クラフトジンの先駆者『シップスミス』蒸溜所訪問レポート
ロンドンのジン巡りの2回目はシップスミス蒸溜所です。ロンドンのクラフトジンのパイオニアであり、常に魅力的なジンづくりにチャレンジし続けています。
200年ぶりにジン製造免許を取得した『シップスミス』
この蒸溜所の3人の創業者たちは、アメリカのクラフトビールのムーブメントに刺激されて、18~19世紀のロンドン・ドライジンを復刻する事業へのチャレンジを決意したのでした。
『シップスミス』はワンショット
シップスミスは、ボタニカルの種類や数ではなく、その配合と浸漬の仕方、蒸溜時のヘッドとテールのカットのタイミング、そしてワンショットという製法にこだわります。現在の一般的なロンドン・ドライジンは、再蒸留後にニュートラル・スピリッツと水を加えて製品化されています。これがマルチショット製法で、個性を主張しすぎないのでカクテルベースに使いやすく、かつリーズナブルな製品を提供できます。一方、ワンショットは再溜後に加水して度数調整するだけです。パンチのある濃厚な味わいのジンになります。
『シップスミス』はストレートでおいしい
シップスミスは革新的で挑戦的
ゲストを迎える銅製の天板をもった試飲カウンターの隣には実験室があり、常に新しい酒の開発にチャレンジしているのだそうです。いくつものサンプルをつくり3人の創業者に試してもらい、彼らのOKが出ると小さな蒸溜器での試作が許されます。こうしてつくられた試作品はシップスミスファンの一般会員に、2ヶ月に1度、プレゼントとして届けられますが、彼らから高く評価されると商品化を検討する仕組みになっています。シップスミスの常にイノベイティブかつクリエイティブであるべきという蒸溜所の理念が、こうしたところに生きていることを感じます。
※記事の情報は2019年11月14日時点のものです。
『さけ通信』は「元気に飲む! 愉快に遊ぶ酒マガジン」です。お酒が大好きなあなたに、酒のレパートリーを広げる遊び方、ホームパーティを盛りあげるひと工夫、出かけたくなる酒スポット、体にやさしいお酒との付き合い方などをお伝えしていきます。発行するのは酒文化研究所(1991年創業)。ハッピーなお酒のあり方を発信し続ける、独立の民間の酒専門の研究所です。
- 1現在のページ