京都・伏見で4蔵が蔵開きを同日開催。秋の酒蔵巡りレポート
京都中心部から南に10km弱、伏見は名水の里として知られたくさんの酒蔵が並びます。毎年10月の最終土曜日には多くの酒蔵が一般の人を蔵に迎える「蔵開き」を開催。酒蔵を巡り歩く人で賑わいます。秋晴れのなか「北川本家」「齊藤酒造」「招德酒造」「キンシ正宗」の4蔵を訪ねてみました。
いざ出陣! 伏見蔵開きウォーク
ラッキーなことに明日は晩に用事があるだけで昼間はフリーです。これは蔵開き巡りをしないわけにはいきません。
大手筋商店街に出るとアーケードには大きな伏見の酒蔵マップがかかっていました。見上げて、これから訪ねる蔵を巡る順路をざっと確認します。といってもスマホの地図アプリ任せで歩くのですけれど。
伏見蔵開き①|「富翁」の北川本家
会場はすでにプラカップを手にした大勢の人で賑わっていました。
まずは「富翁 純米大吟醸 山田錦49 (ひとつ火)」「富翁 純米吟醸 ひやおろし」をもらって飲み比べると、前者は軽快で、後者は味が乗りボディを感じます。ぺろりといただいて、3つ目はここでしか飲めない限定品「純米吟醸 無濾過生原酒」にトライ。タンクから汲みたて、何の加工もしていない酒は蔵でしか飲めません。フレッシュでちりちりと炭酸ガスを感じる味わいは絶品でした。
会場を囲むように張られたテントには和菓子さんや農家さんが商品を並べていました。段ボールいっぱいの野菜を抱えて帰る方も。私もつられて立派な枝豆を買ってしまいました。
伏見蔵開き②|「英勲」の齊藤酒造
近年は地元京都産にこだわった酒造りで、すべて京都府産の米で仕込んでいるそうです。
伏見蔵開き③|純米酒のパイオニア招德酒造
この蔵は早くから純米酒に取り組んだことで知られています。現在はどの酒蔵も純米酒を造っていますが、半世紀前は純米酒を造る蔵はひと握りでした。アルコールを添加しない、米だけでの酒造りを同志とともに全国に発信したのでした。
何にしようか迷いましたが、フランスのソムリエが審査するコンテスト「Kura Master 2024」で金賞を受賞した、「特別純米 花洛生酛」を燗でいただくことにしました。少し冷えてくると燗酒がうれしくなります。こちらは一杯300円とリーズナブルですが、ほどよい酸味のバランスがよく、おいしいおつまみが欲しくなるタイプでした。これは絶対にお買い得です。
伏見蔵開き④|エンタメが盛りだくさんのキンシ正宗
会場にはステージが設けられ、訪ねた時はちょうど曲芸師が皿回しを演じていました。幼稚園児くらいの男の子に棒を持たせて、勢いよく回した皿を移すことに成功すると大きな拍手と歓声が沸き起こりました。似顔絵や占いのコーナーもあり、4つの蔵の中でいちばんエンターテイメント色が強かったです。
※記事の情報は2024年11月7日時点のものです。
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