【クラフトビール】人気のスタイルやおすすめ銘柄&おつまみとは?
家飲みの定番といえばやっぱりビール! 近頃はコンビニやスーパー、街の酒屋さんでも手軽にクラフトビールが買えるようになりました。クラフトビールで楽しく家飲みするための人気のスタイルの特徴や飲み方、合うおつまみを紹介します!
クラフトビールとは?
クラフトビールという呼び名が浸透する以前は「地ビール」というジャンルもありましたが、これは観光地のおみやげ用ビールという意味合いが強いため、似て非なるものとして捉えられています。
大手ビールメーカーの定番商品は「ピルスナー」と呼ばれるビアスタイルがほとんど。ですが世界には100種類を超えるビアスタイルがあると言われています。多種多様なビアスタイルを楽しめるのも、クラフトビールの特長です。
クラフトビール人気のビアスタイル①|IPA
IPAを最も特徴づけるものはホップです。ホップは“ビールの魂”とも呼ばれ、ビールに香りと苦みをもたらす大切な原料。IPAでは香りも苦みも増し増しに仕上げるために、一般的なビールよりも多量のホップを麦汁と一緒にぐつぐつと煮込んでいます。
さらにフレッシュな香りを移すために、発酵が終盤に差し掛かりほぼ完成に近づいたビールに直接ホップを浸す「ドライホッピング」という手法を使う醸造所も。
とは言っても“ホップの量を増やせばIPAになる”のではなく、大切なのは麦芽とのバランス。例えば、そのままのカカオは苦くてとても食べられませんが、砂糖を加えることによってカカオの風味が引き立ちます。同じようにIPA造りでも、土台となる麦芽の甘みとコクが重要。麦汁の濃度を高くして全体のバランスを取っているのです。
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クラフトビール人気のビアスタイル②|ピルスナー
ピルゼンのあるボヘミア地方は、ホップの名産地。13世紀頃からビールが造られていました。ところがその頃のビールの味はひどいものだったとか。そこでチェコの醸造家たちは、当時から最先端の醸造技術を持っていた南ドイツに学ぶべく、1842年に醸造家ヨーゼフ・グロルをピルゼンに招きました。グロルは早速ピルゼンにある材料を使って、南ドイツの技術でビールを醸造します。
同年10月4日、樽の中のビールを見ると、予想外のことが起きていました。本場南ドイツと同じ褐色と思いきや、黄金色の美しいビールになったのです。南ドイツの水が硬水であったのに対し、ピルゼンは軟水だったため、淡色ですっきりとした味わいのビールに仕上がったのでした。当時はビールに適した水の硬度など知る由もありませんから偶然の産物です。
このビールはピルゼンにちなみ「ピルスナー」と呼ばれ、たちまち人気者になりました。他の地方のピルスナーと区別するため「ボヘミアンピルスナー」とも言います。
以上がピルスナー誕生ストーリー。ビールは紀元前4000年のメソポタミアですでに飲まれていたと言われていますから、その長い歴史から見れば1842年生まれのピルスナーはまだまだ加入したての“新入生”ですね。
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クラフトビール人気のビアスタイル③|ペールエール
これに対し、ビールの代名詞ともいえるピルスナーは、下面発酵酵母を使い低温で発酵させ長期熟成する「ラガー」の仲間。すっきりとした味わいで爽快な喉越しが特徴です。ペールエールの「ペール」とは英語で淡いという意味。ところが実際のペールエールの色はオレンジから銅色で、一般的に飲まれているピルスナービールと比べてさほど淡いとは感じません。実はこのビールが誕生する以前の19世紀初頭に飲まれていたビールは、焦げ茶から黒色で濃い色のものばかり。それらと比較して“薄い色”だったためペールエールと名付けられました。
ペールエールが生まれたのは英国中部を流れるトレント川の畔にある小さな町、バートン・アポン・トレントです。事業家であるヒュー・オルソップが1822年にティーポットの中で造ったのがペールエールの始まりと言われています。
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クラフトビール人気のビアスタイル④|ヴァイツェン
原料に大麦麦芽だけでなく、小麦麦芽が全体の50%以上使用されています。小麦麦芽に多く含まれているたんぱく質の成分が、泡の粒をコーティングするため、こんもりと豊かな泡が長く持続します。
フルーティーな香りはバナナや洋ナシ、クローブのよう。これはヴァイツェンだけに使用される「ヴァイツェン酵母」が醸し出した香りです。 苦いビールが苦手という方にもぜひお勧めしたいビールです。
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クラフトビール人気のビアスタイル⑤|スタウト
スタウトを代表する銘柄といえば、アイルランドの「ギネス・スタウト」。1759年に創業したギネス社で、アーサー・ギネスが当時英国で流行していたポーターというスタイルのビールをアイルランドでも製造しようと試みたのが始まりです。ところが、当時は原材料の“麦芽”に税が課せられていたため、税負担を軽減するために、麦芽にしていない“大麦”をそのまま焙煎して原材料に使用したのです。予想外の香ばしさとドライな口当たりは、たちまち人気に。誕生時は「スタウト・ポーター」と呼ばれていましたが、次第に「スタウト」と呼ばれるようになりました。
税金対策として大麦をそのまま焙煎するというアイディアが生み出したスタウトは、今や世界中で愛されるビールに。ピンチをチャンスに変えたビールです。
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