白ビールの特徴や味わいは? コンビニやスーパーで買える銘柄も紹介します
密かに人気になりつつある「白ビール」。ビールが苦手な人でも飲みやすいと言われる理由や代表的なビアスタイル、コンビニやスーパーで買える銘柄の試飲レビューまで、今こそ知りたい白ビールのいろはをビアジャーナリストがお届けします!
軽い飲み口と爽やかなのどごしで飲みやすく、今まであまりビールを飲んでこなかったという初心者の方にもおすすめの白ビール。その魅力をたっぷりご紹介します!
白ビールとは? どんな味わい?
日本で主流のホップの苦味がほどよく効いたラガービール(下面発酵ビール)とは味わいも異なります。
香りはフルーティーで華やか。苦みが少なく、小麦由来の優しい甘みや酸味を感じることができます。また、小麦に多く含まれるたんぱく質(グルテン)によって泡もちがよく、風味が損なわれにくいのも特徴です。
白ビールの代表的なビアスタイル①│ヴァイツェン
ひとつめはヴァイツェン(Weizen)です。
ヴァイツェンはドイツ語で「小麦」を意味していて、小麦麦芽を50%以上使用して造ることが義務付けられています。14世紀に南ドイツで発祥した歴史ある白ビールで、ヴァイツェン酵母由来のバナナやクローブを思わせる甘い香り(エステル香)、豊かな泡立ちと泡もちの良さが特徴です。
苦みが少なく濃密でなめらかな口当たりで、“飲むパン”と表現されることもあります。
また一口にヴァイツェンといっても、その中に複数の枝分かれしたビアスタイルが存在しています。酵母を濾過せずに造る白濁した色味が特徴の「ヘーフェヴァイツェン」や、反対に酵母を濾過した透明度の高い「クリスタルヴァイツェン」、アルコール度数が高め(7~8%)の「ヴァイツェンボック」などがあります。
ヴァイツェンにおすすめのおつまみ
おつまみに迷ったら、色や国・地域を合わせるフードペアリングの方法を覚えておくと便利です。たとえば“白”で合わせるならクリームシチューやグラタン、“ドイツ”で合わせるならソーセージやドイツ風カツレツのシュバイネシュニッツェルを合わせるといった方法です。
そんな基本から一歩踏み出してみたいという方は、寿司・刺身とのペアリングを試してみてはいかがでしょうか? ヴァイツェンの香りによるマスキング効果で生魚の臭みを抑えてくれる上、酢や醬油との相性も良く、お互いの味わいを補い合ってくれるのでおすすめの組み合わせです。
代表銘柄
エルディンガー ヴァイスビア
原材料:小麦、大麦、ホップ、酵母
アルコール度数:5.3%
ビアスタイル:ヴァイツェン
世界トップクラスのドイツ小麦ビール「エルディンガー」の白ビール。少し濁りのある金色と、きめが細かくクリーミーな泡、苦みの少ない爽やかな口当たりが特徴。お肉はもちろん、シーフードなどさまざまな料理と相性抜群。
常陸野ネストビール ヴァイツェン
原材料:麦芽(大麦麦芽、小麦麦芽)、ホップ
アルコール度数:5.5%
ビアスタイル:ヘーフェヴァイツェン
小麦麦芽を材料に仕込んだ酵母入りにごりビール。華やかな香りを醸す酵母を使用、バナナのような香りと爽快な味わいが特徴。
白ビールの代表的なビアスタイル②│ベルジャンホワイト
直訳すると「ベルギーの白」。その名の通り、ベルギーで古くから親しまれています。
大麦麦芽とともに、麦芽化していない小麦を使用し、麦汁を煮沸する際にオレンジピールとコリアンダーシードを加えて、華やかな風味に仕上げるのが特徴です。ベルジャンホワイトの人気が低迷していた1960年代に誕生した「ヒューガルデン・ホワイト」により、世界的にも有名なビアスタイルとなりました。
同じ白ビールと言っても、こちらは小麦由来の甘酸っぱさ、そしてベルジャン酵母とコリアンダーシード、オレンジピール由来のフルーティーかつスパイシーな香りが特徴です。
濃厚でなめらかな口当たりのヴァイツェンに対して、ベルジャンホワイトは、爽やかで軽い印象を与えてくれます。
ベルジャンホワイトにおすすめのおつまみ
ベルジャンホワイトのおつまみはベルギーの郷土料理・ムール貝のビール蒸しが鉄板の組み合せと言われているのですが、日本の家庭ではなかなか手に入りません。そこで、スーパーでも気軽に材料をそろえられるアサリの酒蒸しを合わせてみるのはいかがでしょうか? 身近な食材で代用しながらペアリングを楽しむのも、家飲みならでは醍醐味です。
また、ベルジャンホワイトのスパイシーな香りは、香草とも相性抜群。パクチーをたっぷり盛ったトムヤムクンと合わせてみるのも面白いですよ。
代表銘柄
ヒューガルデン ホワイト
アルコール度数:5%
ビアスタイル:ベルジャンホワイト
オレンジピールとコリアンダーシードの完璧な組み合わせが生み出す自然な苦味と、特有の清涼感、華やかでスッキリとした味わいのホワイトビール。どんなフードとも相性が良く、フルーティーかつ爽やかなフレーバー。
常陸野ネストビール ホワイトエール
アルコール度数:5.5%
ビアスタイル:ベルジャンホワイトエール
コリアンダー、オレンジピール、ナツメグ等を加えた小麦ビール。爽やかな香りに、柔らかな味わいが特徴的。
コンビニやスーパーで買える白ビール缶5選
ヤッホーブルーイング 水曜日のネコ
アルコール度数:5%
ビアスタイル:ベルジャンホワイトエール
ライターが試飲しました!
キリン SPRING VALLEY シルクエール<白>
アルコール度数:5.5%
ビアスタイル:ウィートエール
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南原
霞のある黄金色、きめ細かいふわとろの泡が特徴。泡もちも良い。一口目にキレを感じたリニューアル前と比べ、リニューアル後は、華やかな香りとまろやかな味わい、そして優しい酸味が増しています。泡もちの良さも増して、その風味が最後の一口まで楽しめます。ゆっくり飲める環境で、温度変化とともにその表情を変える味わいにも注目です。
アサヒ ホワイトビール
アルコール度数:5%
ビアスタイル:ウィートエール
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南原
一口飲んだ後に、思わず深呼吸してしまいました。それほどに香り高いビールです。 華やかでフルーティーな香りと柔らかな酸味から、全体的に軽やかな印象を受けますが、オレンジピールの爽やかさ、コリアンダーシードのスパイシーさも同時に感じる満足度の高い1本です。ご自宅でほっと一息つきたいときにおすすめです。
エチゴビール のんびりふんわり白ビール
アルコール度数:5%
ビアスタイル:ヴァイツェン
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南原
白熊くんがのんびりくつろいでいるパッケージや商品名の通り、のんびりしているときに飲みたいビールです。白いモコモコの泡も、バナナのような甘い香りも、すべてが優しいビールです。その中で、他のヴァイツェンに比べて少しだけ効いているホップの苦みが良いアクセントになっています。
銀河高原ビール 小麦のビール
アルコール度数:5.5%
ビアスタイル:ヘーフェヴァイツェン
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南原
缶を開けた瞬間から、バナナのようなフルーティーな香りがはじけます。液色は、霞んだ黄色。この霞みこそ、酵母を濾過していないヘーフェヴァイツェンならではの特徴です。まろやかな口当たりと優しい甘み。テラスで夜風に吹かれつつ、その余韻に浸りたい1本です。
白ビールテイストの新ジャンル商品やノンアルコールビールもあります
サッポロ ホワイトベルグ(新ジャンル)
原材料:発泡酒(国内製造)、大麦麦芽、小麦麦芽、ホップ、大麦、コリアンダーシード、オレンジピール、スピリッツ(大麦)
アルコール度数:5%
ベルギーのホワイトビールのような味わいを、気軽に楽しめる新ジャンル。ベルギーで行われる世界的な食品コンクールにおいても高評価を得るなど、その味もお墨付きです。
ヒューガルデンゼロ(ノンアルコール)
原材料:大麦麦芽、小麦、液糖、コリアンダーシード、オレンジピール、ホップ、酵母/炭酸、pH調整剤、香料、増粘剤(ペクチン:りんご由来)
アルコール度数:0%
脱アルコール製法で「ヒューガルデン ホワイト」からアルコール分を除去したノンアルコール ホワイトビールテイスト飲料。ヒューガルデン本来の風味を感じます。
専用グラスは白ビールをよりおいしく飲みたい方におすすめ
白ビールの良さを最大限に感じながら味わいたい!という方は、グラスにもこだわってみてはいかがでしょうか?
ヴァイツェングラス
このグラスは背が高く、下部が細くなっていてくびれがあります。底よりも飲み口の方が丸く膨らんでいるのが特徴で、ヴァイツェン特有の香りを閉じ込めてくれます。
チューリップグラス
ビールを注げば、丸い胴体部分にビールの香りが広がり、口元が狭くなっていることでグラス内に香りを閉じ込めてくれます。飲む際にも、ビールがまっすぐ口の中に入ってこないので、口の中いっぱいにビールの香りと味わいが広がります。
苦みが少なく香り華やか! 白ビールを家飲みでも楽しもう
すでにお気付きの通り、白ビールは“白”というほど白くはありません。それでも黒褐色とは真逆の“白”と呼びたくなってしまうほど衝撃的だったのでしょう。
ビールの苦みが苦手な方にとって、白ビールとの出会いはビールのイメージを一新してくれるはずです。華やかな香りや小麦由来の優しい甘みや酸味など、爽快感やのどごしだけではないビールの魅力にぜひ触れてみてくださいね。
最後に、お気に入りの1本が見つかったあなたにちょっとだけアドバイス。そのビールを「白ビール」ではなく、「ヴァイツェン」や「ベルジャンホワイト」といったビアスタイルで呼ぶと、ちょっとだけ通っぽくなれますよ!
※記事の情報は2023年7月13日時点のものです。
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南原
グラスに注ぐと立ち上る青リンゴのような香り。苦みはほとんど感じません。心地よい清涼感と飲みやすさの中に、少しだけスパイシーさを感じます。商品名からも水曜日に飲みたくなるこのビールは、一週間の折り返しで飲むのに相応しい、ちょっと贅沢な味わいです。