フランス人が楽しむ「アペロ」とは? 定番おつまみはこれ!
夕食前に軽く一杯&おしゃべりを楽しむフランスの習慣「アペロ」。仕事帰りに仲間と一杯、レストランへ行く前に待ち合わせのカフェで一杯ってのもありますが、今回は自宅に友人をお招きしたときのアペロと、定番おつまみのお話を。
アペロって何?
フランス人は食べるのも好きですが、とにかくおしゃべりが大好き。アペロの間もノンストップおしゃべりで、日本人の感覚からすると思いのほかアペロは長時間。
フランスに住んで間もないとき(約5年の在住経験アリ)、夕食に招かれ、お腹をすかしてでかけた私。当然、まずはアペロです。すきっ腹だし、この後ディナーもあるし、お酒もおつまみも控えていたところ、待てど暮らせど「食事」が出ない。この人たち、食事する気あるんやろか…。本当に夕食に招かれたんだろうか…?と自分のフランス語力を疑い不安に過ごすこと2時間。夜9時にやっと夕食スタート!なんてことも。かと思えば、ついに夕食が出てこなかったことも。それだけ、フランス人はアペロ好きってことでしょうか。
アペロで楽しむお酒は?
地方によってもいろいろで、ホームステイしていたノルマンディ地方では、りんごが特産とあって、りんごの微発泡酒のシードルがよく出てきました。シャンパーニュ地方に住んでいたときは、当然シャンパンです。パーティーのフォーマル度を問わず、どこへ行っても最初から最後までシャンパンでした(幸せでした)。
アペロの定番おつまみは?
とはいえ、あなどれないのがフランスのスナック菓子。味が濃い。つまり、お酒に合う! 4分割されたトレーに4つの味のスナック菓子が入ってるアソートタイプは、どのアペロでもたいてい出てくる人気アイテム。私が好きだったのは、チーズ味のスナック。さすがフランス、チーズ濃度がものすごかったです。
そのほか、サラミとか、ナッツ系の乾きものも定番。ちょっとしゃれたアペロだと、日本でいう「タラモ」的な、たらこ入りディップなんかも出てきました。これは「タラマ」という商品名でどこのスーパーにも売っています。
フランスで覚えたおつまみレシピ
大根カナッペ
ノルマンディでホームステイ中によくでてきたアペリティフの友。まず驚いたのは、フランスの大根は皮が真っ黒で、中はトウが立ちまくった感じ。これ食べるの?と引き気味に見ていると、ホストファミリーのお母さんは、皮をむいて輪切りにして、厚切りバターを乗せて塩をふりました。え!マジで!とさらに引いて見ていると、ゲストそろって「そうそう、コレコレ」と言っておいしそうにぱくぱく。
味はというと、意外といけます。白ワインと合います。日本で再現するなら、白い大根ではなくラディッシュがおすすめです。
生ハムのバター巻
全フランス人が好きだと思われる定番おつまみ。フランス人はハムが大好き。マルシェにはいろーんなハムが並んでいるし、ワインバーの定番おつまみといえばプラトー・シャルキュトリー(ハム盛り合わせプレート)。ハムとワインだけでもいけますが、ここにも厚切りバターを! ハムでバターをくるりと巻いて口に入れると、最高のマリア―ジュ! そこへワインを流し込むとたまりません。ただし、バターは絶対無塩で。フランス語ではコルニッションという、ピクルスをはさむとまたよし。白でも赤でも間違いなしのワインのアテです。
スイカのサラダ
これもノルマンディのお家で習ったおつまみ(というか、前菜としてよく出てきました)。白ワインにぴったりの夏の一品です。スイカを丸いスプーンでくりぬいて、フレンチドレッシングであえるだけ。日本では、スイカはデザートなのよ…って言うと、フランス人から「そんなのあり得ない」って言われました。スイカは野菜なんだそうです。
サバマスタード缶の再現レシピ
海外の缶詰はパッケージがとっても可愛いのですが、フランスの缶詰も洒落たものが多く、よく日本へのお土産に買っていました。パッケージだけでなく、中味も独特だったのが、サバマスタード(マックロ-〈サバ〉・ア・ラ・ムタール〈マスタード〉)。茹でたじゃがいもとソースごと混ぜてサラダにしたり、グラタンにしたりします。
私がよく作っていたのは、サバマスタードに刻んだトマトとエルブ・ド・プロヴァンス(プロヴァンスのハーブミックス)を混ぜてオーブンで焼いたもの。白ワインとの相性が抜群です。残念ながら日本にはサバマスタードはありませんが、実はサバ缶でも同じような味になることを発見!
カリっとトーストした薄切りバゲットに乗せて食べるとおいしいです。
材料
- トマト 小1個
- サバ水煮缶 1缶
- マスタード(ディジョンマスタード) 大さじ4
- エルブ・ド・プロヴァンス(もしくはバジル) 適量
作り方
- トマトは角切りにし、サバの水煮缶は水気を切る。
- ボウルで1、マスタード、エルブ・ド・プロヴァンスを入れてざっくり混ぜる。
- 2を耐熱容器に入れて、表面に焦げ目がつく程度にオーブントースターで焼く。
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今回はフランス生活で経験した、カジュアルなホームアペロについてご紹介しましたが、もちろん、手の込んだカナッペやピンチョスが並ぶゴージャスアペロもあります。そのスタイルは千差万別。フランスのよいところは、自分は自分のスタイルで楽しむところです。そこはフランス人にならって、自分なりのジャパニーズ・アペロスタイルを見つけてみてください!
※記事の情報は2020年7月29日時点の情報です。
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