西村まどかの目指せ!唎酒師➁「香りの高い日本酒を知る」

こんにちは、日本酒が大好きな西村まどかです。いま、日本酒のソムリエ、「唎酒師」の合格を目指して猛勉強中です。ときどき進み具合をアップするので応援してください!

ライター:西村まどか西村まどか
メインビジュアル:西村まどかの目指せ!唎酒師➁「香りの高い日本酒を知る」

香りの高い日本酒を飲み比べ

第1回では「日本酒の特徴」を学び、日本酒の味わいが4タイプ(香りの高いタイプ、熟成タイプ、軽快でなめらかタイプ、コクのあるタイプ) に分類されると知ったのですが、私は「香りの高いタイプ」が好みということも分かりました。

ということで、第2回のテーマは、「香りの高い日本酒を知る」です。 香りの高いお酒をいろいろ飲み比べて特徴について学びました。 ちなみに今回は初めてのリモートでの受講でした。タブレットの画面を見ながら自宅で試飲、くつろいでいたせいかでほろ酔いになりました(笑)。

そんな今回はこちらの日本酒たちをテイスティングし、違いを学びました。
西村まどかと飲み比べた日本酒
『獺祭』(精米歩合違い)飲み比べセット、『澪 一果』(いちか)の酵母違い2種類、『一本義』の福井の酒米違い3種類

まどかの学び① 精米歩合が高いと味がキレイに

香りの高いお酒を代表する大吟醸は、精米歩合の高いお米を使って、低い温度でゆっくりゆっくり発酵させます。こうすることで、あのフルーツのような香りが生まれます。 精米歩合(せいまいぶあい)は玄米の外側をどれくらい削ったかを示していて、数字が小さくなるほどお米の芯の部分だけ使っていることになります。 たとえば精米歩合23%だったら、外側の77%を削り落として真ん中の23%だけでお酒をつくったという意味です。

ただ、大吟醸と言っても精米歩合が違うものがいろいろあります。そこで精米歩合が違うとお酒の味がどう変わるのかを試してみることにしました。用意したのは『獺祭』の2割3分(精米歩合23%)、3割9分(〃39%)、4割5分(〃45%)。順番に飲み比べてみました。
右の茶色い米が山田錦の玄米。手前から奥に向かって精米歩合45%、39%、23%とどんどん小さくなる
右の茶色い米が山田錦の玄米。手前から奥に向かって精米歩合45%、39%、23%とどんどん小さくなる
『獺祭』はどのお酒も山田錦というお米を使っています。つくり方も基本的に同じなので、精米歩合の違いがわかりやすいのだそうです。

テイスティングしてみると、今までふわっとしか分かっていなかった「雑味」という表現が分かりました。精米歩合が高くなると、お酒の透明感が増していきます。

精米歩合45%のものは、甘さがあって、鼻からすーっと抜ける香りが心地良くて、味がしっかりある印象でした。

39%のものは、スッキリとした味わいで、どんな料理にも合いそうだなと! とても飲みやすかったです。

23%のものは、とってもなめらかで、ひっかかりもなく、私のイメージは、所作がゆっくりで上品で才色兼備なお嬢様のような、美しいお酒だと思いました。甘さと淡麗さがあって、ずっと舌の上にのせておきたいくらい美味しかったです(笑)。

お米の磨きだけで、想像以上に印象が変わって面白かったです!
『獺祭』
『獺祭』は精米歩合の違いを飲み比べするのにぴったり

まどかの学び② 器で味が変わる

そして、次に飲み比べるのは、なんと“おちょこ”です。

3つの違う器で同じ日本酒で比べると、味や香りの印象がまったく違いました。ほんとうに信じられないくらい変わって、驚きです。飲み比べは、いろいろな日本酒を比べるとばかり思っていたので、これもとても新鮮な体験でした。
おちょこ
おちょこ
写真の左は「きき猪口」です。“おちょこ”と聞いて思い浮かべるのは、この形ではないでしょうか。唎酒師の試験などでも使われるような、筒の形をしたニュートラルなものです。

真ん中は「平杯(ひらはい)」。口が広くなっていて顎を上げずに飲めるので、日本酒が波のように、ゆっくりじんわ〜り入ってくる感じでした。舌全体に広がる感じで、じっくり味わえます。

右は脚はありませんが「ワイングラス」です。口が狭くすぼまっているのでお酒の香りがグラスの中に溜まります。なので香りがいちばんよくわかりました。飲む時に顎が上がるのでグラスに角度がつき、口の中にお酒がすーっと真っすぐ入ってきて、味が舌先に鋭角に伝わってきました。

同じお酒なのにこんなに味が変わるのは本当にびっくりしましたし、おちょこを変えて楽しむのも今後やってみたいと思いました。いろいろなおちょこ探しとかも楽しそうです。

この、3種類の『獺祭』と3種類のおちょこは、どの組み合わせが好きかなと探した結果、こちらの「獺祭23% × 平杯」がいちばん好みでした!
まどかのいちばんのお気に入りがこの組み合わせ
まどかのいちばんのお気に入りがこの組み合わせ
ゆっくり飲むのが好きなので、この研ぎ澄まされたフルーティーな23%を、平杯でじっくり飲むのが美味しかったです。よく周りのお友達に、日本酒に興味があるけどどれがいいのか分からないと聞かれるので、これを自信を持っておすすめします!

まどかの学び③ 酵母が香りをつくる

そして、香りを楽しめる"ワイングラス"がピッタリだなぁと思ったのは、こちら。大好きなスパークリングタイプの日本酒、『澪』から発売された『一果』です。なんとイチゴとバナナの香りがします。

これめっちゃ美味しいです。ふんわりとイチゴの香り、バナナの香りがして、これぞ本当のフルーティーな味わい。お米から作られているのにフルーツの香りがするなんて、不思議やなぁ〜と思ったのですが、この香りをつくっているのは“酵母”なのだそうです。

前回、"酵母は糖分をアルコールに変える役割"と学んだのですが、こんな大役も果たしているとは。酵母すごいです。酵母にはたくさんの種類があって、バナナの香りをつくるもの、リンゴの香りをつくるもの、あまり香りを出さないものなど、全国各地の酒蔵は使い分けているのだとか。
西村まどかと『澪 一果』
ワイングラスで『澪 一果』。フルーツの香りは酵母がつくっていたとは驚きでした

まどかの学び その④ 福井にもあるお酒用のお米

続いて、私の地元の福井県の"酒米"からつくったお酒を飲み比べました。 日本酒はお米からつくられますが、お酒をつくるために栽培する酒米(さかまい)と言われるお米があります。日本酒業界ではご飯用のお米は「飯米(はんまい)」と呼んでいます。

福井は「五百万石(ごひゃくまんごく)」という酒米の名産地として知られていますが、福井県が独自に開発した「越の雫(こしのしずく)」という酒米があり、少し前に新たに「さかほまれ」という酒米が誕生しました。 4/19には福井県の17の酒蔵から、New酒米「さかほまれ」でつくったお酒が一斉に発売されたのですが、今回、初めて手にしました。

ちなみに「さかほまれ」という名前は、「酒を飲んだ人が栄えるように」とつけられたそう。とても縁起が良さそうです。

飲み比べたのは福井県勝山の銘酒『一本義』です。この蔵のお酒で酒米の違うものを揃えました。
一本義
『一本義 さかほまれ 生酒(純米吟醸)』
『一本義 純米酒』(原料米:五百万石)
『一本義 辛爽系純米吟醸』(原料米:越の雫)

どれも濃厚な味わいで丁寧につくられているのが伝わってきました。

そして、思ったのは使われているお米を見ても味がまったく想像出来ないということです。ワインに詳しい人は使われているぶどうの品種でなんとなくワインの味が想像できると聞きますが、日本酒は、精米歩合、温度、器、酵母などいろいろな要素で味が変わる複雑系。「さかほまれ」を使うとこんな味になるとはっきり決まりません。日本酒は奥が深いなとあらためて思いました。
「さかほまれ」大吟醸・純米大吟醸酒あじわいマップ
「さかほまれ」でつくられたお酒も味わいはメーカーによってさまざま
日本人ならではの丁寧な技術と伝統によって、こうやって今私たちは素敵な日本酒が数多く楽しめ、さらに今も全国各地で独自の酒米の開発が行われていて……。

実は、私は競馬も趣味で、血統が大事だったり、沢山のドラマが生まれたりするロマンのある所が好きなのですが、日本酒にも通じるなあと思いました。だから私はハマってしまったのかもしれません(笑)。いつか関われたらなぁ〜なんて思ったりするこの頃です。

たくさんの時間とたくさん労力をかけて、たくさんの想いのつまった日本酒。 これからもっと考えて、じっくり味わって、大切にいただこうと思った講座でした。

長くなってしまいましたが、読んでくれてありがとうございました!


※記事の情報は2020年5月23日時点のものです。

▼参考サイト
西村まどか Instagram Twitter

日本酒のソムリエ唎酒師

 

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