変幻自在! ベジおでんのススメ〈庄司いずみのベジつまみ⑲〉

なにかと気が急く年末は、とりあえず「ベジおでん」をドーンと作っておきませんか? 胃腸に優しいうえに色んなおつまみにアレンジできるので、疲れて料理する元気がないときや買い物の時間が取れないときに便利です。

ライター:庄司 いずみ庄司 いずみ
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こんにちは! 野菜料理家の庄司いずみです。

年末が近づくと、せわしないのはなぜでしょう。ふだんと違う何かがあるわけでもないのに不思議ですね。毎日が慌ただしく、時間が足りないと感じる方も多いのでは?

日中が忙しいときこそ、夜くらいのんびりイエノミを楽しみたいところ、ではありますが……。買い物の時間がなかったり、疲れて料理の気力もないこともありそうです。

そんなときにおすすめしたいのが、煮ものだけはドーンと作り、それをベースにつまみを作っていく“変身つまみテクニック”です。

おいもの煮っころがしや根菜のお煮しめ、ポトフなどもいいですが、今回は簡単で応用のききやすいおでんでの変身ワザを紹介しましょう。

胃腸に優しい「ベジおでん」の基本レシピ

ベジおでん
まずはおでんの準備から。

具材はお好みですが、ぜひ入れたいのはやはりだいこんとこんにゃく。普通ならさつま揚げなどの練りものが中心ですが、年末年始は胃腸も疲れ気味だろうから、野菜だけのおでんがおすすめ。

練りものはそのまま食べるしかないですが、野菜の具材は変化させやすいので、ここは思いきって!ベジおでんでいきましょう。

上の写真ではだいこんとこんにゃくに、ブロッコリーとにんじんを加えていますが、里芋やれんこん、ごぼうなどを入れてもいいし、白滝やちくわぶを入れても。練りもののかわりに、油揚げや厚揚げ、がんもどきのうちいずれかひとつは入れましょう。適度な油分でおでん全体の味があがります。

作り方はごく普通、いつも通りに作ればOK。参考までに、写真のベジおでんの作り方を簡単にご紹介しましょう。

ダシ昆布一枚を鍋にしき、輪切りだいこんや乱切りのにんじん、こんにゃく、油揚げを入れます。そこに酒をトポポと注ぎ、水をひたひたまで加えて火にかけます。

だいこんなどが柔らかくなったらしょうゆと薄口しょうゆを加えてさらにコトコト気長に煮込み、ブロッコリーを入れたら5分煮て出来上がり。時間はちょっとかかりますが、手順は簡単。掃除や洗濯など、ほかのことをしながらでもできるのが煮込み料理のいいところです。

「ベジおでん」でアレンジ色々!ベジつまみ

このおでんをそのままおかずやつまみにしてもいいのですが、今日はここからが勝負です!

おでんをアレンジして、ベジつまみをつくっていきましょう!
 

 ●ブロッコリーの豆乳みそサラダ

ブロッコリーの豆乳みそサラダ
最初はサラダ。

煮込み直しているうちにブロッコリーはどうしても柔らかくなりすぎますが、そんなクタクタブロッコリーの救済レシピです。

煮えすぎて崩れんばかりのブロッコリーをボウルにとって、フォークでガーッとつぶします。そこに豆乳、白みそ、酢を混ぜて、アクセントにゴマを混ぜれば出来上がり。分量は、ブロッコリーが1/3株くらいなら豆乳大さじ2、白みそ大さじ1、酢小さじ2くらいの割合で。

この配合、なんとなくマヨっぽい味なのです。熱々サラダもいいですし、冷たくしてもおいしい。薄く切ったバゲットやクラッカーにのせるとワインにも合います。
 

 ●大根のガーリックステーキ

大根のガーリックステーキ
お次はステーキ!

厚切りの大根ステーキは居酒屋でも見かけることがありますが、存在感とボリュームはありつつ、やさしい味でおいしいもの。

おでんの大根ならすでに柔らかに煮えているから、ステーキにすると最高です。

作り方はとても簡単。

おでんの大根に薄く小麦粉をはたき、オリーブオイルで焼きます。このときにんにくを一緒に焼くとパンチが出ます。こんがり焼けたら、酒、しょうゆのたれをからめれば出来上がり。

分量は大根2枚につき、酒大さじ2、しょうゆ小さじ2くらいでOK。あらかじめ味がついているわけだから、たれの味を強くするとしょっぱすぎるので要注意です。

これはテリヤキ風ですが、ウスターソースやしょうがだれ、焼き肉のたれなど、お好みの味にアレンジしてもいいですね。
 

●にんじんのにんにく味噌フライ

にんじんのニンニク味噌フライ
最後はフライ。どの具材で作ってもいいのですが……。にんじんでいきましょう。

そのまま小麦粉、パン粉をつけて揚げるだけでもいいですが、ちょっとだけ手を加え、にんにく味噌をひと塗りしておくと、お酒に合う味に変身します。


にんじんのにんにく味噌フライ(1~2人分)

材料

  • おでんのにんじん 4個
  • ▼(A)    
  • ・味噌 小さじ1
  • ・おろしにんにく 小さじ1/8
  • 小麦粉 適量
  • (B)小麦粉、水 各大さじ1と1/2
  • パン粉 適量
  • 揚げ油 適量

作り方

  • 引き上げたにんじんに混ぜた(A)を塗る(ひと塗りするだけ、全体につかなくてもOKです)。
  • ①に小麦粉をはたき、混ぜた(B)の小麦粉液をつける。
  • パン粉をしっかりつけ、熱した油でカラリと揚げる。
紹介したレシピ以外にも……。にんじんに唐揚げ粉をつけて揚げ、にんじんの唐揚げに。こんにゃくをステーキやこんにゃくカツにするなど、おでんがあれば自由自在!

この変身ワザ、おでん以外の煮込みモノでもできますよ。

たとえば、じゃがいもの煮っころがしをつぶしてコロッケやポテトサラダに。お煮しめのれんこんに練り辛子と味噌を塗って天ぷらにすると、即席の辛子れんこん風。同じくお煮しめの高野豆腐はちぎって唐揚げ粉をつけて揚げれば鶏唐にまけないおいしさ。

コトコトと、煮込んでいる間はキッチンがあたたかなのも煮もののいいところ。この冬はドーンと煮込んで飽きたら変身! 簡単ベジつまみをお試しくださいね。


※記事の情報は2019年12月10日時点のものです。

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