【ベトナム】ビール大国の家飲みは、期待以上のおつまみ天国だった!
生まれた国を遠く離れて日本で暮らす方たちのリアルな食卓を通して、世界各国のお酒と食文化に迫る「家飲みオリンピック」。今回は「333」ビールで知られるベトナムの、奥深き家飲みの様子をご紹介します。
聞けば、ほぼ毎週末ズンさんのお家に集まって料理を作っては、賑やかに飲んだり食べたりするのが恒例になっているとのこと。
そんな彼らのベトナム流家飲みとは一体どんなものなんでしょうか?
ビールといえば北部の「333」、南部の「ビア・サイゴン」
ちなみにベトナムは暑い国なので、ビールに氷を入れて飲むのが当たり前。日本ではそうした飲み方はなんとなくタブーとされていますが、ロンさんからすれば「日本人はなぜ氷を入れて飲まないのか不思議」なんだそう。うーむ、所変われば常識も変わるんですね。
1杯30円! ベトナムの超大衆生ビール「ビアホイ」とは?
日本では、お祝いの席では缶ビールよりも瓶ビールを用意するのが一般的ですが、ベトナムでは瓶よりも缶のほうが高級なイメージがあって、結婚式などの宴の席では缶ビールを並べることが一種のステータスになっているらしいのです。
「缶ビールが一番高級で、次が瓶ビール、一番チープなのがビアホイ。ベトナムでは懐具合に応じて飲むビールが決まります」とベトナムの食文化に詳しいタマさん。
「ビアホイ」とはベトナムの生ビールの一種。屋台や食堂にビアホイのタンクが置かれていて、とにかく安く飲めるのが魅力。瓶ビールの1/3くらいの値段で、だいたい1杯5000ドン(30円)が相場なんだそうです。
味はビールというよりもちょっとだけアルコールの入った炭酸水のような感じで、夏季は水代わりに飲む人も多いそう。なにしろ1杯30円ですから。
それにしても、ビールひとつとっても日本とこんなに違いがあるとは。ベトナムの酒文化、なかなか奥深しです。
ビールがすすむベトナムおつまみ、秘訣は調味料にあり!
この日、フェンさんとマイさんが腕によりをかけて用意してくれた現地のおつまみがこちらです。
ベトナム料理と聞いてまず思い浮かぶ生春巻きに、実は現地では生春巻きよりもポピュラーだという揚げ春巻き「ネムザン」。
パイナップルと海鮮のサラダ、一羽丸ごと焼いた鴨のロースト。
なかには、見た目からは味の想像がつかない料理も。
「これはお酒好きの大好物ネムチュア。豚の生肉や皮、にんにく、米粉なんかを混ぜてバナナなどの葉っぱに包んで発酵させたものです。お正月にもよく食べます」
「そしてこれはロンロンと呼ばれる豚の内臓の盛り合わせ。必ずマムトムというエビの調味料に付けて食べます」
ズンさんの解説によればベトナム料理には欠かせない調味料がいくつかあって、「マムトム」もその1つ。
他にも、あらゆる料理に使うというベトナムの魚醤「ヌクマム」に、料理に辛さをプラスする「チリソース」、発酵させたイワシのタレ「ナムネム」など。
ベトナム語で“乾杯”は、「モッ!ハイ!バー!ヨー!」
各自グラスが行きわたったら…。「モッ!ハイ!バー!ヨー!」。
ヌクマムのタレにつけて食べるパリパリの揚げ春巻も、酸味とにんにくが効いたネムチュアも箸が進む!ビールが進む!
そして、どのおつまみにも野菜やハーブがどっさり添えられていて、このさっぱりヘルシーな感じがさらに食欲を増進させるのです。
さて、ビールをひとしきり飲んだ後、ズンさんが「ネップカム」という濃い色のお酒をそれぞれグラスに注いでくれました。なんでも赤もち米を発酵させて作ったベトナムの蒸留酒で、アルコールは29度。ベトナムの男性たちはこれをストレートで飲むんだとか。
そんな蒸留酒のお供としてよく食べられているのが、青いマンゴーやスターフルーツといった果物。
マンゴーに限らず、現地では桃やパパイヤなどの果物をあえて未熟な状態で食べることを好む人も多いんだとか。さすがフルーツの国ベトナム、いろんな楽しみ方を知っているんですね。
酔いまで「平等」に分かち合うのがベトナム流!
「基本的に男性はお酒に強いと思います。というのもベトナムでは人と飲むときは、互いのグラスを見合いながら、飲むスピードを合わせないといけない、という意識があるんですよ。
たとえば飲み会でも、あとから遅れて到着した人は、先に来た人が飲んだ分のお酒を飲んで追いつかないといけないんです。乾杯だって、日本は最初だけですよね? でもベトナムでは、グラスにお酒を注ぐたびに乾杯する。だから自然とお酒に強くなるんでしょうね」とズンさん。
「酔い方にしろなんにしろ、とにかく私たちにとって『平等』であることが何より大切なんです。ベトナム人同士のつながりにおいては、『なんでも話せる』『なんでも分かち合える』ことが最優先されます。だからベトナムを離れた今でも、こうして故郷を共にする人たちと集りたくなるんでしょうね」
最後にフェンさんとマイさんがお酒の〆にと本場・北ベトナムのチキンフォーを作ってくれました。
▼ベトナムのおつまみとチキンフォーレシピはこちら!
今回ご紹介したベトナムのお酒やおつまみの材料は、ズンさんが営むベトナム食料品店でも取り扱っているそうなので、ぜひみなさまもベトナムの家飲みにチャレンジしてみてください!
ズンさん一家とお仲間のみなさん、ありがとうございました。
■お店情報
住所:千葉県松戸市新松戸1-420ハイツ新松戸102
TEL:047-881-9994
営業:9:00~23:00
年中無休
※記事の情報は2020年3月31日時点のものです。
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