5つ星にランクされた酒蔵は? 「世界酒蔵ランキング2020」レポート
2020年に国内外で開催された主要な日本酒のコンテストでの入賞実績をポイント化した、世界酒蔵ランキングが発表されました。今年TOPになったのはどこ? ご贔屓の蔵は星を獲得できましたか?
中止や変更が相次いだ2020年のコンテスト
・全国新酒鑑評会(主催:酒類総合研究所)
・日本酒造組合中央会(日本)
・全国燗酒コンテスト(日本)
・ワイングラスでおいしい日本酒アワード(WGO)(日本)
・Kura Master(フランス)
・インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)(イギリス)
・全米日本酒歓評会(アメリカ)
いずれもコンテストの主旨と審査方法、選考方法を公開し、専門家によるブラインド審査を徹底しており、公平性・透明性が担保されています。さらに一定数の酒蔵から多数の出品があります。
2019年からの変更点は、コロナ禍で中止となった「SAKE COMPETITION」(日本)のポイントが加算されなかった点と、「全国新酒鑑評会」は決勝審査ができなかったため「金賞」を選定せず入賞だけになった点、新たに海外での日本酒コンテストの草分けである「全米日本酒歓評会」を対象に加えたことです。
感染対策を講じて行われた審査会と表彰式
そんなか2月に審査会を開催できた「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」は緊急事態宣言が解除され、平静を取り戻しつつあった6月に表彰式を開催、プレゼンターに落語家で俳優の林家たま平さんを招いて学士会館(東京都)で開催しました。たま平さんは一昨年に大ヒットしたテレビドラマ「ノーサイドゲーム」に佐々コーチ役で出演された方です。
上京した受賞蔵元はフェイスシールドを着用してステージに上がり、トロフィーを手にしましたが、コロナ禍で参加した酒蔵は例年の半分にとどまりました。
「世界酒蔵コンテスト2020」のTOP3は渡辺酒造店、八戸酒造、清水清三郎商店
そして、今回、第1位に輝いたのは975点を獲得した渡辺酒造店(岐阜県)でした。昨年の2位からランクアップしてついにトップに立ちました。主力商品の『蓬莱 吟醸 伝統辛口』が4つのコンテストで入賞し計170ポイントを稼ぎました。
第2位は910ポイントで八戸酒造(岩手)。主要銘柄は『陸奥八仙』です。
第3位は清水清三郎商店(三重)で900ポイント。昨年の1位から惜しくも2ランク落としました。主要銘柄は『作(ざく)』です。
700点越えの4蔵は、出羽桜酒造、小西酒造、加藤吉兵衛商店、永井酒造
5位の小西酒造(兵庫)は『白雪』の醸造元です。日本酒発祥の地と言われる伊丹で創業、その地で今も酒を造り続けています。昨年は創業470年を迎えました。
6位は福井の加藤吉兵衛商店。『梵』は海外でも人気です。出品したほとんどのコンテストで入賞し、地力の強さ証明しました
7位にランクインしたのは『水芭蕉』の醸造元である永井酒造(群馬県)。シャンパンのように瓶内で炭酸ガスを得る製法でクリアなスパークリングSAKEを開発したことで知られます。スパークリングタイプの『MIZUBASHO PURE』も輝かしい成績でしたが、純米吟醸、純米大吟醸がスコアを伸ばしました。
5つ星は600点台まで。中埜酒造、米澤酒造、平和酒造がランクイン
9位の米澤酒造(長野県)の主要銘柄は『今錦』。『純米大吟醸』『特別純米』がそれぞれ130ポイントを獲得して順位を押し上げました。昨年はランク外で星を獲得できませんでしたが、今回はいきなりの5つ星です。
10位の平和酒造(和歌山)は『紀土』で知られ、梅酒も高い評価を得ている酒蔵です。昨年から5つ順位を上げてトップ10入りを果たしました。
世界酒蔵ランキング公式サイト
※記事の情報は2021年1月21日時点のものです。
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