チーズと日本酒の相性を検証。ぜったいハマる組み合わせはコレ!

日本酒と発酵フレンチのお店「SAKE Scene〼福」を経営する日本酒ラヴァー、簗塲友何里(やなば ゆかり)さん。今回はチーズと日本酒のマリアージュ!

ライター:簗塲友何里簗塲友何里
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日本酒に合うおつまみとして、最近人気になりつつあるのが、チーズです。私は日本酒もチーズも大好きですが、それは同じ発酵食品であり、共に旨味が感じられるからです。白ワインの5倍ほどアミノ酸が含まれている日本酒は、チーズと一緒に食すことで、旨味と旨味の相乗効果により、とても美味しい「口内調理」ができあがります。チーズとワインと合わせるのも良いのですが、たまには日本酒と合わせてみてはいかがでしょうか?

さて、チーズと言っても様々なタイプがあります。私が経営する発酵フレンチと日本酒のマリアージュのレストラン、SAKE Scene 〼福でお出ししているチーズの盛り合わせを例に、それぞれどのような日本酒が合うか検証してみました。

白カビタイプには〈すっきりしつつ旨味を感じるお酒〉

白カビタイプのチーズ
まずはカマンベールチーズで有名な白カビタイプ。カマンベールチーズより古い歴史を持つ「ブリ ド モー」と合わせました。

おすすめは、旭日酒造(島根県)の「十旭日(じゅうじあさひ)27BY 改良雄町」です。こちらの日本酒は、生酛造りのしっかりとしたタイプの日本酒ですが、基本はすっきりとしながらも2,3年熟成していることでの旨味と米の味わい、まろやかな感じのする日本酒です。ブリ ド モーの上品な味わいと、懐の深い丁寧に仕上げた日本酒がとてもマッチしました。白カビ系で中がトロっとした熟成のチーズには、辛口ですっきりしながらも米の旨味を感じるタイプの日本酒が合います。
十字朝日

ミモレットには〈フルーティーな純米吟醸〉

ミモレット
次は「ミモレット」です。オレンジ色をしたセミハードタイプのチーズ。

当店では2から6カ月熟成をお出ししています。 おすすめは純米吟醸の少々吟醸香を感じる、爽やかで少しフルーティーでありながら、米の甘味を感じるタイプです。ミモレットの鼻腔かすめる優しいヨーグルトのような香りが、純米吟醸のフルーティーな香りと合いました。具体的には、宗玄酒造(石川県)の「宗玄 限定の純粋無垢 生酒」や、新谷酒造(山口県)の「わかむすめ 薄花桜」がおすすめです。
宗源 限定の純粋無垢 生酒
若娘

ブルーチーズには〈熟成感やコクのあるお酒。極甘口も合う〉

ブルーチーズ
さて、「ブルーチーズ」はどうでしょうか。当店では、少しクリーミーなタイプの「フルムダンベール」をご提供しています。滑らかなクリーミーさと、ブルーチーズの濃厚なコクとクセがたまらなく、日本酒とも相性ピッタリ。

こちらには、川西屋酒造店(神奈川県)の「丹沢山 純米吟醸 ひやおろし」と、笹一酒造(山梨県)の「旦(だん)山廃純米 26BY」が良く合いました。丹沢山のひやおろしは、半年ほど寝かせた、人気のお酒です。円熟したしっかりとした旨味が、ほどよい熟成感と、純米吟醸の軽やかさとバランス良く共存する、ゆるゆると飲み続けられる味わいです。「旦 山廃純米 無濾過生原酒 26BY」のほうは、かなり濃厚な味わいです。ブルーチーズの濃厚さにも負けない、パンチのあるコクと熟成した旨味や甘味が感じられるお酒です。少しキャラメルのような香ばしさも感じます。また、変化球で、極甘口の日本酒と合わせるのも良かったです。
丹沢山
旦(だん)

ケソ マンチェゴには〈ボリューム感と旨みのあるお酒〉

ケソマンチェゴ
最後は、スペイン産の「ケソマンチェゴ」です。ハードタイプの、噛めば噛むほど口に広がる旨味。お燗酒に合わせたくてうずうずします。アルコール感を感じるボリュームがある味わいの日本酒が良い相性でした。

おすすめは、大矢孝酒造(神奈川)の「昇龍蓬莱(しょうりゅうほうらい)生酛 原酒 阿波山田錦77」です。原酒ながらもまろやかな味わいで、旨味たっぷり。ケソマンチェゴと合わせることで、さらに奥深い味に変化します。

チーズとお燗酒もバッチリ!

今回は、温度違いについては触れていませんが、日本酒は温度を上げることで、味わいも香りも大きく変化します。チーズには、円熟した味わいの日本酒があうので、お燗映えする日本酒が多いです。ぜひそれぞれのチーズに様々な日本酒を好きな温度で合わせてみてください。自分好みを追及し甲斐がある、チーズと日本酒の組み合わせをお楽しみくださいませ。

※記事の情報は2018年10月24日時点のものです。
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