酒好きほぼ100人に聞いた「公共の場での飲酒規制」について。賛成が9割

今回は、毎年ハロウィンや年末年始に話題になる「公共の場での飲酒規制」について聞きました。渋谷や新宿では路上飲酒の規制が厳しくなりましたが、酒好きたちはこうした動きをどう見ているのでしょうか?

メインビジュアル:酒好きほぼ100人に聞いた「公共の場での飲酒規制」について。賛成が9割
かつてはお花見やお祭りなどの機会に限られていた公共の場での飲酒ですが、近年は、平日に一般の方が路上で飲酒する姿を目にするようになりました。

ハロウィンや新年のカウントダウン時の路上飲みが問題化していた渋谷区は、10月から条例を改正しました。よって、渋谷駅周辺の指定したエリアにある、路上や公園など公共の場所で、午後6時から翌朝5時の間の飲酒が、通年禁止になりました。

公共の場での飲酒規制について、酒好きたちはどう考えているのかを見ていきましょう。

イベントやレジャーの際、公共の場での飲酒経験ありが大半

最初に公共の場での飲酒経験の有無を確認します。「経験がある」が94%にのぼり、ほとんどの人が公共の場での飲酒を経験しています。

その機会は「お花見やお祭りなどの季節行事」が91%で最多です。次に多いのは「公園や河原での飲食イベント(バーベキューなど)」の76%、「ビーチや湖畔など眺望のいいところ」が53%と続きます。「観光地の町歩き」も28%あり、公共の場での飲酒は、イベントやレジャーなどハレの機会が多いことがわかります。旅行や出張帰りでしょうか「一般のバスや電車の中」も35%でした。

今、問題視されている繁華街の路上や小売店の店頭、公共交通機関の広場での飲酒は1割未満で、こうした場で飲酒したことのある人は酒好きのなかでも少数派です。
公共の場での飲酒の有無
公共の場で飲酒した機会
花見風景
公共の場での飲酒経験は「花見」や「お祭り」が多い

繁華街の路上飲酒は「規制が必要」76%

次に公共の場での飲酒規制の必要性については、「規制しない方がよい」は11%に止まり、9割が規制に肯定的です。ただし「厳しく規制したほうがよい」は19%で、「少し規制したほうがよい」が66%と多数派です。酒好きは、ある程度の規制は必要だと思うが、全面的な規制までは望んでいないことがうかがえます。
公共の場での飲酒規制の必要性
では、どのような場での規制を必要と考えているのでしょうか? 飲酒機会を例示して規制が必要だと思うものを選んでもらいました。

もっとも多かったのは「繁華街の路上」で76%です。次に70%弱で「学校・図書館・博物館など文教施設の周辺」「駅前やバス停前など公共交通機関の広場」「コンビニエンスストアなど小売店の店前」の3つがあがっています。「一般のバスや電車のなか」も56%と過半数あります。

反対に規制が必要と考える人が少ないのは、公園や河原での飲食イベントや花見などの季節行事で、いずれも1割以下でした。
規制が必要だと思う公共での飲酒の場
繁華街の路上での飲酒
繁華街の路上での飲酒は規制したほうがよいという意見が多い
公園や河原での飲食イベント
公園や河原での飲食イベントに規制を求める声は少ない

路上での飲酒理由は?

ここで規制したほうがよいと考える人が多い「繁華街の路上や店前での飲酒」をする理由を見てみましょう。こうした場での飲酒経験のある方36名に聞いたところ、「外で飲むのが気持ちいいから」が58%で最多です。2番目に多かったのは「安上がりだから」(36%)でした。そのほか「一緒の人に誘われたから」(22%)と「飲食店に入れなかったから(満席・閉店)」(14%)と続きます。
繁華街の路上や店前での飲酒をする理由
寒い冬には電話ボックスで路上飲みする人も
寒い冬には電話ボックスで路上飲みする人も

どのような飲酒規制が好ましいか?

次にどのような飲酒規制が好ましいと思われているかを見てみます。群を抜いて多いのは「飲酒できる場所を決める」(76%)です。2番目は「催しの主催者が飲酒の可否を決められる」(41%)、そして僅差で「飲酒できる時間を決める」(38%)が続きます。冒頭で触れた渋谷区の条例では飲酒を禁止する場所と時間を指定し、この範囲でも祭りやイベントでは主催者が飲酒許可を申請できるとしており、妥当だと捉える人が多いと思われます。
どのような飲酒規制が好ましいか
こうした飲酒規制は、騒音やごみの処理、トラブルや事故を未然に防ぐために設けられました。これは「路上」に限ったことではありません。花見や祭りでも同じこと、度を過ぎれば規制せざるを得なくなります。

最後に、公共の場での飲酒規制にこれらとは別の理由で賛成する方々の意見をご紹介します。

「のべつ幕無し、どこでも飲酒できるとなれば歯止めが効かない、子供にも悪影響」
「泥酔や迷惑行為は店でも同じこと。公共の場での問題はごみに絞れる」
「酒は匂いがあるので飲酒しない方との一定の距離も必要。密なところでは飲むべきではない」
「公共の場での飲酒は見苦しく町の印象が悪くなる」

【調査概要】
時期:2024年10月1日~7日
有効回答数:172人(酒好きな方)
調査方法:WEBアンケート調査



※記事の情報は2024年10月17日時点のものです。

  

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