おんせん県・大分のうまい酒・肴その➁|「りゅうきゅう」に泡ワイン、「とり天」にかぼすハイ
さまざまな泉質と豊富な湯量で知られる「おんせん県・大分」は、上質な食材と多彩な郷土料理でも知られています。うまい物のあるところにはうまい酒がある、というわけで今回は大分の酒と肴をご紹介しましょう。
有楽町で大分グルメを堪能
「りゅうきゅう」に『安心院スパークリングワイン』
「りゅうきゅう」は新鮮な青魚のひと口大の切り身を、酒、醤油、味醂などの調味液で和えて、しばらく置いておくだけの簡単メニュー。白髪ねぎや胡麻、紫蘇、山椒など好みの薬味を加ええると爽やかな大人の味を楽しめます。もともと庶民的なメニューですが、そこは「座来大分」さん、味付けは濃すぎず素材の味が生き、丁寧な仕事ぶりには上質感が溢れていました。
安心院スパークリングワインは、日本ワインファンなら誰もが認める逸品。泡、酸、甘みがバランスよくまとまってコクがあり、きれいにフィニッシュ。「りゅうきゅう」とは絶品の組み合わせでした。
関アジ・関サバに『ちえびじん 純米』
このブランド魚は「大分県と愛媛県の間の海域である「豊後水道」で捕獲されるアジ・サバのうち、大分県漁協佐賀関支店に所属する漁師が一本釣りで獲るもののこと」と説明されますが、それだけではなく取り扱いに細心の注意が払われています。たとえば釣り上げた魚を直接手で触ることはありません。海中を泳ぎ回っている魚にとって人の手は熱すぎて身を痛めてしまうのだとか。高い品質を保証するために、厳しい管理基準を設け順守することはブランド管理の基本です。
噛むとぷりぷりと弾力のある身から旨味がジュワーッと広がります。そこに柔らかく優しい口当たりの『ちえびじん 純米』を含むと、旨味と旨味の相乗効果で、口中に幸せが広がりました。お昼からこんなにもおいしい酒と肴、罪悪感すら覚えます。
とり天に「かぼす焼酎ハイボール」
この鶏は烏骨鶏が交配された品種で、大分畜産研究所が4年の歳月をかけて開発したものです。身がしまって歯ごたえがあるのだろうと想像していましたが、このとり天はふっくらジューシー。厚めの衣にぽん酢出汁が染みていて、ご飯が進むお味です。
ドリンクはごくっごくっと飲めるかぼすを搾った焼酎ハイボールといきたがったのですが、こちらのお店にはなさそうだったので(注文すればあったのかもしれません)、自宅で再現してみました。
「乾しいたけのかぼす浸し」に『西の関美吟』
強いうま味の乾しいたけを戻して味付けし、スライスしたかぼすを添えたこのお料理には、甘く濃厚なテクスチャーの『西の関美吟』を合わせました。乾しいたけのうま味と酒の甘みが繋がって、料理と酒の味のボリュームもバランスし、ちょうどいい感じでまとまりました。
おおいた和牛炭火焼きに『安心院院 小公子』
調味料は柚子胡椒と大蒜(にんにく)味噌なので日本酒や焼酎でもおいしくいただけますが、そろそろ酸味と渋味が欲しくなり赤ワイン『安心院 小公子』をチョイス。
小公子はブドウ品種名で、野生の山ブドウを交配し日本で開発された葡萄です。深い赤い色からはボルドーワインのような力強さイメージしますが、重すぎず複雑でスパイシーな香りと強い酸味は赤身の肉によく合いました。
「焙じ茶プリン」に「いいちこスペシャル」
酒好きはデザートにも酒を合わせたくなるもので、プリンなら樽で貯蔵熟成した焼酎がおすすめです。「いいちこスペシャル」の樽由来の甘いバニラのような香りが、プリンの甘さに繋がって口中でよく馴染みます。
バーボンウイスキーに羊羹、黒糖焼酎に黒蜜、ライトなウイスキーに抹茶チョコレートなど、ハードリカーに合う甘党酒肴はいろいろあります。
※記事の情報は2022年11月3日時点のものです。
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