買物に行けない日も! 戻さない乾物で飲む〈庄司いずみのベジつまみ⑬〉
切り干し大根やひじき、高野豆腐などの乾物は、実は戻さなくても使えるんです! 今回はそんな乾物を使った簡単ベジつまみレシピをご紹介。家にストックしてある定番の乾物で作れるので、買い物に行けない日にも便利ですよ。
乾物は戻さなくても使えるんです!
少しだけ涼しくなってくると、食欲が戻り、つまみがおいしくなりますね。
そんなとき、唐揚げなどのいつものおつまみだと、調子に乗って食べ過ぎて後悔することもありますが……。この連載で紹介している、野菜が主役のベジつまみならギルトフリー。少々食べ過ぎても体の負担は少なめだから安心です。
という前置きはともかくとして、今日のテーマは乾物でつくるベジつまみです。
乾物というと地味な存在ですし、「戻すのがめんどうだから使わない」という声をよく聞きます。気持ちはわかります。
が! 実は乾物は戻さなくても使えるのです!
私の本に『もどさずできる乾物料理』という本があります。
実はこれ隠れたロングセラー本、本の中に登場するレシピは、どれも戻さずそのまま調理するものばかりというお手軽さがウケているようです。
高野豆腐も車麩も「煮ながら戻す」で問題なし!
私も、昔は戻していました。切り干しの煮ものを作るにも、切り干し大根を戻してから野菜と一緒に煮込んでいました。戻し汁っておいしいですよね。甘くていい味、だし汁いらずだなあと感じ、戻し汁を出汁がわりに使っていたんです。
が、あるとき気づいたんです。「もしや私はとんでもなく無駄なことをしているのでは」と。
何も戻してから戻し汁で煮なくても。最初から水で煮ながら切り干し大根を戻し、味をつければ済むのではとピンときたのです!
それ以来、切り干しもひじきもかんぴょうも。戻すことがマストと思いがちな高野豆腐やお麩なども、煮ながら戻す方法に変えました。
ふつうの手順で作るなら、車麩をあらかじめ戻してから、下味をつけるために含め煮し、粉をはたいて揚げて仕上げます。
が!
戻さずにそのまま煮始めても、実はなんの問題もなし。まずはひたひた程度のだし汁か水で車麩を煮始め、柔らかくなってから調味料を加えればいいのです。
ここでポイント。柔らかくなってからというのがミソです。最初から味を入れると繊維が固く縮み、固いまま柔らかくならないこともあるからです。
調味料の量はお好みですが、車麩2個に対して酒とみりん、しょうゆを大さじ1ずつ、おろしにんにくとおろし生姜を好きなだけ。これらを加えてさらに煮て、煮汁がほぼ煮詰まったら準備OK。今回は唐揚げにしましたが、車麩の角煮風としてそのまま食べてもいいですね!
上の写真のように唐揚げにするなら、食べやすく包丁で切り、片栗粉をつけて揚げれば出来上がりです。
作り方を一応書いておくと……。高野豆腐2枚をひたひたの水で煮て、柔らかくなったらウスターソースを大さじ1、おろしにんにく小さじ1/2を加えます。
煮汁がほぼ飛んだら、一口大に切って小麦粉をはたき、すり下ろした長いも、パン粉をつけて、カラリと揚げて仕上げます。
私はヴィーガンの料理を紹介しているので、卵のかわりにトロロを使っていますが、もちろん溶き卵でもOKです。
炒めものなら洗ってそのまま調理
キャベツ2枚を千切りにし、切り干し大根20gは一応ザッと洗ってざく切りに。これらをボウルに入れて塩少々で軽く揉み込みます。これだけでも切り干しはすでにしんなり。キャベツの水分で戻っていきます。
あとは油でクミンシードなど好みのスパイスを炒めて香りを出し、キャベツと切り干しを投入。酢大さじ2、物足りなければ塩少々で味を整えれば出来上がりです。
ひじきだって戻さずいけますよ。
ひじきというと煮ものなどおとなしい料理ばかりを想像しますが、オリーブオイルとも意外や合います。戻さず使うから風味も強く、ワインにもよく合います。
よかったらお試しくださいね。
●ひじきのイタリアンソテー(2人分)
材料
- ▼(A)
- ・芽ひじき 大さじ1(洗う)
- ・赤パプリカ 1個(一口大の乱切り)
- ・なす 1本(一口大の乱切り)
- ・にんにく 1片(薄切り)
- ・オリーブオイル 大さじ1
- 塩 小さじ1/4
- ドライバジル 小さじ1/2
作り方
- 鍋に(A)と水大さじ3(分量外)を入れ、蓋をして火にかける。
- 湯気がでたら弱火にして4~5分蒸し煮にする。ひじきが戻り、野菜がやわらかくなったら塩とドライバジルをふってソテーする。
※記事の情報は2019年9月9日時点のものです。
庄司いずみさんのロングインタビューがこちらで読めます【Aktio Note】
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