お酒がもっと深く好きになる検定&資格ガイド <ビール編>
秋の夜長は、勉強するにも絶好のチャンス! 検定や資格などの目標があれば、やる気もアップしそうです。
お酒の検定や資格は、そうした知識の深さをはかる指標です。
今回は、ビールにまつわる検定や資格をご紹介。自分のレベルや目的に合ったものを見つけたら、早速ビール片手(?)にレッツ・スタディ!
そもそも「検定」と「資格」の違いとは?
「資格」は、試験に合格することである特定の機関から免許や肩書が与えられます。ですので、仕事や業務に役立てたいと思っている方は資格取得のほうが有利かもしれません。 ビールの資格の場合、必須カリキュラムを受講して初めて、受験資格が与えられます。その分検定に比べると費用がかかります。
ビールにまつわる「検定」
日本ビール検定|日本ビール文化研究会
Q. どんな検定?
A. 通称「びあけん」。100点満点で、ビール1年分のご褒美も!
「日本ビール文化研究会」が主催する検定で、出題レベル別に3級から1級まであります。 日本のビールの歴史・原料・種類などの基礎から、美味しく飲むための方法・うんちくなど「ビールにまつわる様々な知識を深めて、ビールをもっと好きになろう!」ということを目的としています。3級から1級を通して100点満点を達成したら、ご褒美としてビール1年分プレゼントもあるそう!
Q. どこで受けられるの? 費用は?
A. 全国5都市で実施。レベルごとに4,600~7,200円かかります
検定は毎年1回開催され、「日本ビール文化研究所」の公式HPで申し込みできます。
札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の5都市の指定会場で実施されます。
通常検定料は、3級・4600円、2級・5150円、1級・7200円(1級は2級の合格が受検資格となります)。
Q. どんな問題が出るの?
A. 基本は「日本ビール検定」の公式テキストから出題
3級
原料や基本的な製法・スタイル、ビールの日本史、ビールの味わいを中心に、マークシート形式で出題。「日本ビール検定」の公式テキストを学習しておけば合格可能なレベル。
2級
ビールの文化・歴史を語ることができ、ビール通になりたい人を対象とした中級レベル。公式テキストを深く学習、理解すれば合格可能とか。また、主要な輸入ビール・国内クラフトビールの話題からも数問出題。こちらもマークシート形式。
<3級・2級の模擬問題>
1040年に創立された、現存する世界最古のビール醸造所の名称を、次の選択肢より選べ。
(1)エルディンガー醸造所 (2)シェッファーホッファー醸造所 (3)ヴァイエンシュテファン醸造所 (4)ヴァルシュタイナー醸造所
正解:(3)ヴァイエンシュテファン醸造所
1級
ビールに関する広範囲な知識をもち、自らビール文化を発信できる愛好者の頂点を目指す人を対象とした上級レベル。公式テキストからの出題の他、ビールに関するうんちくや時事情報等、幅広い範囲から出題。マークシート選択問題と記述・論述問題があります。
<1級の模擬問題>
明治時代、日本麦酒の社長を務め、日本初のビヤホールを銀座にオープンさせるなど経営手腕を発揮した人物で、後年「東洋のビール王」とも呼ばれた人物名を答えよ。
正解:馬越恭平
Q. 気になる難易度は?
A. 3級の合格率は80%以上、1級になると5%未満
過去の受検者データで合格率をみると、3級は84~95.3%、2級は30.9~49.8%、1級は4.2~4.7%。1級合格はかなり狭き門のようです。
Q. 何を参考に勉強すればよい?
A. 公式テキストや過去問題集が用意されています
『日本ビール検定 公式テキスト』
定価:1500円(税別) 発行:マイナビ出版
『日本ビール検定 公式過去問題集<2018年度版>2級・1級』
販売価格 : 1,944 円(税・配送手数料込) 発行:般社団法人 日本ビール文化研究会
より詳しい内容は、「日本ビール文化研究会」の公式HPでチェック!
ビール検定|ビア&スピリッツアドバイザー協会(BSA)
Q. どんな検定?
A. 「会場検定」のほかに、気軽に腕試しできる「ネット検定」も!
ビールの魅力を知ってもらう機会を提供しビールをもっと楽しんでもらうことを目的として、「ビア&スピリッツアドバイザー協会(BSA)」が主催しています。出題レベル別に3級~1級まで実施。ビールの歴史や文化、製造方法、楽しみ方、雑学だけでなく、飲酒のモラルやマナーを問う設問も出題されます。
各都市の会場に赴いて受検する「会場検定」のほか、協会の公式HP上でいつでも無料で受検できる「ネット検定(初級~上級)」もあるため気軽に腕試ししたい人にもおすすめです。
Q. どこで受けられるの? 費用は?
A. 全国7都道府県で開催。検定料はレベルごとに3,650~5,250円
「会場検定」は年に1回、札幌、仙台、東京、大阪、京都、広島、福岡の7都道府県8会場で実施されます。
申し込みは、協会の公式HPから行います。
検定料は、3級・3650円、2級・4200円、1級・5250円(1級は2級合格者、2級は3級合格者のみ受検可能)。
Q. どんな問題が出るの?
A. 3~1級まで、すべてマークシート形式で出題
3級
ビールの基礎知識、周辺知識のみならず、特徴、魅力を理解し第三者に伝えられるかどうかが試されます。
<過去問題>
1620年、英国からアメリカ大陸に初めてビールを運んだ船は何か?
(1)メイフラワー号 (2)タイタニック号 (3)オアシス・オブ・ザ・シーズ号 (4)クイーン・エリザベス号
正解:(1)メイフラワー号
2級
ビールの特徴、魅力を理解したうえで、新たな楽しみ方を考案できるかどうかがポイントです。
<過去問題>
パナシェとはビールと何を混ぜたカクテルの名称であるか?
(1)レモネード (2)グレープフルーツジュース (3)パイナップルジュース (4)オレンジジュース
正解:(1)レモネード
1級
ビールのあらゆることに精通し、後世へ適切に継承発展を行える人を対象とした上級レベルの問題です。
<過去問題>
一般的に「淡色ビール醸造に適する水質/濃色ビール醸造に適する水質」の組み合わせで適切なものはどれか?
(1)アルカリ/酸性 (2)硬/軟 (3)酸性/アルカリ (4)軟/硬
正解:(4)軟/硬
Q. 気になる難易度は?
A. 3級の場合は、7割以上の正解数で合格!
合格基準となる正解数は、3級が全問題の70%以上、2級が全問題の75%以上、1級が全問題の85%以上となっています。
Q. 何を参考に勉強すればよい?
A. まずは、協会の公式テキストで勉強しましょう!
『ビールの基』
一般価格:3240円 発行:NPO法人FBO
より詳しい内容は、「ビア&スピリッツアドバイザー協会(BSA)」の公式HPでチェック!
ビールにまつわる「資格講座」
ビアアドバイザー|ビア&スピリッツアドバイザー協会(BSA)
Q. どんな資格?
A. 「こんなの飲みたい!」に応えるのがビアアドバイザー
相手の希望や好みにぴったり合うビールを見つけ出し、どのように飲むと美味しいかなどの提案をするのがビアアドバイザーです。「ビア&スピリッツアドバイザー協会(BSA)」が主催しています。
Q. 資格を取るとどんなメリットがあるの?
A. ビールのプロが必要とされる現場で活躍できるかも!
ビールのテイスティング力やビールを取り巻く基礎知識力、ビールと料理の組み合わせや適した酒器を提案する力などを身につけることができます。さらにそうしたスキルを、飲食や商品開発などビールのプロが求められる現場で役立たせることもできます。
Q. どうすれば資格を取れる?
A.「通信プログラム」と「受験プログラム」の2つの取得方法があります
「通信プログラム」は、申し込み後テキストやDVDで学習しながら課題を全3回提出、専任講師の添削と指導を受けてそれぞれの課題が期間内に基準に達せば合格となります。会場での受験が必要ないので、地方や海外在住の方に特におすすめ。合格後に規定の手続き行うと、認定証書と認定章が付与されます。
「受験プログラム」は、在宅で全講義をDVDや教材で学習した後、1年以内に指定会場で受験するプログラムです。自分のペースに合わせたスケジュールが組めるのがポイント。こちらも合格後に、規定の手続きを行うと認定証書と認定章が付与されます。
Q. 資格取得までの費用はどれくらい?
A. 「通信プログラム」は121,500円、「受験プログラム」は101,900円
「通信プログラム」の場合(一般・初めての方)・・・受講料金61,600円+合格後の諸費用(認定料・入会金・初年度年会費)59,900円=121,500円
「受験プログラム」の場合(一般・初めての方)・・・受講・受験料金42,000円+合格後の諸費用(認定料・入会金・初年度年会費)59,900円=101,900円
より詳しい内容は、「ビア&スピリッツアドバイザー協会(BSA)」の公式HPでチェック!
ビアテイスター|クラフトビア・アソシエーション(日本地ビール協会)
Q. どんな資格?
A. 目・鼻・口をフル稼働させてビールの良し悪しをジャッジ!
自分の目・鼻・舌を使って官能評価(テイスティング)することでビールの良し悪しを鑑定し、その理由を理論的に説明できる人がビアテイスターです。「クラフトビア・アソシエーション(日本地ビール協会)」が主催しています。
ビールにまつわる資格の中でも歴史が古く、1995年1月(日本でクラフトビールが初めて発売される前)から開催しているそう。
Q. 資格を取るとどんなメリットがあるの?
A. ビールの出来や劣化具合を客観的に評価できるようになります
ビールの出来や劣化の進行状態を客観的に評価する力が身につきます。またビールの正しい保管法やより味わい深い飲み方を提案できるようにもなります。 ビールに関わる仕事をしている方のスキルアップはもちろん、「ビールが趣味!」という人は楽しみ方をより深めることにもつながります。
Q. どうすれば資格を取れる?
A. 1日のセミナー受講+試験合格で「ビアテイスター」に
申し込み後、東京・横浜・大阪の指定会場で1日セミナーを受講。ビールの色度数、アルコール度数、アロマ、苦味、甘味、酸味、ボディ、オフフレーバー(あってはならない匂いと味)などについて細かく学習した後、約40種類のビールを試飲しながら主要なビアスタイルのアウトラインを学びます。
講義終了後は認定試験(筆記+官能評価)を受験。合格者には資格認定証書が授与され「ビアテイスター」の資格呼称が認められます。
Q. 資格取得までの費用はどれくらい?
A. (新規に研究会員として入会し、セミナー受講・受験する場合)39,000円
新規・研究会員として入会した場合・・・入会金+初年度年会費+セミナー受講+認定試験=合計39,000円
より詳しい内容は、「クラフトビア・アソシエーション(日本地ビール協会)」の公式HPでチェック!
ビアソムリエ(ベーシック)|ジャパンビアソムリエ協会
Q. どんな資格?
A. 「このビールにはこの料理!」を提案するのがビアソムリエです
「ジャパンビアソムリエ協会」が主催、ビールと料理のペアリング、ビールの楽しみ方や新しい魅力を提案できる人材の育成を目的としています。ドイツ大使館、オーストリア大使館後援を取得した日本ではじめての認定講座です。
Q. 資格を取るとどんなメリットがあるの?
A. ビールでのおもてなし術もマスターできます
世界のビール、日本のクラフトビールなど幅広くビールの基本についての知識が身につくだけでなく、料理との相性などを提案できるようになります。
ビールと料理を組み合わせて提案する機会の多いフードコーディネーター、料理研究家、飲食店スタッフはもちろん、ふだんの暮らしの中でビールをもっと楽しみたい方、ビールでおもてなししたい方にもおすすめです。
Q. どうすれば資格を取れる?
A. 2日間のカリキュラム+試験合格で「ビアソムリエ」に!
申し込み後、指定の会場(東京)にて2日間の集中カリキュラムを受講。日本と世界のビール事情やテイスティング、フードペアリング、サービスなどを学んだあと、試験(筆記+テイスティング)を受験。合格すれば「ビアソムリエ(ベーシック)」の認定証が与えられます。
Q. 資格取得までの費用はどれくらい?
A. カリキュラムと試験で54,000円かかります
受講料43,000円+受験・認定料11,000円=合計54,000円
より詳しい内容は、「ジャパンビアソムリエ協会」の公式HPでチェック!
その他にこんなカリキュラムも…
ビアジャーナリスト・アカデミー|日本ビアジャーナリスト協会
Q. どんな講座?
A. ビールの素晴らしさを「どう伝えるか」が学べます
「日本ビアジャーナリスト協会」が主催するカリキュラムで、「ビールに関する正しい知識」と「豊かな表現力」を身につけることを目的としています。大好きなビールの魅力を何とか人に伝えたいけれど、その効果的な伝え方がわからない…という人におすすめです。
※ビアジャーナリスト・アカデミーは検定や資格取得講座ではなく、ビールを素晴らしさを伝える人材養成講座です。
Q. カリキュラムの内容は?
A. 全3日の講座の後に、卒業制作発表会&卒業パーティーも
全3日にわたるホームルーム(講座)は、文章表現法や企画発想法、撮影テクニックを学べたり、さらには取材方法、模擬編集会議まで組み込まれたユニークかつ充実の内容です。その後別日に卒業制作発表会とパーティーが行われます。
Q. どんな人が学んでいるの?
A. 一般会社員から専業主婦までさまざま
ビール関係の仕事に従事している人やライターだけでなく、一般会社員やフリーター、専業主婦など様々な人が学んでいます。卒業後は、日本ビアジャーナリスト協会に所属してメディアなどで活躍している人も。
Q. カリキュラムの受講費用は?
A. 49,000円
テキスト代やビール試飲代なども含めて、49,000円(税込み)かかります。
より詳しい内容は、「日本ビアジャーナリスト協会」の公式HPでチェック!
※記事の情報は2018年9月8日時点のものです。
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