「三井物産流通グループ フードショー2024」で見つけたイチ押しの酒
春から初夏にかけては酒問屋の展示会が多い時期です。「三井物産流通グループ フードショー2024」では、おつまみやビール、RTDを取材しました。特に新鮮だったのは、伝統的なベルギービールに新しい商品が登場していたことです。伝統は革新の連続とはよくいったものですね。
これはおいしい! 生ハムのような鰹節
「これは酒の肴になるね。簡単に出せるからバーで喜ばれるんじゃないかな」と感想を伝えると、「先ほどの方も同じことをおっしゃっていました」とスタッフさん。燻香があるのでピートをアクセントに使ったウイスキーに馴染むでしょう。強い旨味は日本酒や本格焼酎ともよく合うはずで、燗酒か麦焼酎のお湯割りで試してみたい一品です。
この秋、「シメイ ホワイト」ビールに缶が登場
「シメイビール」は複数のボタニカルを使う秘伝のレシピで、シャンパンのように瓶に詰めてから中で炭酸発酵させる瓶内2次発酵で造られます。味わい深いオリジナルの「レッド」、クリスマス用に開発された「ブルー」はさらにリッチな味わい、そしてシメイ侯爵国建国500周年を記念して1986年に誕生した「ホワイト」の3つが長く定番でした。
5つのシメイビールのなかで私が一番好きなのは「ホワイト」です。ビアスタイルは「トリぺル(Tripel:3倍)」というアルコール度数の高いエールです。オレンジがかった濃いブロンド色、ホップの香りが豊かでドライ、かつアルコール度数は8%でドシンと来ます。
驚いたのはこの「ホワイト」に缶ビールが登場したことです。容器に詰めてから二次発酵させるので缶製品は難しいと思っていましたが、10月になんと「シメイ ホワイト缶 330ml」が発売されるのことになりました。
ランビック&エールビールの「リンデマンス・タロット」が登場
リンデマンス社は世界中にフルーツビールを輸出し、ランビックのメーカーとして広く知られています。今回、同社から登場した「タロット」シリーズは、ランビックとエールビールをブレンドして、さらにフルーツを加えた新しいタイプのビールです。
2年前にリンデマンス社を訪ねた時に、創業200周年となる今年、隣のゴイック村に新しくエールビールの醸造所を稼働させると話していました。そこで造ったエールビールを使って、これから新しいスタイルのランビックビールが続々と登場してくるのでしょう。
「バラデン」は缶とコーラがおもしろい
「バラデン」の特徴は斬新な商品開発とおしゃれなデザインです。缶製品はカラフルでポップです。しかも缶蓋はフルオープンです。同じフルオープン缶でも泡立ちを重視した「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」とは違い、「バラデン」はビールの香りを楽しむためのフルオープンです。
さらに「バラデン」で注目したいのはコーラです。ナチュラルな素材を使った微炭酸のエレガントな味わいは、ノンアルコールの日にビールやチューハイの代わりに飲むのにもおすすめ。甘さを抑えているので食事と一緒に楽しめます。
地ビールのパイオニア「エチゴビール」30周年
ひとつは日本の地ビール第1号「エチゴビール」です。規制緩和でビールの最低製造数量が60キロリットルに引き下げられたのは1994年。各地にブルワリーが誕生し「地ビール」と呼ばれてブームとなります。その先陣を切ると同時に、各地に土地に根付いたブルワリーがもつビール文化の豊かさを説いたのがエチゴビールでした。
あれから30年。現在のクラフトビールにつながる原点のビールを、今、あらためて味わってみてはいかがでしょうか。
渋いロングセラー「宝焼酎のお茶割り」再発見!
アルコール度数が4%と低いのもうれしいところで、2缶飲んでも9%のストロングチューハイ1缶分よりアルコール摂取量は少ないのです。アルコール度数の低いチューハイは甘くないものはないと思っていましたが、期せずしてこの商品と出会い、長い付き合いになりそうだと思うこの頃です。
※記事の情報は2024年8月8日時点の情報です。
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