花見で火を使わず温かいお酒が飲める魔法の“袋”があった!《イエノミ歳時記⑮》

「携帯おかん器」を知っていますか? 桜の樹の下で簡単にお燗をつけられる、飲兵衛にはたまらない魔法の道具なんです!

ライター:泡☆盛子泡☆盛子
メインビジュアル:花見で火を使わず温かいお酒が飲める魔法の“袋”があった!《イエノミ歳時記⑮》
ようやく寒さが緩みだし、早咲きの桜がちらほらと咲き始めましたね。いよいよ、我ら酒飲みが愛する花見シーズンの開幕です。家飲み派もこぞって桜の樹の下へ向かうべし!
桜
さて、このたび、花見のときに沸き起こる「やっぱり温かいお酒が飲みたい」と「でも荷物は少なくしたい」という相反する気持ちをスッキリ解決してくれる魔法のような道具を発見いたしました! 本当に素晴らしかったので、ぜひ家飲み仲間の皆様にお伝えさせてくださいませ。

その道具とはこちら。
携帯おかん器
「携帯おかん器」です!

加熱用袋の中に同封の発熱剤を入れて少量の水を注ぐと化学反応でお湯が沸き、約20分間加熱ができるという優れもの。防災備蓄用としても知られているようです。私はネットで購入したのですが、1回分216円でした。
おかん器セット
こんな風にセットします。発熱剤が入っていた袋の中に水量を示す印がプリントされているので簡単にセットできますよ。必要な水の量は加熱用袋の底からわずか2~3cmほど。「これで足りるの?」と心配になりましたが、もちろんまったく問題ありませんでした。火を使わず、手のひらサイズの袋だけで加熱ができるなんて便利すぎっ。

カップ酒やホット用缶ドリンクはもちろん、缶詰やレトルト食品も対応できるとのことで、今回は携帯おかん器を使って花見の練習〜。桜はまだないけど脳内で補完します!

携帯おかん器で温めてみたもの
・王道! カップ酒&缶詰
・ホットワイン&ホットウイスキー
・チーズフォンデュに挑戦
・締めはカレー!
不思議なセッティング
こんな感じのちょっと不思議なセッティングでお届けします。

王道! カップ酒&缶詰

王道! カップ酒&缶詰
なにはなくともまずは燗酒! 加熱用袋に水をセットし、すかさずカップ酒を入れます(忘れず、先に蓋を外しておきましょう)。
カップ酒の底が発熱剤につくやいなや、シュワシュワシュワ〜〜〜っという音と共に湯気が景気よく立ち上がります。ちょっとひるんでしまうほど勢いがいい! これはすごい!
缶詰をのせてみた
「立ち上がる湯気でも温められるのでは?」ということで、缶詰をのせてみました。

約10分後。
燗酒完成
燗酒ができました!

カップ酒の上の方を持てば熱さは大丈夫。ひと口飲んでみると、ちゃんとあったかい! ぬる燗〜上燗といったところでしょうか。充分な温度です。携帯おかん器、やるな〜。袋から燗酒が出てくるというシーンがなんともシュールでテンションが上がります。

加熱用袋の中はまだ温かいので、上で温めていた焼き鳥缶や大きめの缶詰を入れて余熱でがんばってもらうことに。写真を撮り損ねていましたが、焼き鳥缶の方は「まぁ、温かいかな」という程度の仕上がり。大きめサイズのどて焼きは残念ながら余熱では温まりませんでした。
大きめサイズのどて焼きは残念ながら余熱では温まりませんでした
脂が固まったまま…。

これあるを期して持参していた「アイラップ」(湯煎や電子レンジ加熱に使えるポリ袋)にご登場願い、缶詰の中身を移し替えて温め、無事を得ました。
「アイラップ」に入れて温めなおす
ぷるっぷるのとろっとろ〜。友人が買ってきてくれたこの缶詰、おいしかったな〜。

ホットワイン&ホットウイスキー

ホットワイン&ホットウイスキー
あっという間にカップ酒が空になったので続いて次のお酒をば。友人の提案により、ホットワインを作ります。コンビニで売っているミニサイズのワインが加熱用袋にちょうどよく収まりました。開栓した赤ワインにクローブや黒胡椒、シナモンを入れて加熱します。
赤ワインをあたためる
20分でこれもぬる燗よりちょいホットな感じの温度に。
 
カップ酒のグラスを使う
先ほどのカップ酒をグラス代わりに使うとちょうどいい。スパイスを加えることで、ちょいと贅沢な味わいになりました。家から持ってくるときに開栓してスパイスを入れておくと、より香りが深まるのかなーと。次回はそれを試してみたいです。

そしてさらにカップ酒の容器を再利用して、お次はホットウイスキーに挑戦。あらかじめ水割りにした状態でクローブとシナモンを加えて温めます。
 
ホットウイスキー
うむっ、美味しくないわけがないっ。

カップ酒容器の適応力にもはや恋のような感情が芽生えております。シナモンも似合うね、君…。

チーズフォンデュに挑戦

チーズフォンデュに挑戦
ワインやウイスキーに合う缶詰も温め
さて、並行してワインやウイスキーに合う缶詰も温めておりますよ。
 
牡蠣スモークのオイル漬け
牡蠣スモークのオイル漬け。温めずに食べても美味しいけど、温めると段違いに味わいがアップしますなぁ。

そして、かき缶温め中だった袋の底には、実はチーズが潜んでおりました(写真の右側にご注目ください)。袋の底もけっこう温度をもっているので、うまくフィットするサイズのものなら温められるようです。この簡易チーズフォンデュ用のチーズ(本来は電子レンジで温める仕様)は薄手の容器に入っていたため5分ほどでとろ~りとなりました。
 
チーズフォンデュにソーセージを絡めて
ちゃんととろけてくれました。コンビニのソーセージ(レトルトパウチ)に絡めていただきます。言わずもがな、ウイスキーにめっちゃ合いました。
 

締めはカレー!

締めはカレー!
野外でカレーを食べようと思ったら「キャンプの飯盒炊爨」なイメージが強い私は古い人間でしょうか。火もたいした道具も使わずに、この携帯おかん器でカレーを温められたら素敵だなーと思ったのです。
携帯おかん器でカレーを温め
で、ミニサイズのレトルトご飯とカレー(やや少なめタイプ)を用意。それぞれ20分ほど温めてみました。
 
カレー完成
完成〜。

ご飯は常温よりやや温い程度。これは2パックを同時に温めたせいかもしれません。ルゥの方も熱々まではいかない感じ。ご飯は市販の塩むすびなどにして、ルゥを温めるのに注力すればよかったかと反省しました。でも、花見でカレーを食べるという意外性はいいものです。

ちなみに携帯おかん器はお湯を沸かす用途でも使えるので、「花見の締めにカップラーメン」も実現可能! みんなが酔った頃におもむろに熱々のカップラーメンを出したりしたら、ちょっと株が上がるかもしれませんね。

今回の練習では、携帯おかん器を10回分使用して約3時間なんやかんやと楽しみました。実際に使ってみた感想をまとめてみます。

<よかったこと>
・飲み物を温めるのはほぼ完璧!
・火を使わないので安全。かつ使用する場所の選択肢が広がる
・とてもコンパクトなので持ち運びが楽
・使用後はそのままゴミとして捨てられる
・「袋で温める」という斬新さで場が盛り上がる

<気づいたこと>
・缶詰は大きめサイズだと中まで温めるのは難しい。薄めのタイプ推奨
・アイラップを備えておくと、加熱不足時に便利
・「ついで温め」はなかなか難しい
・飲み物と食べ物が同時に温まるよう段取りを考えておく方がいい
・携帯おかん器は多めに用意する方がいい。

本格的な花見シーズンに入る前に追加注文せねば! 皆さまもぜひ、この魔法の袋でゴキゲンな花見の宴をお楽しみくださいませ。
宴終了後
宴終了後はこんな光景に…。


※記事の情報は2019年3月7日時点のものです。
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