ゆで卵の栄養成分は? カロリーや1日に食べていい個数を管理栄養士が解説

タンパク質が豊富で、完全栄養食とも呼ばれている「ゆで卵」。実際、どんな栄養が含まれているの? 体にいいなら、1日に何個食べても大丈夫? 管理栄養士の森由香子さんが、ゆで卵に含まれる栄養素や、気になる疑問について解説します。

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ゆで卵は、1日に何個まで食べていい? カロリーやコレステロールは?

ゆで卵は、サラダや煮物といったおかずはもちろん、おつまみにするのにもぴったりの食品です。

カロリーは1個(50g)あたり67Kcalと比較的低いのですが、コレステロールは約190mgと、多く含まれています。そのため、「1日に何個食べてもよいか?」は気になるところです。

「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」(日本動脈硬化学会)では、「高LDL-コレステロール血症患者はコレステロールの摂取を200mg/日未満とすることで、LDL-コレステロールの低下効果が期待できる」としています。

「日本人の食事摂取基準 2021年版」でも、上記のガイドラインに基づき脂質異常症の重症化予防の目的から、コレステロールの摂取は200mg/日未満に留めることが望ましいと記載されています。そのため、多くても1日2個までにするのがよいでしょう。

ゆで卵はタンパク質豊富で栄養たっぷり!

殻付きゆで卵
ゆで卵に含まれる栄養素といえば、まずはタンパク質です。タンパク質は、酵素、ホルモン、免疫、輸送などの体の機能成分や、エネルギー源としての働きがあります。足りなくなると、スタミナ不足、免疫力低下、貧血などがおこります。

卵は9種類の必須アミノ酸(体内では合成できず、食物から摂り入れる必要のある成分)がすべて必要量を満たしており、タンパク質の栄養的な価値を表すアミノ酸スコアは100点満点です。

ほかに、免疫力に関与するビタミンA、新陳代謝を円滑にすすめるビタミンB群、骨の健康維持に欠かせないビタミンDやカルシウム、貧血予防の鉄、脂肪肝の予防や肝臓、腎臓の機能維持に作用するコリンなど、体に大切な栄養成分が豊富に含まれています。

卵は、良質なタンパク質食品なので、主菜(メインのおかず)としての位置づけがよいでしょう。主食のごはんやパン、パスタ、副菜の野菜、海藻、きのこと組み合わせれば、主食、主菜、副菜のそろった栄養バランスばっちりの献立になります。

ゆで卵の上手な作り方は? 

卵を茹でる
ところで、ゆで卵を作る際、

・殻がうまくむけない
・卵黄が真ん中にきていない
・ゆでているときに割れてしまう
・卵黄のまわりが黒っぽく変色する


といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

ゆで卵は短時間で作ることができ、複雑な調理工程もないため、卵料理の中でも簡単なイメージがありますが、卵の特性を知らないと上手くいかない場合があります。

ポイントは、加熱時間と温度管理。それらをしっかり押さえれば、半熟や完熟など、好みに合わせて作ることができます。

ここでは、ゆで卵を上手に作るためのポイントをご紹介しましょう。

ゆで卵の作り方・ポイント①|卵は冷蔵庫から出して、常温に戻す

卵が冷たいままゆでてしまうと、ゆでているときに殻にひびがはいったり、卵白が飛び出てきたりします。

これは、卵の中身が加熱により急激に膨張して、殻がその圧力に耐えられなくなるからです。室温と冷蔵庫の温度差が大きいほど、卵の中の体積が増えやすく、加熱することで卵の中の空気がさらに膨張してしまいます。

時間がないときは、冷蔵庫から出した卵にお湯をさっとかけたり、常温の水に浸すなどで卵の温度を上げる方法がおすすめです。

ゆで卵の作り方・ポイント②|水からゆで、沸騰するまで卵を転がす

卵は水からゆでましょう。そうすることで温度差が少なくなり、ひび割れの可能性を減らせます。また、沸騰するまで菜箸などで転がし続けることで、卵黄が真ん中にきます。

ゆでる際に食塩か酢を入れると、万が一殻にひびが入っても卵白が流れ出てこないのでおすすめです。

完熟卵を作るなら沸騰後12~13分、半熟卵なら3~5分加熱します。

ゆで卵の作り方・ポイント③|ゆであがったら、すぐに水で冷やす

ゆであがった卵をすぐに冷やすことで、殻の近くの圧力が下がり、殻と白身の間に隙間ができてむきやすくなります。

同時に、卵白の中の硫化水素(シスチンやメチオニンなど、硫黄を含むアミノ酸が加熱により分解されて生まれる気体)の発生も止まり、卵黄が黒っぽく変色するのも防げます。卵黄が変色するのは、卵黄表面にある鉄と硫化水素が接触して硫化第一鉄が生まれるためです。

半熟? 完熟? お酒と合わせるのにおすすめの固さは?

ゆで卵
一番消化がよいのは半熟卵、次に生卵、そして完熟卵の順となります。

お酒と合わせたり、胃腸の調子が悪いときには、消化に負担のかからない半熟卵がおすすめです。ダイエット目的であれば、腹持ちがよい完熟卵にするのもよいでしょう。 

管理栄養士が教える「ゆで卵」のおすすめの食べ方は?

栄養価の高いゆで卵ではありますが、ビタミンCと食物繊維が含まれていません。野菜やフルーツと一緒に摂ることで、足りない栄養素を補うことができます。

そこで、今回のおつまみレシピは、イタリアンサラダです。
 

●イタリアンサラダ 2人分

イタリアンサラダ

材料

  • ミニトマト 6個
  • ベビーリーフ 1袋(50g)
  • ブラックオリーブ(種なし) 2個
  • グリーンオリーブ(種なし) 2個
  • ゆで卵 1個
  • ケイパー 大さじ1
  • ▼ドレッシング    
  • ・白ワインビネガー 大さじ1
  • ・レモン汁 大さじ1
  • ・アンチョビフィレ 1枚
  • ・おろしにんにく 小さじ1
  • ・オリーブオイル 大さじ1
  • ・塩、コショウ 適量

作り方

  • ベビーリーフは水洗いして水気をきっておく。
  • ミニトマト、ブラックオリーブ、グリーンオリーブは縦半分に、ゆで卵は8等分のくし切りを横半分に切る。
  • アンチョビフィレは粗みじんに刻む。
  • ドレッシングをつくる。ボウルに白ワインビネガー、レモン汁、アンチョビフィレ、おろしにんにくを入れて混ぜ、オリーブオイルを少しずつ加えながら混ぜて、塩、コショウで味を整える。
  • ボウルに①と②、ケイパーを入れて混ぜ合わせ、④でつくったドレッシングを加え、味をみて塩、コショウを足し、皿に盛り付ける。
こちらのサラダと、カッペリーニを和えて冷製パスタにしてもおいしいです。

ゆで卵は、ビールやハイボール、ウイスキーなど、さまざまなお酒によく合います。ゆで卵で栄養バランスを整えて、おいしく健康的な家飲みライフを楽しんでくださいね。

※記事の情報は2021年9月13日時点のものです。
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