「東京どぶらぶフェスタ2023」イベントレポート
10月26日の”どぶろくの日”に、どぶろくを愛でる会が「東京どぶらぶフェスタ2023」を開催しました。満員御礼だった今回は、3人のどぶろく生産者を国内外から迎えての講演、そして唎酒師のリードで10種類のどぶろくをテイスティングしました。その様子をお届けします。
主催者は「どぶろくを愛でる会(愛称:どぶらぶ)」
この会は一般メンバーを広く募集してどぶろくセミナーを開催するなどしていますが、活動をリードする6人のアンバサダーがいます。漫才師 にほんしゅのあさやんさん・北井一彰さん、アサノノリエさん、シンディさんの4人は国内でどぶろく情報を発信し、今回のイベントの運営をサポート。また、ハッセー更香さんはスペインで、ジャスティン・ポッツさんはアメリカでそれぞれ活動中です。ちなみに私はどぶろくスーパーバイザーとして、彼らをサポートしています。
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近年はどぶろくへの関心が高まっているようで、今回のイベントも参加費は5500円(税込み)と安くはないにもかかわらず、80名の定員がすぐに埋まりました。
シンガポールのどぶろくワークショップを報告
自家醸造が認められているシンガポールでは、自由にどぶろく造り楽しむことができます。自分で造ってみると座学で聞いていた麹や酵母の働き、原料の配分、発酵管理などの知識が身体に滲みこんでいきます。そして、どぶろくを造るのは容易ですが、おいしく造ることは難しく、さらに毎回おいしく造ることはとても難しいことがよくわかります。シンガポールでもほとんどの方が、ワークショップに参加して日本酒の理解が深まったと言うそうです。
農家どぶろくの名杜氏「どぶろく鬼ババァー」佐藤則子さん
佐藤さんは酒造りを学ぶために日本酒の2大産地である兵庫県の灘(西宮市・神戸市)と伏見(京都市)の酒造技術者に指導を仰ぎ、それぞれの技法でのどぶろく造りを習得しました。百貨店の物産展や各地で開催される京都物産展にまめに出店してアピールしていくと、少しずつファンが増えていきました。
すぐに酒造りの腕も上がり、どぶろく農家のコンテスト「全国どぶろく研究大会」では、上位入賞の常連となっています。 この日は試飲用に予定していたレギュラー商品2点と、サプライズで京都のオリジナル酵母を使った新バージョンをお披露目してくれました。
ちなみに佐藤さんは、今年、自宅を改装して民泊を始めたそうです。割烹さとうのおいしいお食事とどぶろく「鬼ババァー」を思う存分楽しんで、そのまま泊まることができます。
クラフトサケで独立を目指す
クラフトサケブルワリーは、どぶろく製造に必要な「その他の醸造酒製造免許」で営業し、オーソドックスなどぶろくだけでなく、ホップやフルーツなどを使った酒を造っています。木村さんはオリジナルの味わいを模索して、社長と相談しながらさまざまな新作づくりに挑戦しているそう。歴代醸造長はみなさん独立してクラフトサケブルワリーを開業しました。近い将来木村さんが初の女性クラフトサケブルワーになるかもしれません。
今回用意された木村さんのどぶろくは、定番商品の「ハナグモリ」と「大人のネクター桃濁酒」の2点です。
どぶろく11種類を飲み比べ、味わいはさまざま
乾杯の「十二六」から始まって、「どぶろく鬼ババァー」と木花之醸造所のまでで計6点、プラカップ30~40mlずつとはいえ、日本酒に換算するとちょうど1合くらいで、ほろ酔いのいい気分のところです。
全国に約40ヶ所あり、祭りや神事用に氏子たちが造りますが、おいしいどぶろくにするために近隣の酒蔵がサポートしていることも多いのだとか。中には1000年以上の歴史を持つものもあるそうです。
記事の情報は2023年12月7日時点のものです。
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