白州蒸溜所がパワーアップ! 見学ツアーの内容や見どころ、限定ショップアイテムを現地レポ!

今年50周年を迎えたサントリー白州蒸溜所が10月2日にリニューアルオープン! 新たにできた施設の見どころやバージョンアップした見学ツアーの内容、お土産リストに入れたい限定ショップアイテムなど最新情報を現地からレポートします。

メインビジュアル:白州蒸溜所がパワーアップ! 見学ツアーの内容や見どころ、限定ショップアイテムを現地レポ!

白州蒸溜所はどんなところ?

白州の森
サントリー白州蒸溜所」といえば、シングルモルトウイスキー「白州」がつくられる場所。山梨県北杜市の豊かな自然の中にあり、同じ敷地内に併設された「サントリー天然水 南アルプス白州工場」も含めたこのエリア一体は「白州の森」と呼ばれています。

白州蒸溜所は1973年の竣工当時から「森林公園工場」という考え方のもと、自然との共生を最優先にしたウイスキーづくりを行ってきました。

そして今年50周年を迎えるこの蒸溜所では、現在、京都郊外にある山崎蒸溜所とともに大規模な施設改修が行われていて、このほどその第一期リニューアルが完了。いよいよ10月2日から一般公開されます!

白州蒸溜所へのアクセス方法は?

東京から白州蒸溜所へのアクセスは、JR特急「あずさ」を利用するのが便利です。最寄りの小淵沢駅までは新宿駅から約2時間。

小淵沢駅から白州蒸溜所までは無料シャトルバスが運行。あるいはタクシーに乗って、10分ほどで到着します。
駅前広場の馬のモニュメント
“馬のまち”としても知られる小淵沢。駅前広場では馬のモニュメントがお出迎え

どこが変わった? 白州蒸溜所のリニューアルポイント

白州蒸溜所では、2024年にかけて下記の4施設がリニューアル。「LIVE!」をコンセプトに、訪れる人が白州の自然とそこでのものづくりを五感で体感できるような工夫が色々と施されているそう。

4施設のうち2023年10月から楽しめるのは「ビジターセンター」と「セントラルハウス」。2024年以降は「バードサンクチュアリ」と「フォレストテラス(レストラン)」が順次完成予定とのこと。
 

■リニューアル施設①|ビジターセンター(2023年10月~)

「ビジターセンター」

「ビジターセンター」は、白州蒸溜所とサントリー天然水 南アルプス白州工場の共通の玄関。いわば“白州の森への入り口”です。見学ツアーの受付もここで行われます。ちなみにこの施設の建築資材には、南アルプスの山々の水を磨く花崗岩が使われているんだとか。
「ビジターセンター」案内板
施設に入ると、大きなジオラマ展示がお出迎え。白州の自然を描いたイラスト原画を立体的に表現したもので、すべて土に還るエシカル素材で作られているそう。
白州の森ジオラマ
ジオラマの野鳥
ジオラマの蒸溜所で働く人
白州の森に棲む動物や野鳥たち、蒸溜所で働く人々の姿まで一つひとつ細かく作り分けられていて、見ているだけでこれから巡る見学ツアーへのワクワク度が高まります!

ビジターセンターには両工場のギフトショップも併設されているので、先にお土産の目星をつけておいて、帰りにゆっくり購入するのもよさそうです。
ギフトショップ


■リニューアル施設②|セントラルハウス(2023年10月~)

セントラルハウス

「セントラルハウス」では、広々としたテイスティングラウンジを新たに開設。壁一面の窓の向こうには、白州の森が四季折々の姿を見せてくれます。
テイスティングラウンジ
ここでは「白州」ブランドのウイスキーを始め、「山崎」や「響」、希少な原酒などがテイスティングできます。ウイスキーを育む森の緑に包まれながら飲む一杯はきっと格別な味わいでしょう。

テイスティングラウンジはセルフサービス。発券機で気になるウイスキーとフードを注文してカウンターで受け取るスタイルなので、自分のペースでゆっくり楽しめそうです。
テイスティングラウンジ発券機

セントラルハウス内にもギフトショップを併設。
セントラルハウス内にもギフトショップを併設
オリジナルトートバッグやショットグラスなど、ここでしか買えない限定アイテムも豊富に取り揃えられています。また、白州蒸溜所限定ウイスキーの販売も計画しているそうですよ。
オリジナルトートバッグ
オリジナルショットグラス


■リニューアル施設③|バードサンクチュアリ(2024年4月~)

バードサンクチュアリ
「バードサンクチュアリ(野鳥の聖域)」は1973年に白州蒸溜所を竣工した際、野鳥たちが安心して暮らせる場所をと願い併設されたエリア。自然と調和しながらものづくりを行うサントリーの精神が息づく場所です。今回のリニューアルでは新たに遊歩道やバードブリッジが設置されます。

年間50種類もの野鳥が観られるというこの保護区では、「南アルプス天然水」のパッケージにも描かれているルリビタキやカワセミ、フクロウやオオタカなどの猛禽類、さらに運が良ければキジなどの珍しい野鳥も観察できるそう。

遊歩道には野鳥たちの声を聞くことができる集音機も。見かけたら耳を澄ませてみましょう。
集音機


■リニューアル施設④|フォレストテラス(2024年7月~)

レストラン予定地
2024年の夏には、新たにレストラン「フォレストテラス」も開業予定。「白州」をより美味しく楽しむためのペアリングフードが用意されるとのことで、こちらも楽しみですね!
 

「ウイスキー博物館」は、ほぼ以前のまま

白州蒸溜所のアイコン的建物である「ウイスキー博物館」は一部展示の見せ方を新しくしつつも、展示内容はほぼ既存のままとのこと。
ウイスキー博物館
シングルモルトウイスキー「白州」誕生の歴史や、中世から現代までの各種蒸溜釜など世界のウイスキー文化に触れる貴重な展示物が集められたこの施設、ウイスキーマニアなら必ず立ち寄りたいところです。

白州蒸溜所見学ツアーも刷新! 選べる2コース

見学ツアー
施設だけでなく、蒸溜所見学ツアーもバージョンアップ! 白州蒸溜所でのものづくりを“五感で体感”できる内容になっているそうです。有料の見学ツアーは下記の2コースあります。
 
①白州蒸溜所 ものづくりツアー(2023年11月~)
参加費:3000円
所要時間:90分
開催日:年末年始、工場休業日をのぞく毎日
対象:20歳以上
参加方法:予約抽選制
内容:
サントリーシングルモルトウイスキー「白州」が生まれるものづくり現場を見学し、その場所でしか感じられない香りや温度を五感で体感するツアー。テイスティングでは「白州」や希少な「モルトウイスキー原酒」、「白州森香るハイボール」を味わいます。見学ツアー後には「白州オリジナルテイスティンググラス」のプレゼントも。
 
②白州蒸溜所 ものづくりツアー プレミアム(2023年11月~)
参加費:5000円
所要時間:130分
開催日:月曜日・金曜日
対象:20歳以上
参加方法:予約抽選制
内容:
サントリーシングルモルトウイスキー「白州」ブランドが生まれるものづくり現場を見学し、その場所でしか感じられない香りや温度を五感で体感するツアー。グレーン製造設備や樽詰め作業など「プレミアム」ツアーでしか立ち寄れない製造エリアの見学、貯蔵庫内での特別なテイスティングを通して、白州蒸溜所ならではのつくり手のこだわりや、自然環境をじっくりと知ることができます。テイスティングでは「白州12年」や希少な「モルトウイスキー原酒」などを試飲。見学ツアー後には「白州オリジナルテイスティンググラス」と「グラスホルダー」のプレゼントも。

また、上記ツアーに参加せずとも、有料テイスティングやウイスキー博物館、ギフトショップなどは要予約で楽しむことができます。

【現地レポ】五感で楽しむ! 見学ツアーの見どころガイド

リニューアルオープンに先駆けて行われた取材会では、先に紹介した見学ツアーの一部を実際にガイドさんが案内してくれました(※実際のコースの順序や内容は変更される場合があります)。

まずはビジターセンターで受け付けを済ませ、緑の木立の中を散策しながら「蒸溜棟」へ。
緑の木立
頭上からは都心では聞かないような野鳥たちのさえずりが聞こえ、あたりの空気には森の香りに混じってサイロに貯蔵された麦芽の香りが漂っています。

ガイドさんによれば、白州の森は秋には紅葉、冬には雪景色、春には桜などの花々が楽しめ、それを目当てにこの蒸溜所を訪れるお客さんも多いそう。

蒸溜棟に到着しました。
蒸溜棟

中へ入って左側のパネル展示では、シングルモルトウイスキー「白州」に使う原料が紹介されています。「白州」の味わいの特徴である繊細で柔らかいスモーキーフレーバーのカギとなるピーテッド麦芽の現物も展示されていて、匂いを嗅いでみることも。
原料が紹介

さらに部屋の壁の中央には、製造工程を紹介するプロジェクションマッピングが。映像と音を駆使した解説で、原料がどのような工程を経てウイスキーになるのか知ることができます。
製造工程
製造工程を一通り掴んだところで、いよいよ実際のつくりの現場へ。

施設内部へと進むと、むわっとすごい熱気です。目の前には巨大な仕込槽。
麦汁を仕込む機械

小窓から中をのぞかせてもらうと、麦芽と水を攪拌(かくはん)して麦汁を仕込んでいる真っ最中。仕込みに使う水はもちろん、南アルプスの自然が育んだ天然水です。
麦芽と水を攪拌して麦汁を仕込んでいる様子

続いて隣にある発酵槽エリアへ。近づくと、少し酸っぱいような匂いが漂ってきました。
発酵槽
濾過した麦汁をこの発酵槽に移して酵母を加えることで、麦汁の糖がアルコールと二酸化炭素に分解されて「もろみ」がつくられます。世界の蒸溜所ではステンレス製の発酵槽を使うことが多いようですが、白州蒸溜所では保温性に優れた木桶の発酵槽を使うのがこだわりなんだとか。

さらにその先に進むと、仕込んだもろみを蒸溜するための大小さまざまな蒸溜釜(ポットスチル)が。金色に輝く銅製の釜が16基並んでいる景色は壮観です。
大小さまざまな蒸溜釜
向かって左が1回目の蒸溜を行う初溜釜、右側が2回目の蒸溜を行う再溜釜。白州蒸溜所では1回目の蒸溜を直火加熱で行っていて、その温度は1200度にもなるとのこと。シングルモルトウイスキー「白州」がクリーンな味わいでありながら香ばしさがあるのは、この直火加熱の工程が大きく影響しているそうです。

ここまでが蒸溜棟エリア。次に、蒸溜した液体(ニューポット)を木樽に詰めて寝かせるための貯蔵庫へと向かいます。
貯蔵庫
貯蔵庫に一歩入った瞬間、何とも言えない甘く華やかなウイスキーの香りとアルコール感。貯蔵庫に充満する空気を吸うだけで酔っぱらってしまいそうです。そして壁一面に樽、樽、樽。この樽は職人たちがバーボン樽を解体して組み立てたもので、ウイスキーメーカーが樽づくりまで行っているのは珍しいんだとか。

見学ツアーの締めくくりは、お楽しみのテイスティングタイム! 「白州蒸溜所 ものづくりツアー プレミアム」コースの参加者は、この貯蔵庫で「白州12年」やその構成原酒を、スタンダードコースの場合はテイスティングルームに移動して、「白州」や原酒を味わうことができます。つくりの現場を見たうえで飲むウイスキーは、美味しさもひとしおです。
テイスティングルーム

まさに五感を刺激されながら巡った「白州蒸溜所 ものづくりツアー」。この森の空気と水、ゆったりとした時間が「白州」というウイスキーを育むことを肌で知ることができました。ウイスキー初心者からマニアまで大満足すること間違いなしの内容です!

また、白州蒸溜所の見学ツアーは20歳以上が対象ですが、同じ敷地内にある「サントリー天然水 南アルプス白州工場」では子供も参加できる見学ツアーが用意されているので、家族連れでも楽しめます。この森で飲んだ水の美味しさを記憶に留めつつ、大人になって再びこの場所で「白州」を味わうのもきっと得難い体験となるはずです。

▶「サントリー白州蒸溜所」ホームページ

※記事の情報は2023年9月29日時点のものです。
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