酒好きほぼ100人に聞いた「オーガニックなお酒を選びますか?」【ワイン、日本酒、ビールなど】

近年、欧米ではオーガニックワインが伸長しており、日本酒やビールにもオーガニックを謳うものが登場しています。今回の酒好きほぼ100人に聞く「酒飲みのミカタ」は、オーガニックな酒類についてお聞きしました。

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オーガニックを選ぶのは安全・安心だから

最初に、酒類に限らずオーガニックを選ぶカテゴリーを聞きました。もっとも多かったのは「野菜・果実」の43%で、「油脂類(オリーブオイル等)」、「調味料(味噌・醬油等)」、「米」が20%強で続きました。一方で「特にない」が46%とほぼ半数あります(図表1)。
オーガニックを選ぶカテゴリー

オーガニックを選択する理由は、「安全・安心な感じがする」が46%と群を抜いて多く、その次は「化学物質を摂取したくない」が32%で、自身や家族の健康への気遣いが感じられます。続く「オーガニックの生産者を応援したい(30%)」と「環境への負荷が小さいから(29%)」は、環境保全意識から選択していることがわかります。

一方で「おいしいから」は13%にとどまり、良質な香味とオーガニックがリンクして意識されていないことが窺われます(図表2)。
オーガニックを選択する理由

オーガニック酒類が定着しつつあるワイン

次に、オーガニック酒類についての認知と飲用経験を見てみましょう。認知率が高いのは「ワイン」が79%と最多で、2番目の「日本酒」の38%のほぼ2倍でした。ビールも認知している人が30%いましたが、他の酒類はオーガニック商品があまり知られていないようです(図表3)。
オーガニック酒類についての認知

飲用経験も同じ順で「ワイン」が66%、「日本酒」が26%、「ビール」が19%と続き、「飲んだことはない」が26%にのぼります(図表4)。

さらに継続して購入しているものを聞くと、「ワイン」は20%あり、日本酒の6%、ビールの4%を大きく上回りました。ワインではオーガニックが定着しつつあるようです。
飲用経験種類
テトラパック(紙容器)を採用
ワインではオーガニックだけでなく、あえてテトラパック(紙容器)を採用するなど二酸化炭素削減への取り組みが広がっている
有機認証について
有機認証を受けるためには克服すべき課題がたくさん。ちなみに酒類も今期からJAS有機認証の対象となった
福光屋「禱と稔(いのりとみのり)」
福光屋(金沢市)は契約農家に有機栽培を依頼、酒米品種ごとに有機認証商品を受けた「禱と稔(いのりとみのり)」を発売

オーガニック酒類の飲用動機は「お店で見てよさそうな感じがした」

オーガニック酒類を飲んだきっかけは、「お店で見てよさそうな感じがした」が38%と最多でした。他は10%前後で、お店や知人からの推奨、パーティや宴会で提供されて等と比べると群を抜きます。オーガニック酒類のトライアルを促すには、店頭で視覚に訴えることが有効なようです(図表5)。
オーガニック酒類を飲んだきっかけ
オーガニックワインコーナー
スーパーマーケットやワインショップにはオーガニックワインコーナーを設ける店も増えてきた

拡大を期待も課題は山積

オーガニック酒類への関心の有無の問いでは、「とてもある」と「まあある」が合わせて49%であるのに対して、「まったくない」と「あまりない」は27%に止まりました(図表6)。

また、「これからオーガニックは広まると思うか?」では、「広まる」と「少し広まる」で過半数を超えます(図表7)。
オーガニック酒類への関心の有無
オーガニックは広まると思うか
このようにオーガニックへの関心は低くなく、今後広まるという見方が大勢を占めます。

ではなぜ、あまり広がらないのでしょうか? 寄せられたコメントは次のように整理できます。

●オーガニックが広まる理由
①添加物や化学物質を使っていないオーガニック製品は安全で安心感があり、地球環境に対する負荷が少なく、生産者にも良い影響をもたらす。
②健康への影響や科学的根拠が明らかになり、正しい知識を持つ生産者が増えれば人々の関心はさらに高まる。まだ、オーガニックの意義を十分に理解できていない人が多い。

●広まらないと考える理由
①酒類の原料をオーガニックにすることによる健康への影響が解明されていない。また、無農薬栽培は労力がかかり収量も減るため、無理にオーガニックにする必要はない。
②オーガニック酒類は高価であるうえ、おいしいとは限らない。逆においしければオーガニックにこだわらない。
③オーガニックの定義が曖昧で、生産者が都合の良い解釈でオーガニックを名乗るものもありそう。また、オーガニックが環境保全の最良の方法という主張に疑問がある。

●オーガニック酒類の普及条件
①健康や環境への意識がさらに高まり、同時にオーガニック酒類の味わいが向上し、量産技術が開発されて、手ごろな価格で提供されれば広まる。

【調査概要】
調査期間:2023年10月5日~10月9日 
サンプル数:107人(酒好きな人)
調査方法:WEBアンケート調査


※記事の情報は2023年11月2日時点のものです。

  

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