熱燗ステーションで注目。ニューヨークで生まれたトリュフ入りの燗酒!

第2回「おでんで熱燗ステーション」の目玉は「トリュフ燗」。ニューヨークの酒蔵が始めたもので、黒トリュフを燗酒に一片を落とます。イタリアンでお馴染みの高級食材は、燗酒にうま味豊かに香りました。

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おでんで熱燗ステーションとは?

この催しは全国燗酒コンテスト実行委員会が主催し、2019年の同コンテストで入賞した酒を、おでんをつまみながら楽しむというものです。会場はJR両国駅の幻の3番線ホームです。1月9日~12日の4日間開催し2000人を超える方にご来場いただきました。会場の一画にコタツコーナーを設け、撮影用に用意した綿入りの半纏を羽織って、来場された方々は入れ替わり立ち替わり「映える」絵を撮っていました。
駅のホームに約30mの立ち飲みカウンター
駅のホームに約30mの立ち飲みカウンター。行き交う通勤電車を眺めながら熱燗を楽しみます
コンテストで入賞した酒蔵のブースで燗酒をお猪口にサービス
コンテストで入賞した酒蔵のブースで燗酒をお猪口にサービス
酒蔵の方から直接お酒の説明を聞きながら楽しみます
酒蔵の方から直接お酒の説明を聞きながら楽しみます
撮影スポットでは駅のホームに並んだコタツを囲んでにっこり
撮影スポットでは駅のホームに並んだコタツを囲んでにっこり

ニューヨークで生まれたトリュフ入りの燗酒

キャビア、フォアグラと並んで世界三大珍味といわれるトリュフ。海外ロケのグルメ番組で、このキノコを探すために臭いを覚えているブタや犬を連れて森に出かけるシーンをご覧になった方もいらっしゃることでしょう。地面からちょっと顔を出しているだけなので、目を凝らしてもなかなかみつけられないのだそうです。

ミズナラなどドングリがなる木の下に生え、日本にも黒トリュフが自生しているそうなので、皆さんもトリュフ狩りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ネットで検索すると、探し方がちらほら見つかります。

このトリュフをスライスして燗酒に落として提供し始めたのは、ニューヨークのブルックリンに誕生した酒蔵「ブルックリン・クラ」です。それを聞いて今年の熱燗ステーションで提供してみようと思い立ったわけですね。

ところが探してみると東京でもトリュフを手に入れるのはひと苦労でした名だたる高級スーパーや百貨店に電話しても、在庫しているところはありませんでした。知り合いのレストランに分けてもらえないか尋ねたり、豊洲市場に問い合わせたりした末、ようやくイタリア産のフレッシュ黒トリュフをゲット。最後はやはりネット通販でした。
トリュフカウンター
熱燗ステーションではトリュフ燗を1000円/杯で提供。黒トリュフは400円/gの高級品。白トリュフはその2倍以上の超高級品で手が出ません
トリュフを削って計る
500g購入した黒トリュフは小ぶりなものが3ピース。ひとつは18.1gでした。これを専用のスライサーで数枚削ります
トリュフ
ちょっと厚めに2~3枚削るとトリュフの目方は16.7gに。スライス1枚あたり約1gなので、トリュフ1個で18杯のトリュフ入り燗酒が楽しめる計算です

~トリュフ燗のつくり方~熱めの燗に一片落として3分

酒の温度を変えて何タイプか試してみたところ、トリュフ燗には55℃くらいまで上げた酒でつくるのがベターとの結論に至りました。カップに熱燗を注いだらトリュフを一片落として蓋をします。

フグひれ酒と同じ要領ですね。そしてそのまま3~5分くらい待っていると、酒の温度が50℃くらいまで下がります。この辺が飲み頃。ふたを開けるとトリュフの香りがドドドドと押し寄せてきて、口に含むとトリュフ燗の深いうま味がじ~んと広がりました。
温度を計る
酒タンポに1号ほど酒を注いで、湯煎で温度が上がるのを待ちます。55℃をターゲットにします
トリュフ癇
カップに温めた酒を注いでトリュフのスライスを一片落とし、蓋をしてしばし待ちます。これでおいしいトリュフ燗が楽しめます

高価で馴染みのない食材であるフレッシュトリュフは、入手が難しいうえに一般家庭では使い切れませんが、トリュフを扱うイタリアンレストランでなら試せるかもしれません。全国燗酒コンテストの入賞酒(お燗でおいしいお墨付きの酒)を持ち込んで、シェフに交渉してみてはいかがでしょうか。

※記事の情報は2020年1月22日時点のものです。

  

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