10月は減税で安くなるビールを飲もう!
酒好きほぼ100人に聞く「酒飲みのミカタ」。10月から酒税率が改正され、ビールの酒税は350mlあたり7円下がり、反対に新ジャンルは10円上がります。そこで今回は酒税率が改正後にどんなビール類を選ぶかを聞きました。
新ジャンルは増税前の9月中に買っておこう!
ビール類ユーザー(自宅でビール類を週に1回以上飲む方)に買いだめするかどうかを聞いたところ、18%が「買いだめする」と回答し、「買いだめしない」という方と同数という結果となりました。
ちょっと考えてみてください。ひと缶では10円の増税ですが1ケース24缶だと240円になります。今、新ジャンルは量販店で1ケース2400円(税抜き)くらいですから、何の説明もなしに1割の値上げです。増税ですからどの売場も240円は必ず上がります。9月中に買っておけば、10月になってから買うよりも2缶も余計に買えるのです。
新ジャンル増税額は、消費税が2%上がった時の5倍
減税でビールが安くなったら「ビールが増える」は17%
彼らの「ビールが増える」という回答は新ジャンルユーザーで27%、発泡酒ユーザーは38%もあります。新ジャンルも発泡酒もリーズナブルでおいしいのですが、ビールの価格が下がればビールがいいと思っている方が多いことがわかります。
ビール類の税率一本化の後、次は引き下げを求めよう
このように税格差ができた背景には、日本ではビールの税率が他の国に比べて著しく高いこと、さらに日本酒やワインや焼酎、ウイスキーに比べても極端に高いことがあります。ビールメーカーは飲み手のニーズに応えて、少しでもリーズナブルなビールを提供しようと、税率の低い発泡酒や新ジャンルといういろいろな制限のある規格の中で、ビールの味わいを出すことに力を注いできたのです。
今回の税率改正に対して飲み手の意見も分かれます。
「そもそもビールの高い税率を下げるべき!」
「企業努力を無にする国の横暴だ!」
「庶民の味方、税率の低い新ジャンルを増税するなんてひどい」
という声がある一方で、次のような声もあります。
「税の平等性を確保するにはやむを得ない」
「ビールでおいしさを競うようにした方がすっきりする」
「法の抜け道を探すようなやり方は見直して当然」
既にビール類の税率一本化は決定事項で、粛々と進められていきますが、一本化された後はビール税の引き下げを求めていくことを忘れてはなりません。海外に比べても、他酒類のアルコール度数あたりの税率に比べても、日本のビール税は高すぎるのですから。
この秋は減税されたビールを満喫
現在の量販店での実勢価格は缶入りチューハイが約110円(税抜)で新ジャンルは約120円(税抜)ですが、新ジャンルが10円増税されるので約130円(税抜き)になり缶入りチューハイの価格差が20円に広がります。110~130円の商品で20円の違いは決して小さくありません。それで新ジャンルから缶入りチューハイに流れると見る向きは少なくありません。
けれども前述の質問で、「新ジャンルの価格が上がったらRTD(缶入りチューハイ)が増える」と回答した方はわずか5%、新ジャンルユーザーだけで見ても13%だけです。新ジャンルから缶入りチューハイに次々に手を伸ばすようになることはなさそうです。
それよりもせっかくビールが安くなるのですから、この秋は自宅でもビールを満喫してみてはいかがでしょうか。季節限定品も色々楽しめます。
調査時期:2020/9/4~9/9
調査方法:インターネットによる自記入式アンケート
サンプル数:100人(お酒好きな人)
※記事の情報は2020年9月16日時点のものです。
『さけ通信』は「元気に飲む! 愉快に遊ぶ酒マガジン」です。お酒が大好きなあなたに、酒のレパートリーを広げる遊び方、ホームパーティを盛りあげるひと工夫、出かけたくなる酒スポット、体にやさしいお酒との付き合い方などをお伝えしていきます。発行するのは酒文化研究所(1991年創業)。ハッピーなお酒のあり方を発信し続ける、独立の民間の酒専門の研究所です。
- 1現在のページ