いつものビールが大変身! 絶品ビアカクテルレシピを人気バー店主が伝授

ビールが大好きという方はもちろん、ちょっと苦手…という方にもおすすめしたいビアカクテル。イエノミスタイルでも連載経験をもつ渋谷の人気バー「bar bossa(バールボッサ)」店主・林伸次さんに、お家で簡単に作れる絶品レシピを教えていただきました。

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ビールで作るカクテルは簡単&食事に合う!

カクテルと言えば、ジンで作るマティーニやウォッカベースのスクリュードライバー、ラムをシェイクするダイキリなど、蒸留酒を使ったものをまず思い浮かべると思います。

でも、以前林さんが「お酒のたしなみ入門」コラムでも書いていたように、カクテルの定義は「お酒と何かをミックスした飲み物」。もちろんビールだってお酒なので、何かとミックスすればカクテルになります。
「私の店でも、ビールベースのカクテルとしては『シャンディガフ』や『レッド・アイ』をよくお出ししていますね。どうしてもお客様の中にはアルコールに弱い方もいらっしゃって、そういう方によくビアカクテルの注文を受けます。

ビアカクテルの一番の魅力は、やはり蒸留酒を使ったカクテルと比べてアルコール度数が低くて飲みやすい、ということじゃないでしょうか。

あと、ビアカクテルってあくまでビールがベースなので、食事やおつまみにも合わせやすいんですよ。例えばレッド・アイとフライドポテトとか、シャンディガフとピザとか。そこも他のカクテルにはない魅力のひとつでしょう。

ビアカクテルは、基本的にビールと何かをグラスの中で混ぜるだけです。他のカクテルのようにシェイカーを使ったり、細かいテクニックが必要ということでもないので、お家で作るにはぴったりだと思います」

ビアカクテルを美味しくする基本ポイント

ビールが主役のカクテルですから、ビールの選び方や扱い方が気になります。林さんに、ビアカクテルを作るうえで知っておきたい基本的なポイントを教わりました。

①ビールはベーシックな味のものを
「カクテルにするなら、ビールは味に個性のあるタイプよりも、ベーシックなもののほうが良いでしょう。

おすすめはキリンの『ハートランド』。苦味がそんなに強くなくバランスの取れた味わい。ボトルが可愛いのも気に入っています」
②ビールや、その他の材料は冷蔵庫で冷やす
「ビアカクテルには氷を使いませんので、ビールやビールに加えるその他の材料は冷やしておいてください。

とはいえビールをキンキンに冷やしすぎると、せっかくのカクテルの味が分かりにくくなりますので、普通に冷蔵庫で冷やす程度で大丈夫です」

③ビールは必ず最後に注ぐ
「例えばビールとトマトジュースで『レッド・アイ』を作る場合、ビールを注ぐ順番は最後、つまりトマトジュースをグラスに注いだ後です。


ビールって泡が重要な飲み物ですが、注いだ勢いで泡立つものなので、ビールがあるところにジュースを後から注いでしまうと泡立たないんですよ。

ジントニックでもジンを入れた後にトニックウォーター、ハイボールでもウイスキーの後に炭酸、というように何でも泡モノが最後。同じように、ビアカクテルも一番最後にビールを注ぎ、泡立たせます」

【絶品ビアカクテル①】シャンディガフ

【絶品ビアカクテル①】シャンディガフ
ビールとジンジャエールを合わせたカクテル。ビール特有のホップの苦味とピリッとしたジンジャーの刺激がマッチした爽快な一杯。
 
シャンディガフ材料

材料

  • ビール(ハートランド) 適量(ビール:
    ジンジャエール=1:1)
  • ジンジャエール(ウィルキンソン・辛口) 適量
  • ライム  1/8個
  • ローズマリー  1本

作り方

  • タンブラーにジンジャエールを注ぎ、その後、同量のビールを静かに注ぐ(※ジンジャエールにも炭酸が含まれているため、マドラーを使わずとも自然に対流が起こり混ざります)
  • ライムをグラスのふちに飾り、ローズマリーを挿す
\ここが絶品ポイント!/
シャンディガフを作る
「ライムとローズマリーは香りの相性が抜群。この2つを加えることで、ぐんと香り高いシャンディガフになります」

【飲んでみた!】
ライムとローズマリーのおかげで爽やかさが増し、より洗練されたカクテルに。ハーブのアロマ効果で一日の疲れも癒されそうです。

【絶品ビアカクテル②】レッド・アイ

レッド・アイ
ビールとトマトジュースを合わせたレッド・アイは、ビアカクテルの代表格。名前の由来は、「二日酔いで目が赤くなったような人が好んで飲んでいたから」だそう。
 
レッド・アイ材料

材料

  • ビール(ハートランド) 適量(ビール:
    トマトジュース=1:1)
  • トマトジュース 適量
  • レモン 1/8個
  • (好みで)塩・胡椒、タバスコ、ウスターソース 適量

作り方

  • タンブラーにトマトジュースを注ぎ、その後、同量のビールを静かに注いで軽くステアする
  • レモンを飾り、好みで塩・胡椒、タバスコ、ウスターソースで味付けをする
\ここが絶品ポイント!/
レッド・アイを作る
「私が店でレッド・アイを作る時は、ハマグリエキスが入った『モッツ クラマト トマトカクテル』というトマトジュースを使っています。クラムチャウダーのトマトジュース版といった感じで、ハマグリの旨味やいろんな香辛料が入っていて、これを使うと奥深い味わいになるんです。アマゾンや楽天でも購入できますよ」

【飲んでみた!】
塩や胡椒を追加しなくても十分美味しい! まるでスペインの冷製スープ「ガスパチョ」みたいなハッとする味わいです。レッド・アイには「クラマト」、覚えておきましょう。

【絶品ビアカクテル③】ダブルカルチャード

【絶品ビアカクテル③】ダブルカルチャード
ビールとカルピスをミックスさせて作る「ダブルカルチャード」はカルピスの社員が考案したカクテル。最後にグレナデンシロップを少し垂らすと、色合いも美しい一杯になります。
 
ダブルカルチャード材料

材料

  • ビール(ハートランド) 適量(ビール:
    カルピスウォーター=2:1)
  • カルピスウォーター 適量
  • グレナデンシロップ  少々

作り方

  • グラスにカルピスウォーターを注ぎ、その後、倍量のビールを注ぐ。
  • グレナデンシロップを少量垂らし、マドラーで静かに下から混ぜる。
\ここが絶品ポイント!/
ダブルカルチャードを作る
「もともとのレシピはカルピスの原液を使うのですが、カルピスウォーターで作ったほうがよりさっぱりした口当たりになって飲みやすいと思います」

【飲んでみた!】
まず見た目の美しさに心奪われます。味はというと、カルピスのまろやかさがビールの苦味を和らげて、ビールが苦手な人でもすいすい飲めそう。思ったほど甘くなく、後味すっきりなのも好印象でした。

【絶品ビアカクテル④】ブラック&ホワイト

【絶品ビアカクテル④】ブラック&ホワイト
黒ビールと牛乳を混ぜ合わせて作るビアカクテル。ビールはクリーミーな泡立ちとコク深い味わいが特徴の「ギネスビール」を使います。
 
ブラック&ホワイト材料

材料

  • 黒ビール(ギネスビール) 適量
    (ビール:牛乳=2:1)
  • 牛乳 適量
  • キャラメルシロップ 少々

作り方

  • グラスに牛乳を注ぎ、その後、倍量のギネスビールを静かに注ぐ。
  • キャラメルシロップを少量垂らし、マドラーで静かに下から混ぜる。
\ここが絶品ポイント!/
ブラック&ホワイトを作る
「通常はシロップや蜂蜜を加えますが、私が使うのはキャラメルシロップ。ぐんと香ばしさが増して、カルーアミルクのようになります」

【飲んでみた!】
キャラメルシロップがギネスビールの麦芽の香ばしさを引き立てて、衝撃的な美味しさ! 食後のコーヒーのようにゆっくり楽しみたい一杯です。

実は以前「牛乳割り選手権」の記事でギネスビールの牛乳割りに挑戦したことがあるのですが、それとはまったくの別物…。ビールの後に牛乳を注いでしまったり、キャラメルシロップは入れなかったりと、いろいろ間違いだらけだったことが判明しました。

今回教わったレシピでリベンジします!
* * * *

ご紹介したようにビアカクテルは、基本はビールと何かを混ぜるだけ。

でも、作り方がシンプルであるがゆえに、今回の「ブラック&ホワイト」の例のように、作り方の手順や材料のチョイス、ブレンドする割合がダイレクトに仕上がりに影響することが分かりました。

やはり何事もプロの仕事から学ぶって大事!

ぜひ、皆さまも今回ご紹介したポイントやコツを参考に、お家でビアカクテルを作ってみてください。

この方にお聞きしました

林 伸次さん

渋谷のワインバー「bar bossa(バールボッサ)」店主。中古レコード店、ブラジリアンレストラン、バーでの勤務を経て、1997年に渋谷にbar bossaをオープン。ボサノヴァをはじめとするブラジル音楽にも精通しており、選曲CDやCDライナー執筆多数。また、人気エッセイストとしの顔ももち、WEBメディアで発表したコラムは書籍化されるほど。近著に『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)。

林 伸次さん
■お店情報

「bar bossa(バールボッサ)」

東京都渋谷区宇田川町41-23 河野ビル1F
TEL:03-5458-4185
営業時間:20:00~24:00
定休日:日曜・祝日
公式HP 
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※記事の情報は2020年7月21日時点のものです。
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