せいろ1つあれば、おつまみ蒸し放題天国ってご存知でしたか?
なんとなく料理上級者が使うイメージのある蒸籠(せいろ)。いえいえ、実は日々の家飲みでこそ活用すべき、とってもお手軽な時短調理アイテムなのです。今回はせいろ歴20年以上の家飲みライター泡☆盛子さんにせいろの使い方と選び方、色とりどりで美味しい「せいろおつまみ」3品を教えていただきます!
実は手間いらず! せいろを家飲みで活用しよう
「見たことはあるし知っているけど、使ったことない」「なんだかハードルが高そう」なんて声もありますが、実はせいろって家飲みにぴったりなんです。
その理由は……
① 1つの道具でいろんな食材を同時に調理できる
② せいろごとお皿にのせて食卓に出せる
③ 蒸した食材は冷めても美味しいのでゆっくりとつまめる
④ 使用後は拭くor軽く洗うだけでOK。お手入れ簡単!
⑤ なんだか丁寧な暮らしをしている気分にひたれる
です!
これはせいろ使用歴20年以上(ただし月に1〜3回レベル)の私が実感していること。5つの理由に少しずつ補足をさせてください。
①1つの道具でいろんな食材を同時に調理できる
肉、魚、野菜、加工食品とほとんどの食材を蒸すのに使えます。水気の多いものや調味料に漬けたものはお皿やクッキングシートにのせれば無問題。肉はフライパンで焼いて、野菜は鍋で茹で……などと作業が分かれないのがありがたい。蒸している間にじっくりとお酒の準備をしましょう。
②せいろごとお皿にのせて食卓に出せる
木でできたせいろは見た目がかわいいので、食卓でも違和感がありません。さらに熱々をキープできるのも嬉しいところ。
③蒸した食材は冷めても美味しいのでゆっくりとつまめる
科学的な仕組みはわかりませんが、水分を含むためか肉だって冷めても固くならずしっとりとした口当たり。熱々でも、冷めても、どちらも美味しく味わえるのは酒飲み泣かせですよね。
④使用後は拭くor軽く洗うだけでOK。お手入れ簡単!
「お手入れが大変そう」というイメージで敬遠している方。それは杞憂です。ズボラさには自信のある私でさえそう手をかけず20年以上同じものを使っているのですからご安心ください。
使用前には本体と蓋に水をかけて湿らせ、使用後は熱すぎないお湯で湿らせた布巾で拭くだけです。油分がついてしまったときはたわしやスポンジで軽く洗いましょう。洗剤を使用すると内部まで浸透してしまうため、使うのはぬるま湯だけで。
湿気が残っているとカビてしまうので、風通しのいい場所でしっかりと乾燥させてください。
⑤なんだか丁寧な暮らしをしている気分にひたれる
これはもう、そのまんまです。
「私、今、せいろで蒸したほかほかごはん(正確にはおつまみ)食べてる♡」と思うだけで、リネンの服をまとった蒼井優ちゃんの気分になれます。なれると思う。なれるんじゃないかな。なってみて。
せいろの種類と選び方
私が使っているのは杉製(たぶん)で直径15cm。ひとり分のおつまみを作るのにはちょうどいいサイズです。
鍋とせいろのサイズが合わない場合は、「蒸し板」を購入すれば解決!
せいろの魅力を語ったところで、いざ、おつまみを蒸していきましょう。今回は3パターンのせいろ蒸しおつまみをご紹介します。
<下準備>
前述のようにせいろは使用前に水で濡らしておきましょう。匂いやこびりつきを避けるために、底に白菜やキャベツなどの葉野菜、またはクッキングシートを敷くのがおすすめです。
前菜から〆までまとめてせいろ蒸し
・生玉子(殻をよく洗っておく)
・豆腐
・明太子
・豚バラ肉スライス(酒と塩をもみ込んでおく)
・レタス
・プチトマト
・ジャガイモ(小さめのひと口大にカット)
・いなり寿司
<作り方>
① 豆腐はおちょこなど深さのある器に入れ、上に明太子をのせる。
② クッキングシートにジャガイモを並べ、その上に豚バラ肉、レタス、プチトマトを並べる。
③ 隙間に生玉子といなり寿司を詰める。
④ 鍋に湯を沸かし、蓋をしたせいろをのせて強めの中火で8〜10分ほど蒸す。
前菜的おつまみの明太子豆腐、蒸し玉子、メインの酒塩蒸し豚&野菜、そして〆のご飯ものとしていなり寿司を全部まとめて蒸しちゃいます。これだけあれば、ひと晩じっくり飲めますよね!
今回はスーパーでも簡単に手に入るいなり寿司でやってみたところ大成功。お揚げや酢飯はふっくら、甘みや酸味がまろやかになり、みごとに“味上がり”してくれました。
いろんな調理道具やお皿を使わずとも、数品をおつまみにできるのは本当に便利! 明太子を蒸し玉子やジャガイモにのせたり、豆腐を肉の蒸し汁に浸してみたりのアレンジもやりたい放題です。〆のご飯ものはおにぎりや炊き込みご飯でもよさそう。ぜひ、まとめ蒸しでお好みのコース立てを楽しんでみてください。
春野菜とあさりのぎゅうぎゅうせいろ蒸し
・あさり(砂出ししておく)
・春野菜(そら豆、うるい、菜の花、スナップえんどう、蕾菜、うどなどお好きなもの)
<作り方>
① せいろの底に菜の花を敷き詰め、そのほかの春野菜(うるい以外)を並べてところどころにあさりを散らし、強めの中火で8分ほど蒸す。あさりの口が開きかけたらうるいを加えて1、2分蒸して完成。
目に優しい春野菜づくしです。シャキシャキ、ほくほく、ハリハリッとさまざまな食感とほろ苦さや甘みがせいろの中に大集合。うるいはすぐ火が通るので、最後に加えます。塩と溶かしバター(レンジで加熱し、醤油と黒胡椒をプラス)を添えていますが、まずは何もつけずに野菜そのものの味を楽しんでください。身体が目覚めるような美味しさですよ。
眼福、口福を兼ね備えたこの時期ならではのせいろ蒸し。小さな春をせいろに閉じ込めたようで、作っていて楽しかったです。あさりをホタルイカやタコに変えたりしても素敵かと。
コンビニ食材がせいろ蒸しで味わいアップ
・冷凍小籠包
・冷凍焼売
・冷凍ブロッコリー
・お惣菜ポテトサラダ
・お惣菜焼きいか
・白菜
<作り方>
① せいろの底に白菜の葉を敷き詰め、食材を適宜詰める。味が混ざらないよう、ポテトサラダと焼きいかの間も白菜で仕切りを作るとベター。
② 強めの中火で8、9分ほど蒸す。
おなじみのコンビニ食材も、せいろで蒸すだけでちょっと上等なおつまみに変身します。調理済みの切り身魚とサラダ用の野菜を組み合わせたり、おにぎりと唐揚げ、厚焼き玉子を一緒に蒸してお弁当風にしたりするのも楽しそうですよね。
***
今回の記事のための試作と撮影を経て、改めてせいろの便利さを再確認しました。最近はもう棚にしまわず、出しっぱなしですぐ使えるようにしています。
昨夜も仕事をしながら終わりの時間を逆算して、冷蔵庫にあったキャベツと白菜、菜の花、豚肉、チーズをせいろに詰め込んで蒸しました。で、終わるやいなやせいろを抱え込んでビールをクイーッとやっちゃったと。幸せ! 簡単に幸せになれた!
こんな風に、せいろ1つあれば間違いなく家飲みレベルは上がります。さぁ、共に迎えましょう。湯気の向こうにある幸せの時間を。
※記事の情報は2021年3月18日時点のものです。
- 1現在のページ