちするよう若いうちに収穫したもの。梅栽培農家ならではの、梅のポテンシャルを最大限に引き出したいという彼のこだわりの現れです。
当日はJRみなべの駅で待ち合わせ梅林に向かいました。実はみなべ梅の花の見ごろは2月、たくさんの梅が咲き誇っていた南部梅林は数日前に閉園していました。それでも地元をよく知る有本さんは車を走らせ、梅の花がありそうなところを探してくれたというわけです。
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梅農家が梅干しの下ごしらえ
現在も農家が梅干しづくりを担うのは変わっていません。収穫した梅を干して塩漬けするところまでを農家が担当し、梅干し加工業者に引き渡します。
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
南高梅で変わった梅干し
この南高梅が登場して梅干しは一変します。それまですっぱく塩辛かった梅干しは保存食として、梅和えやおにぎりの具材に用いられていました。ミネラルが豊富で疲労回復効果があり、食欲を増進させる働きから重宝されてきました。ところが南高梅は大粒で皮が薄く肉厚、さらに実が柔らかいためうま味をたっぷり含ませられます。ふっくらジューシーに仕上げた南高梅の梅干しは、高級梅干しとして大ヒットします。開封後は冷蔵保存が当たり前になり、南高梅以前と以後で梅干しはまったく別のものになったと言ってもいいほどの変わりようです。
梅酒の梅酢漬けチキンのBBQ
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超限定 今しか手に入らない最高級梅酒「プラミティ」
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※記事の情報は2019年6月19日時点のものです。
『さけ通信』は「元気に飲む! 愉快に遊ぶ酒マガジン」です。お酒が大好きなあなたに、酒のレパートリーを広げる遊び方、ホームパーティを盛りあげるひと工夫、出かけたくなる酒スポット、体にやさしいお酒との付き合い方などをお伝えしていきます。発行するのは酒文化研究所(1991年創業)。ハッピーなお酒のあり方を発信し続ける、独立の民間の酒専門の研究所です。
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