お酒がもっと深く好きになる検定&資格ガイド <日本酒編>

自分の日本酒知識はどれくらい? 「唎酒師」になるには? 初級者~上級者レベルまで様々にご紹介します。

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お酒をただ美味しく楽しむのも良いですが、もう一歩踏み込んで知識を深めることで、これまでに体験したことのない新しい味わい方を発見したり、自分以外の誰かにも美味しさを提案することができるようになります。
お酒の検定や資格は、そうした知識の深さをはかる指標です。
ビールに続くシリーズ2回目の今回は、季節の深まりとともに旨味を増す「日本酒」を取り上げます。

そもそも「検定」と「資格」の違いとは?

「検定」とは、ある特定の知識や能力をその人がどれくらいもっているかを検査することです。資格と異なり、合格することで何らかの免許や肩書等が与えられるわけではありません。
日本酒の検定では、受講必須なカリキュラムがあるわけではなく自分なりのペースで勉強し受検できるので、たんに腕試しがしたいのであれば資格取得より気軽だと言えます。
「資格」は、カリキュラムの受講や試験に合格することである特定の機関から免許や肩書が与えられます。ですので、仕事や業務に役立てたいと思っている方は資格取得のほうが有利かもしれません。ただし、検定に比べると費用がかかります。
日本酒の資格の場合、必須カリキュラムを受講すれば資格が与えられるものと、必須カリキュラム受講後に認定試験に合格して資格が与えられるものがあります。

日本酒にまつわる【検定】

日本酒検定イメージ


日本酒検定|日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)

Q. どんな検定?
A. 日本酒についての幅広い知識をもっているかが試されます
「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」が主催する検定で、出題レベル別に3級・2級・準1級・1級があります。日本酒の魅力をもっと知ってもらい、より深く楽しんでもらうきっかけになれば、という目的でスタート。日本酒の文化や製造方法、モラルやマナー、うんちくなど幅広く出題されます。

Q. どこで受けられるの? 費用は?
A. 全国7都道府県で実施。レベル別に3,650~5,250円かかります

全国7都道府県8会場で実施。検定料は、3級が3,650円、2級が4,200円、準1級が4,700円、1級が5,250円です(1級は準1級合格者、準1級は2級合格者、2級は3級合格者のみ受検可能)。

Q. どんな問題が出るの?
A. 全50問。3~1級まで、すべてマークシート形式で出題
3級

日本酒の基礎知識、周辺知識のみならず、特徴、魅力を理解し第三者に伝えられるかどうかが試されます。
<過去問題>
精米歩合60%は精白率でいうと何%になるか?
(1)20% (2)40% (3)60% (4)80%
正解:(2)40%

2級
日本酒の特徴、魅力を理解したうえで、新たな楽しみ方を考案できるかどうかがポイントです。
<過去問題>
次の酒器の材質のうち、最も温度が変化しにくいのはどれか?
(1)錫製の酒器 (2)ガラス製の酒器 (3)陶器製の酒器 (4)チタン製の酒器
正解:(4)チタン製の酒器

準1級・1級
日本酒のあらゆることに精通し、後世へ適切に継承発展を行える人を対象とした上級レベルの問題です。
<準1級の過去問題>
酒の効用が謳われる室町時代からの狂言はどれか?
(1)悪太郎 (2)餅酒 (3)貰聟 (4)ぬけがら
正解:(2)餅酒

<1級の過去問題>
次の焼き物のうち「中世六古窯」に数えられないものはどれか?
(1)常滑焼 (2)越前焼 (3)美濃焼 (4)丹波焼
正解:(3)美濃焼

Q. 気になる難易度は?
A. 3級の場合は、7割以上の正解数で合格!

合格基準となる正解数は、3級が全問題の70%以上、2級が75%以上、準1級が80%以上、1級が85%以上となっています。

Q. 何を参考に勉強すればよい?
A. レベルに合わせたテキストが用意されています


<3級・出題テキスト>
『酒仙人直伝 よくわかる日本酒』
定価:1,058円 発行:NPO法人FBO


<2級・準1級・1級 出題テキスト>
『新訂 日本酒の基』
定価:3,240円 発行:NPO法人FBO


より詳しい内容は、「日本酒検定」のWEBSITEでチェック!
 

新潟清酒達人検定|新潟清酒達人検定協会

Q. どんな検定?
A. 新潟の酒に特化したレアな検定。 目指すは「金の達人」!

主催は、新潟県酒造組合や新潟県観光協会などが加盟する新潟清酒達人検定協会。新潟の酒への知識を深めながらその素晴らしさを再発見することで、新潟清酒ファンになってもらうのが目的です。
検定は、「金の達人」「銀の達人」「銅の達人」と3ランクあります。

Q. どこで受けられるの? 費用は?
A. 「銅の達人」は新潟・東京・大阪で開催。費用はレベル別に3,240~5,400円

試験会場はご当地である新潟以外に、「銅の達人」のみ東京・大阪でも出張検定を実施。受検費用は、「銅の達人」「銀の達人」は3,240円(※東京・大阪会場で「銅の達人」を受検する場合は4,000円)、「金の達人」は5,400円(「金の達人」は「銀の達人」合格者、「銀の達人」は「銅の達人」合格者のみ受検可能)。

Q. どんな問題が出るの?
A. 「銅の達人」「銀の達人」はマークシート回答。「金の達人」は小論文+実技
銅の達人

「製造方法」「分類」「品質管理」「美味しい飲み方」など日本酒の基礎知識、新潟清酒の旨さを語るのに欠かせない「歴史」「米」「水」「技」などのさまざまなジャンルから出題。
<過去問題>
冬の新潟の気候は酒造りに適しているといわれますが、最もふさわしくない記述はどれでしょうか?
A. 日照時間が短い B.適度な低温で安定している C.日中と夜間の温度差が大きい D.降雪量が多い
正解:C

銀の達人
新潟清酒についてのやや高度な問題をさまざまなジャンルから出題。
<過去問題>
越淡麗に関する記述のうち正しい説明はどれでしょうか?
A. 清酒にしたときに味がくどくならず、五百万石よりもすっきりした軽い清酒に仕上がる。
B. 15年の歳月をかけて研究し、2006年から仕込みに使われている。
C. 高度精米に適していることから、山田錦に並ぶ酒造好適米の代表的な品種で、作付比率は2位である。
D. 主な産地は開発県の新潟であるが、隣県の富山・群馬などでもその品質の高さから作付けされている。
正解:B

金の達人
事前にその年のテーマに沿った小論文を提出し、試験当日は新潟清酒10点をきき酒します。

Q. 気になる難易度は?
A. 「銅の達人」は、7割以上の正解数で合格!

「銅の達人」は100点満点中70点以上、「銀の達人」は80点以上が合格となります。「金の達人」は小論文60点+実技40点=総合評価100点の評価配分で合格者を決定するとのこと。

Q. 何を参考に勉強すればよい?
A. 「銅の達人」「銀の達人」の過去問題も掲載された公式テキストブックがあります

【改訂版】新潟清酒ものしりブック『新潟清酒達人検定公式テキストブック』
定価:1,600円(税別) 発行:新潟日報事業社


より詳しい内容は、「新潟清酒達人検定」のWEBSITEでチェック!

日本酒にまつわる【資格】

日本酒資格イメージ

唎酒師|日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)

Q. どんな資格?
A. いわば日本酒のソムリエ。現在は約1万人以上の唎酒師が世界で活躍!

1991年に制定された日本酒の販売・提供資格。主な資格取得者は、飲食サービス業や酒類流通販売業に携わる方ですが、最近では一般の日本酒愛好家の取得も多く見受けられるとか。

Q. 資格を取るとどんなメリットがあるの?
A. 日本酒のことだけでなく、飲食店や販売店で働くのに必要なスキルが身につきます

カリキュラムや試験は「消費者視点」をキーワードに構成。日本酒のみならず、酒類全般をはじめ飲食に関する基礎知識やサービスに関することもしっかり学べるため、特に新卒、他業種などから新たに飲食や酒販の分野での活躍を目指す方々に支持されているようです。

Q. どうすれば資格を取れる?
A. 「通信」「2日間集中」「受験」、大きく分けて3つのプログラムがあります

自宅で課題に取り組み解答用紙を郵送する「通信プログラム(受験はなし)」、2日間で受講・受験を行う「2日間集中プログラム」、合格を目指して学習し会場で受験する「受験プログラム」が用意されています。
「受験プログラム」は、時間や場所を選ばず教材で学習できる在宅コースと、1日かけて重点項目を学び試験対策をする1日通学コース、全4回の夜間講習でポイントをしっかり確認する夜間通学コースがあり、自分の学習スタイルに合ったものが選べます。

Q. 資格取得までの費用はどれくらい?
A. プログラムやコースに応じて、117,700~138,100円かかります

一般の場合、受講・受験料+合格後に必要な認定料・入会金・初年度年会費は「通信プログラム」で137,300円、2日間集中コースで138,100円、「受験プログラム(在宅コース/1日通学コース)」で117,700円、「受験プログラム(夜間通学コース)」で122,700円かかります。

より詳しい内容は、「唎酒師」のWEBSITEでチェック!


酒匠|日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)

Q. どんな資格?
A. 「酒匠」は、日本酒・焼酎テイスティングのプロフェッショナル 

「酒匠」とは、日本酒、焼酎テイスティングの専門家と呼べる存在です。嗅覚、味覚トレーニングを用いた基礎トレーニングや、日本酒、焼酎の原料や製法別テイスティング、さらにタイプ別比較テイスティングなどによりテイスティング能力が培われます。

Q. 資格を取るとどんなメリットがあるの?
A. 仕事に生かせる卓越したテイスティング能力が身につきます

2日間の講習会では、200を超えるテイスティングサンプルを使用。集中的にテイスティングをすることで、高度なテイスティング能力の習得を目指します。また、飲食や酒販の現場でもすぐに活用できる、日本酒・焼酎と料理の相性研究も実施。

Q. どうすれば資格を取れる?
A. 2日間の集中カリキュラム+試験合格で「酒匠」に!

2日間の集中カリキュラムの受講した後、別日に行われる筆記+テイスティングの試験を受けて合格すれば資格取得となります。
ただし、カリキュラム受講と受験には以下の条件を満たす必要があります。
・FBO(料飲専門家団体連合会)認定会員であること
・受験までに所定の職務経歴書を提出すること
・受験までに所定のレポート(※)を提出すること
※SSI主催「蔵元体験実習」、FBOアカデミー「造って学ぶ日本酒道場」に1回以上参加歴がある方、ならびにFBO認定会員在籍3年以上(在籍通算年数)方は所定のレポート提出は不要。

Q. 資格取得までの費用はどれくらい?
A. 受講・受験料+認定登録料=103,000円かかります

受講・受験料が78,000円に認定登録料が25,000円、合計103,000円が必要です。

より詳しい内容は、「酒匠」のWEBSITEでチェック!


日本酒学講師|日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)

Q. どんな資格?
A. 日本酒・焼酎の魅力を伝える"お酒の先生″を育成します

「日本酒学講師」は日本酒・焼酎の知識だけでなく、きちんとした講師のスキルを兼ね備えたいわば、お酒の先生です。日本酒や焼酎のことをもっと知りたい! というビギナーに向けたお酒のセミナーなどで活躍できます。

Q. 資格を取るとどんなメリットがあるの?
A. セミナー講師としての活躍はもちろん、自分の仕事やライフワークにも役立てられます!

日本酒学講師試験に合格すると「FBO(料飲専門家団体連合会)公認講師」に同時認定され、さまざまなナビゲーターの認定講師としての道が広がります。さらにSSI認定「日本酒ナビゲーター」「焼酎ナビゲーター」のセミナーを主催し、自らが認定する権利が与えられます。 また、飲食店や酒販店に従事する方の中には、スタッフ教育に役立てたり、ワークショップを開催するなどして、顧客満足度の向上や新規顧客獲得にもつなげているようです。

Q. どうすれば資格を取れる?
A. 3日間の講習会+試験合格で「日本酒学講師」に認定!

講習会は3日間にわたり、講師に必要な「インストラクションスキル」「コミュニケーションスキル」「プランニングスキル」に加え日本酒・焼酎の専門的な知識である「スペシャリティスキル」の4つのスキルを高める内容です。その後別日に、1~5次までの試験(記述・実技・面接)が行われ、見事合格すれば「日本酒学講師」として認定されます。
ただし、講習会の受講と受験には、以下の条件を満たす必要があります。
・FBO(料飲専門家団体連合会)認定会員であること
・受験までに所定の職務経歴書を提出すること
・受験までに所定のレポート(※)を提出すること
※SSI主催「蔵元体験実習」、FBOアカデミー「造って学ぶ日本酒道場」、「日本酒学講師とめぐる蔵元見学ツアー」に1回以上参加歴がある方、ならびにFBO認定会員在籍3年以上(在籍通算年数)方は所定のレポート提出は不要。

Q. 資格取得までの費用はどれくらい?
A. 受講・受験料+認定登録料=133,000円かかります

受講・受験料が108,000円に認定登録料が25,000円、合計133,000円が必要です。

より詳しい内容は、「日本酒学講師」のWEBSITEでチェック!


日本酒ナビゲーター|日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)

Q. どんな資格?
A. 気軽に受講して日本酒の知識を深められる、一般消費者を対象にした資格です

日本酒をもっと楽しんでもらうために制定された、消費者を対象に認定する資格。セミナーでは、一般的には難解といわれる日本酒の専門用語や原料、製造方法はもちろんのこと、歴史や文化、さらには日本酒が持つ香味の特徴を踏まえた楽しみ方について学べます。
「日本酒学講師」の資格をもつ講師が主催・認定を行います。

Q. 資格を取るとどんなメリットがあるの?
A. 認定証の付与のほか、様々な優待があります!

試験に合格すると認定カード型認定証が付与されるほか、「唎酒師」などのFBO(料飲専門家団体連合会)認定・公認資格取得の際の優待をはじめ、FBO及び提携加盟団体が主催するイベント・セミナーに特別価格で参加できるなど様々なメリットがあります。

Q. どうすれば資格を取れる?
A. 試験はなし! 各地で開催されるセミナー受講で認定

セミナーは東京、大阪、北海道、宮城、新潟など全国各地で開催されています。試験はなく、講習会を受講すれば「日本酒ナビゲーター」に認定されます。

Q. 資格取得までの費用はどれくらい?
A. 10,000~17,000円とセミナーによってさまざま

テキスト代や材料費、認定料まで含んだ費用は7,500~16,000円で、セミナー主催者によって異なります。

より詳しい内容は、「日本酒ナビゲーター」のWEBSITEでチェック!

※記事の情報は2018年10月10日時点のものです。
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