うつろあきこ『宇宙屋台へおいでませ』の再現レシピ《肴は本を飛び出して㊺》
宇宙人たちの憩いの場所(屋台)を舞台に描くうつろあきこ先生の『宇宙屋台へおいでませ』より、地球でも作れるおつまみ2品を再現。家飲み大好きな筆者が「本に出てきた食べ物をおつまみにして、お酒を飲みたい!」という夢を叶える連載です。
おいしい肴と穏やかなママの笑顔に宇宙人も読者も夢中!
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宇宙の端っこの小さな星にある小さな「宇宙屋台」。
ここでは夜な夜な割烹着姿のママさんが、おでんやさまざまなおつまみを用意して客を迎えます。
訪れるのは、トカゲのようなビジュアルのポストマン・しゅうぞうさん、抽象的な象のようなチェリスト・エレ氏、銘菓職人のカエル・どろ田さん、珍しく人間ぽい形をしたヒゲ田さんなどなど、珍キャラクター揃いの常連をはじめとする宇宙人たち。
うつろあきこ /小学館『宇宙屋台へおいでませ 2番星』第27夜より
©うつろあきこ/小学館
バレエ教室で仲良くなったヒゲ田さんとどろ田さん。
うつろあきこ /小学館『宇宙屋台へおいでませ 2番星』38夜より
©うつろあきこ/小学館
ウサギちゃんと雲さん(?)が隣り合わせて飲む夜もあります。
一話完結なので絵本のような読み心地でスイスイと目に入ってくるのもうれしい。悩み事があったりして眠れない夜、何度もこの漫画に救われました。
ちなみに今回ご紹介するのは全2巻のうちの2巻目。これだけ読んでも話はわかりますが、1巻も癒しがてんこ盛りなのでぜひセットで読まれることをおすすめします。
うつろあきこ /小学館『宇宙屋台へおいでませ 2番星』40夜より
©うつろあきこ/小学館
チェリストのエレ氏は重鎮なのにどこかおマヌケさんで憎めないキャラ。
うつろあきこ /小学館『宇宙屋台へおいでませ 2番星』49夜より
©うつろあきこ/小学館
セクシーな占い師の切ない恋物語も。
さらに魅力的なのがおつまみのラインナップ。
フキ味噌にカラスミ、ふんわり甘い玉子焼き、わけぎの酢みそあえなど渋めの酒場メニューから、マッシュルームのオイル蒸しや白トリュフのココット焼きなんて洒落た一品までが物語の端々に登場します。
このへんは地球でも食べられるものですが、宇宙イカのあぶり、宇宙南蛮、星イモ煮、メアカ星産のイサキなどは宇宙屋台だけのもの。ああ、どんな味なんだろう宇宙南蛮。
漫画の中では料理の詳細がほぼ描かれていないため、想像力をかき立てられてより憧れが募ります。ああ、行きたいなぁ宇宙屋台。
『宇宙屋台へおいでませ』ここを再現
珍客中の珍客、「見えないお客さま」(透明人間)のオーダーを再現します。
うつろあきこ /小学館『宇宙屋台へおいでませ 2番星』35夜より
©うつろあきこ/小学館
ご注文は「ちょっとぬるめのあつかん」と「めんたいこ玉子焼き」。そして、瓶の中に入っていた「みょうがの甘酢づけ」。
注文が揃ったところで、彼は見えなくなっていった時のことを語ります。
「私だってはじめから見えなかったわけじゃございません」
うつろあきこ /小学館『宇宙屋台へおいでませ 2番星』35夜より
©うつろあきこ/小学館
うつろあきこ /小学館『宇宙屋台へおいでませ 2番星』35夜より
©うつろあきこ/小学館
◾お品書き
- めんたいこ玉子焼き
- みょうがの甘酢づけ
『宇宙屋台へおいでませ』再現レシピ①┃めんたいこ玉子焼き
・卵…2個
・明太子…40gほど
・だし醤油…少々
<作り方>
① 卵をボウルに割り入れ、白身を切るように混ぜる。だし醤油少々を加える。
※甘めが好きな場合は砂糖でどうぞ。
② 卵焼き器を熱して①の1/3量を流し込み、半分より手前に明太子を横に並べて置く。
③ 手前から明太子を巻き込むようにして焼き、筒状になった玉子を奥に寄せる。
④ 空いたスペースと②の筒状玉子の下に残りの卵液の1/2量を注ぎ、奥から手前に巻く。これを2回繰り返す。
■食べてみました
玉子と明太子。間違いなさすぎる組み合わせです。
うっすら味のついたふんわり玉子に、ちょいヒリッとした明太子。合いますなぁ。
しかし私は明太子を欲張りすぎました。
最近重宝している皮なし明太子(氷川きよしさんが載ってるパッケージのやつ)を使うと、ひと腹分の量がわからないのでついたっぷりとのせてしまったんですね〜。おかげでカットする時に端からぷにゅっと盛り出てきました。写真の右端のひと切れです。
はみ出た明太子だけをちびりちびりとつまみながらぬる燗をやるのもゴキゲンだったので、結果はオーライでございます。
『宇宙屋台へおいでませ』再現レシピ②┃みょうがの甘酢づけ
・みょうが…好きなだけ
・甘酢または市販の合わせ酢的なもの…適宜
<作り方>
① みょうがは食べやすく縦に切り、耐熱容器に入れて電子レンジで好みの食感になるまで加熱する。
※私の場合は500wで40秒。
② ①が熱いうちに甘酢をひたひたに注ぎ、そのまま冷ます。
※甘酢を自作するのが面倒だったので市販の合わせ酢を使いました。簡単すぎるのでおすすめ!
■食べてみました
加熱後にお酢を加えると見る見る赤く染まっていくみょうが、かわいいったらありません。
まるで酒飲みのほっぺのよう。
シャキシャキの食感が快く、後に残る酸味が暑いこの時期にぴったりです。
ちょっと甘みのある純米酒ぬる燗にもよく合いました。
***
とてもいい並びの2品でした。
うす谷さん、アテのセンスいいですねぇ。一緒に飲んでみたいな。そして私も透明人間になってみたい。どんだけお腹が出てもバレないから…。
人類が宇宙へ行くこの時代。遠くない将来、もしかして本当にあるかもしれない宇宙屋台へ行ける日を夢見ています。
※記事の情報は2023年7月4日時点のものです。
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