御徒町の食品スーパー『吉池』は家飲み好きの天国! 〜買って作って飲みましたスペシャル〜
東京は御徒町にある、鮮魚特化型スーパー『吉池(よしいけ)』をご存知でしょうか? 京都在住の筆者が先日、憧れの地である吉池を訪れ、お酒によく合いそうな食材をわんさか購入! ドカンと17種類のおつまみにアレンジして、吉池三昧の贅沢な家飲みを楽しみまくりました!
4年ぶりの上京の目的はいくつかあったのですが、そのラスボスとして最終日のメインに据えたのが、『吉池(よしいけ)』詣ででございました。
『吉池』とは、東京・御徒町駅からすぐの場所にある食品スーパーのこと。特に魚に特化していて、飲食店関係者が仕入れに来ることも多いのだそう。
<吉池公式サイト>
(ちなみに2〜8階のフロアにはユニクロ、GU、ユザワヤが入っています)
私が尊敬する東京の食いしんぼうさんたちが『吉池』をご用達にされているのを知って大いに気になり、Twitterの吉池アカウントをフォローしてみたらば、んまぁ毎日おいしそうなお魚情報が流れてくること黒潮の如し。
鮮魚から加工品、自社製のお惣菜、お酒などなど、見ているだけで鼻息が荒くなるラインナップに日々心騒がされ、上京の際は必ずやここで買い物をするぞと強く決意していたのでした。
いざ、憧れの「吉池」へ…!
まずは地下1階の総合食料品売り場から攻めます。
いきなり出迎えてくれたのは吉池名物の鮭コーナー。
産地や価格も様々な切り身に始まり、マツコさんも絶賛したという自社製鮭フレークに珍味、アラ、鮭醤油ほか、鮭にまつわるあらゆるものがここで手に入るのではという充実ぶり。なんでも北海道に自社工場があり、加工から販売まで一貫して行っているのだとか。
すごいのはこれがほんの1コーナーで、ほかにも海苔やじゃこなどの乾物、瓶詰め、全国のこだわり系だしの素、珍味、かまぼこ類をはじめ、書ききれないほどの品々がデパ地下顔負けの品揃えで並んでいるということ。そのどれもが、全国からの選り抜き商品なのだからたまりません。
お、私の大好きな「岩下の新生姜 」もありますね。嬉しいな。わー、「納豆菌」なんてのまである!
惣菜コーナーには立派なカキフライや天ぷら、寿司、弁当などがずらり。「海の幸 北海飯5点盛り」なる絶対おいしい弁当に激しく惹かれました。穴子重やあさりおこわもたまらんな〜。
だめだ、理性がぶっとびそう……。
目に入るもの全部ほしくなるんですけどーーー。
冷静に買い物しているご常連さんたちがうらやましいっ。「あ、あれ買い忘れたから明日また行こう」なんてのができるんでしょ? こちとら次はいつ来られるかわからないんすよハァハァ。
そんな荒ぶる心を抑えつつ、
・ある程度日持ちするもの
・私の住む京都ではなかなか手に入らなそうなもの
というふんわりした条件で、地下2階の酒類売り場、1階の鮮魚売り場も巡って買い物をしてまいりました。
鮮魚売り場には市場さながらの丸ごとの魚(高級魚からフナやゲンゲなどのレアものまで!)やサイズ展開の豊富なお刺身が大充実していて、いますぐ買い込んで目の前の公園で宴会をしたくなりましたが今回はスケジュールの関係で生ものは買えず。ううう。
そんな私のために(?)あるのが、『味の笛』というセルフ式の気軽な酒場。吉池のすぐお向かいです。
お刺身のほか、焼き魚や酒肴も色々あって楽しめます。買い物からのサク飲みコース、いいですね〜。毎週やりたい。
大いに後ろ髪を引かれつつ、重さを増したキャリーケースを引いて帰宅。
記念すべき「吉池」詣での戦利品は?
荒巻鮭に憧れているのですが一人暮らしではなかなか買えないためせめて頭だけでも。
② 塩皮くじら
くじらを自分で買ったことないな〜と思って。
③ 鮭明太
鮭フレークに明太子をミックスしているのだからおいしいに決まっているやつ!
④ 秋味山漬
「山漬」とは、「獲れたての鮭を浜で捌いて塩加工などを丹念に施した後、荒むしろの上に山積みし、塩がどの鮭にもまんべんなくまわるよう一昼夜ねかして上下を入れかえる昔ながらの製法」(公式サイトより)なのだそう。
スーパーで見かけるものより荒々しい感じの“天然っぽさ”に惹かれました。
⑥ 佐渡恵護
海藻の一種・エゴ草を口溶けのいいこんにゃくのように加工したもの。以前、佐渡島で食べてとても気に入ったつまみなので再会できて嬉しかったー!
⑦ 釜焼きのり
おいしい海苔が大好物なのです。全形の焼き海苔は在庫がたんまりあるためパラパラと使いやすそうなタイプにしました。
⑧ とろろ昆布
食品添加物不使用で、真昆布とがごめ昆布だけをストレートに味わえるのは貴重。
⑨ ほたて子っこ
ホタテ貝の卵と白子を干物状にしたもの。ザ・酒のつまみ! 商品名で検索してもあまり情報が出てこないので、なかなかのレアものではないでしょうか。
⑩ 留萌のとばせん
「北海道留萌高等学校 情報ビジネス科」と地元の製麺所がコラボした商品。鮭の「とば」を作る際に余った皮を利用したものだそうです。こういう話、好き。
⑪ 青海苔たたみいわし
ただでさえおいしいたたみいわしに青海苔までプラスされているなんて、なんという私得な一品! 即買い!
⑫ ゴロっと北海ホタテの焦がし醤油ふりかけ
これは吉池Twitterで見かけた時に「必ず買う!」と決めていたもの。商品名がパワーワードすぎるんじゃよ…。買っちゃうでしょ。
そしてお酒売り場では新潟や東北のカップ酒をまとめ買い。
『かわいいワンカップ手帖』というお気に入りのZINEの影響で、旅先でカップ酒を探すようになりました。
そしてかわいいのから一転してすごいやつ。
賞味期限は本日中とまだ余裕があるのにどうして半額に?
売り場の方に問うてみると、「これね、基本的に1日1個しか作ってないのよ(注文があればいくつでも作れるそうです)。売り切りたいから早めに安くしてるの。半額なら普通のおにぎり2個買うよりお得なんだから!(ニコッ)」とのこと。
やーん。めっちゃレアなやつですやん。買います買いますー。
自宅で重さを計ったらなんと1kg近く! すっご…。
カットしてみると、こう。
めちゃくちゃお値打ちでした。
そしてここからは吉池食材をふんだんに使った家飲みのご報告です。何せ大量に買い込んでしまったので、大食いな私でもひと晩では食べきれず。何度かに分けて楽しんだ「吉池食材おつまみ晩酌」の様子をご覧くださいませ。
吉池食材おつまみ晩酌 ~1晩目~
①焼き鮭(秋味山漬)
②塩鮭頭の粕汁
③茹で鮭(秋味山漬)
④佐渡恵護 酢味噌
⑤鮭明太と大根の重ね漬け
⑥蕪のゴロっと北海ホタテの焦がし醤油ふりかけ和え
⑦きぬかつぎ 鮭明太マヨ添え
締めとして…
⑧五色おにぎりの玉子チャーハン
さすがの看板商品! まず、身がふっくらしっとりとして食べるのが気持ちいい。文字通りサーモンピンクの身が大きくほろりとほぐれ、噛み締めるほどに味が出てきます。バーナーで炙った皮もパリッパリでむしろこっちお目当てでもいいかも。
この日飲んだのは、新潟・新潟第一酒造「越の白鳥」の本醸造。昔ながらの酒、といった感じの骨太な味わいが塩気の効いた鮭にジャストマッチ。昭和のお父さんの晩酌気分が味わえました。
吉池の塩鮭と、京都産の酒粕でシンプルな粕汁に。昆布などほかのダシを入れずとも味がしっかりあって、北国の冬の食卓にはこんな汁物があがっているのかなーなんて想像しました。
料理漫画『きのう何食べた?』でシロさんが鮭の切り身を茹でていたのを真似してみました。茹でることで塩味がマイルドになり、より食べやすい。冷めてもしっとり。花びらのようにはらりはらりと身が離れるのも快いものでした。
歯を使わずともとろりととけていくような食感。海藻の風味を楽しむためにまずはなにもつけずに味わいます。あーー、素朴で原始的で、じんわりとうまいっ。こういうつまみのよさ、若い頃にはわからなかっただろうな。それにしてもまた行きたいな、佐渡島。
思った通りまちがいない組み合わせ。生の大根が鮭明太子の塩気で少ししんなりするのもいい。しその爽やかさは欠かせないアクセントです。
今回作った中で一番の酒泥棒はこれでしたね。ポリポリとかじってカップ酒をツィー、を永遠に繰り返したくなりました。
ホタテの旨みと甘みがカブにしみてご馳走感がすごい。長く漬けすぎず、カブがポリッとするくらいで食べるのが好みでした。
ねっとり里芋にちょい辛みのある鮭明太子マヨが合うー! マヨネーズが両者をうまくつないでくれました。マッシュしてポテトサラダみたいにするのもよさそう。
締めにはおにぎりの1/4個分を使ってチャーハンを作りました。具の部分を取り分けておき、ご飯にあらかじめ生卵を混ぜてぱらりと炒め、最後に具の部分を加えて混ぜます。鮭に焼きたらこにイクラ。豪華な具があちこちに潜む贅沢なチャーハンでした。
吉池食材おつまみ晩酌 ~2晩目~
⑨くじらハリハリ鍋風
⑩焼き海苔入り玉子焼き
⑪ほたて子っこ炙り
初めて買った「塩皮くじら」。調べてみると、しっかりめに塩抜きして下茹でし、煮ものなどに使うとのこと。関西でくじらといえば、のハリハリ鍋風に水菜と合わせました。味付けは酒と醤油。塩皮はほんの少ししか入れていないのに脂っけのある旨〜いダシが出てびっくり。
汁物でお酒を飲むのが好きなのですが、この小鍋はまさにそのためにあるような一品。キリッとした飲み口の新潟・北雪酒造「北雪」がよく合います。小鉢にとった薄く脂の浮いた汁をちゅっと吸い、ひやの酒をグビリ。お次はシャキシャキの水菜で口をさっぱりさせ、もうひと口グビリ。寒さも吹き飛ぶうまさです。
塩と醤油少々で味付けしています。見た目はちょっとアレですが、海苔の香りがブワーッと広がるナイスなおつまみ玉子焼きでござんした。
パッケージには「スライスして」と書いてありましたが、ちょっと贅沢したくてざっくり割って頬張ってみました。噛み締めるほどに濃くなる魚卵の旨み。先日病院で「尿酸値がちょっと高めですね」と言われた記憶を振り払うようにして味わいました。
吉池食材おつまみ晩酌 ~3晩目~
⑫とろろ昆布湯豆腐
⑬とばせんのせオニオンスライス
⑭冷奴風クリームチーズ(鮭明太、たたみいわし)
大阪の酒場ではおなじみの、温めた豆腐にとろろ昆布をのせるスタイル。初めて食べたときはその相性のよさに感動しました。簡単にできるので普段から家飲みでも真似しているのですが、とろろ昆布がおいしいと一気に味上がりしますね〜。つけつゆを添えたものの使わなくてよかったくらい、とろろ昆布と豆腐だけで完結した味わいでした。
たたみいわしのパッケージに「クリームチーズにも合いますよ」的なことが書いてあったので試してみました。うんうん、こりゃいい感じです。たたみいわしの塩気とクリームチーズのほどよいねっとり感が合いますね。鮭明太もまた、言わずもがなの活躍ぶりでした。
この日のお酒は、新潟銘醸「長者盛」の長者カップ。食卓に赤色が欲しくて選んだのですが、これが正解でした。少し辛口で味の余韻はすっきり。魚介系に合うタイプで、たたみいわしや鮭明太といったひとくせある珍味たちをいいあんばいに引き立ててくれました。
オニオンスライスに天かす(揚げ玉)をトッピングするのが好きで、そこから連想したカリカリもののっけ。これまた大成功。というか、このとばせんがとてもおいしい! 生臭さが全くなくて、揚げてあるのにベタッとせず食感はどこまでも軽やか。思わず倍倍トッピングにしちゃいました。あー、もっと買えばよかった。そうそう、オニオンスライスにはセロリのスライスをミックスしています。カイワレでも合いそう。
吉池食材おつまみ晩酌 ~4晩目~
⑮たたみいわしのパスタ
⑯アーリオオーリオあらめ
⑰鮭明太ポテサラ
以前に『酒肴ごよみ365日』の再現レシピを紹介させもらったカメラマンユニット「カワウソ」さんの続刊『しみじみパスタ帖』に載っていたレシピを参考にしました。軽く炙ったたたみいわしと青海苔の香ばしさがシンプルなパスタに映えて、まさにしみじみとしたおいしさ。最初はパリッとしているたたみいわしがだんだんしんなりとして麺に絡んでいく変化も楽しいです。
洋風の献立に合わせて選んだのは、今回買った中で最もスタイリッシュなデザインのカップ酒、新潟・青木酒造「雪男」純米。米の甘みを感じるふくよかな味わいで、オイルを使ったパスタにもしかと寄り添ってくれました。パスタと日本酒、ありなんだな〜。
甘辛く煮ることが多いあらめを、パスタメインの献立に合わせてやや洋風に。洗って戻し、ニンニクで香り付けしたオリーブオイルで軽く炒めてからだし醤油で煮ふくめました。仕上げに黒コショウとオリーブオイルを少々。それでも磯の風味がしっかりと残っていたのはさすがです。
マジで使えすぎます、鮭明太。この日はレンチンのち裏ごしをしたジャガイモ(男爵)に混ぜ込みました。裏ごしは面倒ですが、ふわっふわ、なめらか〜な口当たりは手間をかけるだけの甲斐はあります。
***
いやー、楽しすぎます吉池晩酌。
北海道に青森、佐渡島、伊勢志摩など全国の味が一軒で買えるのは改めて最高すぎますね。
今度は1週間くらいキッチン付きの宿に泊まって吉池通いをしたいなんて本気で考えています。とりあえずはまだまだ残っている乾物でさらなるつまみを考えることにしましょうかね。
なお、この記事はライターの個人的な体験を綴ったもので、PR案件などではありません。ただただ、吉池に惚れた家飲み好きがいるというだけの話でございます。よろしくどうぞ。
※記事の情報は2023年2月27日時点のものです。
- 1現在のページ