発見! 展示会で見つけた「流行りそうな酒」
ようやく酒類の展示会がリアルで開催されるようになった。あちこち足を運んでみると「おもしろい!」と思う商品が目に留まり、試してみると味も上々だ。秋以降に発売されるものも含めて、流行りそうな酒を紹介しよう。
割って楽しむ「ビアボール」
かつて「とりあえずビール」と言われたほど広く愛されながら、ビール消費は20年以上減少し続けている。これを再び活性化するには、若年層(20~40代前半)が「楽しみを共有するためのツール」と評価するビールが必要という考えから生まれたのが、「自分好みにつくる自由なビール」というこの商品のコンセプトだという。
クラフトの裾野を広げる「SVBシルクエール」
2018年には小規模な料飲店でも複数の樽生クラフトビールを提供できるビアサーバー「タップマルシェ」を開発、そして2021年に満を持して全国発売したのが「SPRING VALLEY 豊潤<496>」だ。旨み豊かなビールの王道をゆく味わいは評価が高いが、この秋には「〃シルクエール」(9/13発売予定)が加わる。小麦を使ったマイルドな口当たりと爽やかな香りのホワイトビールだ。ポップな味わいはクラフトビールに新しいユーザーを呼び込み、裾野を広げてくれそうだ。
ライザップ監修のノンアルビールが登場
展示会ではブースにCMで耳慣れたあの曲が流れ、つい立ち止まってしまった。試飲をすすめられて「アサヒドライゼロ」と飲み比べたが、遜色ない味わい。市場がどう反応するか楽しみだ。
缶ワインはどこでもワイン
250mlでひと缶400円くらいするので缶チューハイと並んでいると高い感じがするかもしれない。でも3缶でフルボトル1本分である。そこそこのワインを詰めれば、このくらいの価格になる。
最初にスパークリングワインを飲んで、その後に白(赤)ワインを飲みたい時、缶入りのスパークリングワインなら少人数でもそれができる。サラダに白ワインで初めて、がっつりした肉には赤を飲むのもOKだ。テレビでスポーツを観戦しながら缶から直接飲んだって構わない。新幹線での移動中に駅弁と一緒に楽しむのにもいい。こんな風にワインを自由にしてくれる缶ワインはこれから流行らないわけがない。
フルーツ感あふれるカジュアル日本酒
酒の味わいそのものはわりと好評で、イベントなどで試してもらうと、たいてい「日本酒っておいしいんだね」と答えが返ってくる。だから、精米歩合が何%だとか酵母がどうとか難しい話にしないで、スーパーマーケットやコンビニに並んでいるお酒で、日本酒を飲みなれていない人が「おいしい!」と感じる商品がクローズアップされるとムードが変わる。
そんなところに居そうな商品は例えばこんな酒だ。月桂冠の「果月(かげつ)」は香料を一切使っていないのに、桃や葡萄やメロンの香りがする。きっと、米と水からどうしてフルーツの香りが出て来るのかと思うだろう。また、白鶴「雫花(しずか)」はすっきりした日本酒の味わいで、アルコール度数を10%未満に抑えている。
こんな日本酒がヒットしたら、日本酒市場が活気づくことは間違いない。
シンプルに焼酎&ソーダ缶
当時、居酒屋のチューハイは、レモンハイのほかにカルピスハイとかパイナップルハイとか、かき氷のシロップで色付けしたようなカラフルなバリエーションがやたらとあった(どれも味は似たようなものだったけれど)。そんなことを思い出させるチューハイを都内某所で発見、今はフレッシュフルーツがトッピングされ、比べ物にならないほど洗練されているのだったが、ああ、時代は回るのだと実感したのであった。
香料も酸味料も使っていないチューハイというと、「いいちこ下町のハイボール」もそうで、これなどはカボスなど柑橘の香気を取り出した原酒などをブレンドして、果汁を使わず爽やかに仕上げている。
果汁、酸味料、香料、甘さに頼ることなく、ベースの酒で勝負するシンプルなチューハイは注目だと思うのだがいかがだろうか?
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