ワイングラスに注ぐ最適な量とは? ひと目で分かる写真とともにソムリエが解説します
ワインをグラスに注ぐとき、どれくらいの量を注げばいいか迷ったことはありませんか? 今回はワインの種類別に最適な量や、適量を注ぐメリットをソムリエ資格を持つライターが詳しく解説します。
ワイングラスに注ぐ量には理由があった!
その理由は、ワイングラスの中に空間を作ることでワインのアロマをとどまりやすくしたり、スワリングをしやすくするためです。
「スワリング」はワインの入ったグラスをくるくる回す、ワインを飲むときに行う基本的な動作です。スワリングしてワインを空気に触れさせることで酸味や渋み、苦みを穏やかにしたり、ワインのアロマを引き出すことができます。
つまりワイングラスに適量を注ぐことは、ワインの味や香りをベストな状態で楽しむことにつながります。
ちなみに居酒屋の人気メニューである「こぼれワイン」などはあくまでもエンタメの一種。手頃な価格でたっぷり飲めるものの、ワインを美味しく飲むには最適とは言えません。
ワインボトル1本はグラス何杯分?
ただし、この適量はワインの種類やワイングラスによっても微妙に変わってきます。
この記事では、ワインの種類やワイングラスの型別に適量を注ぐコツを写真付きでご紹介します。計量カップなしで適量を注ぐことができれば、普段の家飲みから人が集まるホームパーティーまで、スマートにワインを楽しむことができますよ。
※国内で造られる日本ワインは、日本酒の四合瓶サイズに由来し、720mlの場合もあります。
ワイングラスに注ぐ適量を見る前に、各部位の名称をチェック!
ワイングラスは基本的に「ボウル」「ステム」「プレート」の3つの部位で構成されています。
ステム…持ち手となる脚
フット(台座、プレートとも呼ぶ)…グラスを支える土台
ボウルの中でも、飲む際に唇に直接触れるグラスの縁の部分を「リム」と呼びます。
それではさっそく、実際にグラスにワインを注いだ写真とともにその理由を細かく見ていきましょう。
赤ワインをグラスに注ぐ適量は?
ここでは代表的な「ボルドー型」と「ブルゴーニュ型」、赤ワイン全般に使用できるオーソドックスな形のワイングラスに注ぐおすすめの量を解説します。
ボルドー型
ワインを注ぐのはボウルの一番膨らんでいる部分の少し下あたりまでがスワリングもしやすく、おすすめです(約100ml)。
また、香りの変化を楽しみたいときは、少し多めにボウルの一番膨らんでいるあたりまで注いで、ゆっくり飲むのもいいでしょう(約120~130ml)。
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ワインを注ぐ量は、ステムの先端から指2本分くらいの高さまで入れるのがベストです(約100ml)。
なかには少量(90ml程度)ずつ入れて楽しむ方や、最初に120mlほど注いでからゆっくり味わう方もいらっしゃいます。ご自身の飲み方に合わせて量を調整するのもいいでしょう。ただし、多めに注ぎたいという方も、グラスの一番膨らんでいる部分よりも少し下あたりまでにしておきましょう。
白ワインをグラスに注ぐ適量は?
キャンティ型
ちなみにこのキャンティタイプのワイングラスは、オレンジワインやロゼワインにも最適です。
いろいろな種類のワインを飲む人は、まずはこの汎用性の高いキャンティ型を用意することをおすすめします。一方、ブルゴーニュの熟成したシャルドネなどのフルボディタイプの白ワインは、ボウル部分が大きいグラス(モンラッシェ型)を使用するのがおすすめです。
スパークリングワインをグラスに注ぐ適量は?
芳醇なタイプのシャンパーニュなどは、ボウル部分に丸みがあるバルーン型のグラスを使うこともあります。ただ、丸みを帯びたグラスにスパークリングを注ぐ場合は泡持ちがよくないため、少なめに注ぐのがポイントです。
脚のないワイングラスに注ぐ適量は?
ただし、ワインやシーンに合わせてカジュアルに楽しむ場合は、注ぐ量を変えても問題ありません。例えばキリッとしたさっぱり系の白ワインに氷を入れてロックスタイルで飲むなら、グラスの7分目くらいまで入れるのもいいですね。
ステム(脚)が短いワイングラスに注ぐ適量は?
カジュアルに楽しむグラスなのでラフに飲みたいという方におすすめですが、普段よりちょっといいワインを飲むときは、ぜひステムやボウルがしっかりしたワイングラスを選んで味わってみてください。
ワインやグラスの種類に合った適量を知って、ワインをもっと楽しく! もっと美味しく!
スワリングも最初は難しく感じるかもしれませんが、コツさえつかめばワインを一層美味しく飲むことができるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
ワイングラスに注ぐ適量をマスターして、より充実した家飲みライフをお過ごしください。
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