ズブロッカがきっかけ!?和歌山が詰まったクラフトジンを飲んでみた。

和歌山で生まれたユニークなクラフトジンをご紹介!

ライター:青田俊一青田俊一
メインビジュアル:ズブロッカがきっかけ!?和歌山が詰まったクラフトジンを飲んでみた。
名古屋の酒類卸イズミックの青田が、いま注目のお酒の情報をバイヤー目線でお届けします! 今回は和歌山のボタニカルが詰まったユニークなクラフトジンをご紹介します。

和歌山県産ボタニカルで造るクラフトジン

好評?かどうかはちょっとよく分からないクラフトジンレビュー企画、今回で第6回目。ご紹介するのは和歌山県の酒造会社 、中野BCの富士白蒸留所で造られるクラフトジン「槙-KOZUE-」です。
槙-KOZUE-
「槙-KOZUE-」は高野山に多く分布しているコウヤマキという針葉樹の葉、温州みかんの皮、レモンの皮、山椒の種等の和歌山素材とジュニパーベリーを組み合わせた和歌山県産クラフトジンです。 このクラフトジン、開発された理由がちょっとユニークです。

中野BCというと、個人的には梅酒の会社のイメージが大変強いのですが、その梅を筆頭にしそやみかんなど和歌山産の原料を使用した商品開発に力を入れています。この「槙-KOZUE-」で最も特徴的なボタニカルはコウヤマキ。コウヤマキの名前の由来は高野山真言宗の総本山で有名な高野山に多く生えていることから。で、なぜそのコウヤマキをボタニカルにしたかというと、とある営業社員がコウヤマキの葉をお酒に入れるとズブロッカのようにならないかと呟いたそうです。ズブロッカといえば桜餅のような香りが特徴的で個人的にはお花見シーズンになるとちょっと恋しくなるお酒ですが、その香りの由来であるバイソングラスに見た目的にはたしかに近いような気もしなくはないです。で、ためしに漬け込んでみたところ、ズブロッカではなくジンのような香りがしたそうです。調べたところ、コウヤマキの香気成分の主成分が「α-ピネン」という成分で、ジンに用いられるジュニパーベリーと同じ主成分であることが分かったそうで、これをきっかけにジンを造ろうということで、クラフトジン「槙-KOZUE-」の開発に至ったというわけです。ズブロッカ的なものを造ろうと思った、なかなか奇抜な発想ですよね。弊社にもこういう人います。

とまあ、ユニークな着眼点から開発されたこのクラフトジン、今年開催された「第8回リヨン・インターナショナルコンクール」のリキュール・スピリッツ部門にてゴールドメダルの快挙。味わいもお墨付きということで早速お楽しみの試飲タイムといこうと思います。

飲んでみた。

槙-KOZUE-
ではグラスに注いでみます。グラスから森林のような深緑の爽やかなの香りが広がります。口に含むと口の中にほんのり柑橘の香りが広がります。口当たりが非常にまろやかでアルコール度数が47度もあるとは思えません。アフターに山椒由来の香りが残り、アクセントになっています。このまろやかな口当たりと柑橘の上品な甘みはロックでゆったりと楽しみたいところです。
 
槙-KOZUE-
お次は炭酸で割ってみましょう。炭酸を入れてもコウヤマキのグリーンの香りは薄まることはなく爽やかに香ります。味わいは柑橘の風味が強調され、非常に爽やかな印象に仕上がりました。柑橘の香りがとても心地よいので、特にライムなどを足さずシンプルに炭酸だけで割ることをおすすめします。ちなみにメーカーHPではジントニックやブロンクスなどのカクテルレシピも紹介されていますので、もうちょっとあれこれしたい方はご覧を。

で、気になるお値段ですが、クラフトジンは少量生産のため大体が4,000円以上と、どうしてもお高くなってしまい手が出しづらいというのが現状ですが、こちらは箱なしなら700mlで2,700円と割とお手ごろ価格。家飲みでも楽しめるのが嬉しいところ。ぜひお試しください。

 

槙-KOZUE-【商品概要】

  • 産地:和歌山県
  • アルコール度数:47%
  • 原材料:醸造アルコール、コウヤマキ(和歌山県産)、 ジュニパーベリー、 温州みかん皮(和歌山県産)、 レモン皮(和歌山県産)、山椒種(和歌山県産)
  • 容器 / 容量:瓶/ 700ml
  • 参考小売価格:箱付3,500円 / 箱なし2,700円(税別)
  • 製造元:中野BC
※記事の情報は2018年10月23日時点のものです。
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