「スーパーマーケット・トレードショー」で見つけた注目の酒をウォッチ!
流通業界の今が分かる大規模な展示会「スーパーマーケット・トレードショー」。これから流行りそうなお酒を探してみました。
焼酎の新しいスタイル
青田 定番ではありますが、個人的には「お茶割り」がとても気になっています。「いいちこ」が提案しているスタイルは新しいなと思いましたね。焼酎をお茶で割るのではなく、ティーポットなどに茶葉と焼酎、氷を入れてお茶の成分を出すというスタイル。前割りの効果で焼酎がまろやかになりますし、お茶の味わいも楽しめます。「ほうじ茶」「煎茶」「抹茶」の3種類がありましたが、香ばしさを感じられる「ほうじ茶割り」は特に気に入りましたね。
ブースでは試飲した人がどれが一番おいしかったかを投票するイベントも開催されていました。一番人気は「ほうじ茶」。「抹茶」も甘みがあり飲み飽きないように感じました、
ニッポン発のカクテルベース、WAPIRITS TUMUGI(和ピリッツ・ツムギ)
青田 酒造りをの技法を活かしてつくられた大麦が原料のスピリッツです。蒸した大麦に麹菌を加えたつくった「大麦麹」をベースに、国産のボタニカルとして、かぼす、ゆず、みかんなどを加えたもの。飲んでみると焼酎のような、日本酒のような、独特の味わいがあります。ジンやウォッカなどのスピリッツとは違い、麹の香りが立っているので、まろやかで甘みがあります。ソニックという甘みをおさえたトニックウォーターを新たに発売するということで、これで割ると相性抜群です。昨年ブレイクした国産「クラフトジン」もそうですが、和製クラフトスピリッツは注目ジャンルのひとつですね。
これまでは飲食店をメインに販売していましたが、これからは洋酒の専門店などにも並んでいるとのこと。「初めて飲むのにどこか懐かしい」と感じるのは、麹の味わいからきているものなのかもと感じました。和食ともよく合いそうなので、見かけたらぜひ買ってみたい!
あのメーカーからもクラフトジンが!
青田 養命酒から発売されるクラフトジン「香の森」は、クロモジという日本古来の香木と18種類のボタニカルを使ったこだわりのクラフトジン。クロモジ独特の清涼感のある香りが魅力のドライジンです。ロックでもストレートでもソーダ割りでも楽しめると思います。ほかにも同じくクロモジを使った「香の雫」やそれをベースにしたクラフトジンカクテルもあり、このジャンルに力を入れているのが分かりますね。クラフトジンカクテルは2種類のグレープフルーツが使われていて、果実感がありました。養命酒は「ハーブの恵み」など女性ウケするお酒をいろいろと発売していますから、このクラフトジンも女性に好まれるのではないでしょうか。
クロモジは養命酒に使われているものだとか。薬酒メーカーが作っているので何か体に良さそう…という雰囲気もあり、女性に人気が出そうです。シリーズ商品のレモンピールなど11種類のボタニカルを組み合わせた「香の雫」、「CRAFT GIN COCKTAIL」はどちらも300㎜で880円(税抜)と手ごろなので、クラフトジン初心者にもよさそうです。
意外なコラボに注目①沢の鶴×ヤンマーの日本酒
青田 先日の記事でも取り組みについて紹介しましたが、酒造メーカーの「沢の鶴」と農業用のトラクターなどを製造する「ヤンマー」が協業で行っている酒米プロジェクトから生まれた日本酒の第二弾、「沢の鶴×02」(エックスゼロツー)は注目です。2018年に発売された第一弾の「沢の鶴×01」は発売3ヵ月で完売するほどの人気を博しました。純米大吟醸ならではの華やかな吟醸香とふくよかなうま味が魅力。新作も開発中と聞いて期待していましたが、前作よりも香りが華やかに、米の旨みもより強くなったような印象を受けました。今回は協業で開発したこだわりの酒米の中から1種類に絞り、それを100%使っていること。安定して米の生産ができるようになったことから商品化が実現したそうです。
スタイリッシュなボトルは、2018年度グッドデザイン賞を受賞。沢の鶴とヤンマーが協業し、プロジェクトを作りあげているという点が高く評価されそうです。一般発売は3月1日から。プレゼントしても喜ばれそうなので、春のお祝いシーズンに人気が出そうですね。
コラボに注目②鹿児島ハイボール
青田 販売元は「味香り戦略研究所」。本業は甘みや香り、コクなどの味覚を分析し数値化する会社で、食品や酒メーカーが新商品の開発のために分析を依頼している会社です。様々なメーカーと共同開発してきたノウハウを生かして、自社でもオリジナルを作ってみようと試みたのがこの鹿児島ハイボール。味覚の分析などで付き合いのあった「宝山」の焼酎を99%を使用しています。味の詳細はこちらの記事を。今回、新しくスッキリ味の「さわやか」を開発したことで、以前からあるものを「まろやか」として、味の違いを楽しめるようになりました。いわゆる「缶チューハイ」とは違う、お店で飲む焼酎のソーダ割りに負けない味。芋焼酎ならではのコクや旨味が好きな人は「まろやか」、食事を合わせてさっぱり飲みたい人は「さわやか」がいいかもしれません。
実際に飲んでみると想像以上の本格派。これがあると家飲みが少し贅沢になりそうな気がします。今年は取り扱い店舗が増えるようなので、近くのコンビニでも買えるかなと期待しています。
充実していた果実酒
青田 見た目から濃厚そうだなと感じたのがはちみつメーカー「れんがHoney Garden」が作った果実のリキュール。「純みつ」という名前の通り、甘くとろりした舌触りと果実の濃厚さは他にない味わいでした。カクテルにちょっと加えたり、ソーダで割ったりいろいろアレンジできそうです。
あと、個人的にはシードルももっとメジャーになってほしいなと思っているお酒のひとつ。いろいろと出てましたが、弘前の農家が作った「タムラシードル」はりんごの味そのものが感じられる上品なお酒でした。ブランチとか昼間にちょっと飲むお酒としておすすめです。
オーガニックは食品、酒に共通するキーワード
青田 日本はオーガニック食品の分野では後発なので、海外の人が来たときに「これしかないの?」という印象になることも多いそうです。EPAでヨーロッパワインの価格が下がったこともあり、今回はスペインやイタリアのワインを扱っているブースが多かったですね。オーガニックだから良いというのではなく、味で勝負しなくてはいけないので競争は厳しくなるかもしれません。今回は1,000円前後で買えそうなお手頃なワインも多々出品されていたので、店頭に並ぶのを期待したいところです。
ノンアルもオーガニック!
おつまみが美味しくなりそうな調味料も
青田 調味料系で面白いものがいくつかありました。個人的に大ヒットだったのが、マルホンごま油の新商品「かけごま油」。料理に使うというよりはドレッシング感覚で完成した料理にかけるもの。餃子やサラダなど風味を足したいものには何でもかけていいのですが、驚いたのが試食で出していた「卵かけご飯」にかけるという提案。
卵かけご飯が3段階くらいグレードアップしたようになります。野菜の和え物だったり、板わさなんかにかけてもいいかもしれません。凝ったおつまみを作る時間がない…というときに便利だと思います。
シビレブームは継続中
青田 全体を見て回った感想は、レモンサワーやクラフトジンなど昨年からのブームになっているものの進化系が多かった印象です。ただ、コラボものなどには意外な組み合わせもあり、今度どう展開していくのか興味をそそられるものもいくつかあったので、引き続きチェックしてきたいと思います!
この方にお聞きしました
青田俊一さん
WEBデザイナーとしてアパレルショップ、インテリアショップでの勤務を経たのち、お酒好きが高じて2009年にイズミックに入社。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。ソムリエとしての豊富な専門的知識と鋭い嗅覚を生かして、現在はとっておきのお酒を扱うECサイト「On the Table」のバイヤーとしてモテ商品を発掘中。イエノミスタイルでは、「バイヤーズコラム」の執筆を担当。
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