きゅうりに含まれる栄養は? カロリーや健康効果について、管理栄養士が解説します!

お酒のおともとしても大活躍の「きゅうり」。世界一栄養のない野菜とも言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか? きゅうりに含まれる栄養成分やその効果について、管理栄養士の森由香子先生が解説します!

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きゅうりはお酒にぴったりの夏野菜!

夏の代表野菜といえば「きゅうり」。1年中出回っていますが、旬は夏ですね。

さっぱりとした口当たりで、暑くてグッタリしてしまうときにもってこいのみずみずしい野菜です。パリッとした歯触りが心地良く、食前や間食において食欲のコントロールにも役立ちます。低カロリーなので、ダイエットのサポート役として活用している方もいるかもしれませんね。

きゅうりは、お酒のおつまみとしてお漬物やサラダ、酢の物や和え物など、料理に利用することが多いと思いますが、きゅうりを直接入れたお酒も世界中で飲まれています。
きゅうりスライスの入ったお酒
イギリスでは、リキュール「ピムス」を使って作るカクテルは、炭酸水、きゅうり、フルーツの爽やかなテイストで夏の定番でもあり、とても人気が高いものになっています。

また、韓国でも焼酎にスライスしたきゅうりをいれて作るきゅうり焼酎(オイソジュ)があります。

日本でも、焼酎ときゅうりで作るカッパ割りがあります。きゅうりの皮をむいてすりおろしたり、せん切りやスティック状にしたりなどスタイルはさまざまのようですが、メロン風味のさっぱりした味わいで夏にぴったりのお酒です。ちなみに諸説あるようですが、きゅうりは河童の大好物とされ、そのためきゅうりの異称がカッパとなったと言われています。

きゅうりの栄養成分は? 世界一栄養がないって本当?

きゅうりは「世界一栄養がない野菜」と耳にすることもありますが、本当のところはどうなのでしょうか。

以下は、食品成分表(八訂)に掲載の生のきゅうり、漬物の栄養成分です。

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きゅうりの栄養

食品名 重量(g) エネルギー(kcal) 水分(g) たんぱく質(g) 脂質(g) 糖質(g) 食物繊維量(g) カリウム(mg) βカロテン当量(μg) ビタミンK(μg) ビタミンC(mg) 食塩相当量(g)
きゅうり 果実 生 100 13 95.4 0.7 Tr 1.9 1.1 200 330 34 14 0
きゅうり 漬物 塩漬 100 17 92.1 (0.7) (Tr) (2.8) 1.3 220 210 46 11 2.5
きゅうり 漬物 しょうゆ漬 100 51 81.0 (3.2) (0.1) (7.7) 3.4 79 580 83 8 4.1
きゅうり 漬物 ぬかみそ漬 100 28 85.6  (1.5) (Tr) (4.8) 1.5 610 210 110 22 5.3
きゅうり 漬物 ピクルス スイート型 100 70 80.0 (0.2) (Tr) (17.0) 1.7 18 53 32 0 1.1
きゅうり 漬物 ピクルス サワー型 100 13 93.4 (1.0) (0) (1.5) 1.4 11 14 15 0 2.5

※Trは最小記載量の1/10以上かつ5/10未満の微量、(0)は文献等により含まれていないと推計される値を表し、栄養計算上はすべて0で計算しています。
※(数値)は推測値を表し、栄養計算上はカッコを外した値で計算しています。
ご覧の通り、生のきゅうりは95%が水分ですが、栄養がまったくないということはありません。たんぱく質、糖質、食物繊維、カリウム、β-カロテン、ビタミンK、ビタミンCが含まれています。

カリウムには血圧降下作用、β-カロテンとビタミンCには抗酸化作用、ビタミンKには骨の代謝に不可欠なたんぱく質(オステオカルシン)の合成促進作用があります。

さらに、上記の表にはありませんが、きゅうりにはアミノ酸の一種、シトルリンが含まれています。シトルリンは、血管をしなやかに保つ成分(一酸化窒素)の原料になっています。

また、かつてはきゅうりに含まれる酵素がビタミンCを酸化する(破壊する)と言われていましたが、体の中で酸化されたビタミンCは、再び還元されて効果を発揮することがわかりましたので、気にする必要はありません。

きゅうりのヘタには栄養がいっぱい!

きゅうりを食べるときには、ヘタを切り落とす方が多いと思います。しかし、これからはそのまま食べることをおすすめします。ヘタにはきゅうりの栄養成分がギュッとつまっているからです。ククルビタシンという抗酸化成分も多く含まれています。

きゅうりは漬物にして食べたほうが栄養が摂れる?

きゅうりの漬物
上記の表の数値だけ見ると、栄養素によっては漬物のほうが多く含んでいるため健康に良さそうに見えるかもしれません。しかし、漬物を食べれば食べるほど摂取する塩分量も増えるので、一長一短かもしれませんね。塩分の摂りすぎは血圧上昇の原因になりかねませんし、喉が渇いて水をたくさん飲んでしまうと、女性の場合は浮腫みの元にもなります。適量の漬物であれば、これから迎える夏の良い塩分補給になるでしょう。

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きゅうりは、夏バテなどで食欲がないときにも食べやすく、水分が多いため水分補給もでき、夏の暑気払いにはもってこいの野菜です。

おつまみやお酒にきゅうりを賢く利用して、暑い夏を乗り切りましょう。健やかな飲酒ライフをお過ごしください。

※記事の情報は2022年7月11日時点のものです。
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