【世界酒蔵ランキング2023】「伯楽星」「あたごのまつ」の新澤醸造店が連覇

世界酒蔵ランキングは国内外の主要な酒コンテストの成績をポイント化し、酒蔵を格付けするものです。世界には1000を超える日本酒の酒蔵がありますが、2023年のランキング第1位の座は、2年連続で新澤醸造店が掴みました。

メインビジュアル:【世界酒蔵ランキング2023】「伯楽星」「あたごのまつ」の新澤醸造店が連覇
世界酒蔵ランキング2023認定式は、12月11日(月)に学士会館(千代田区)で開催されました。格付けされた酒蔵にチェアマンの遊佐勇人と山田聡昭から認定プレートが授与され、さらにランキング第1位の酒蔵には社名を揮毫した記念の大盃が一年間貸与されました。

第1位 株式会社新澤醸造店(「伯楽星」「あたごのまつ」醸造元・宮城県)

今年第1位に輝いたのは新澤醸造店。獲得ポイントは唯一2000ポイントを超え、2位を大きく引き離して、2度目の栄冠を勝ち取りました。
蔵を代表して醸造部杜氏の渡部七海さんが認定プレートを受け取った
蔵を代表して醸造部杜氏の渡部七海さんが認定プレートを受け取った

「伯楽星(はくらくせい)」「あたごのまつ」を醸す新澤醸造店は、東日本大震災で全壊した蔵を、水質がよく水量も豊富な宮城県川崎町に移転し、大崎市に本社を残しつつ150年の歴史を重ねています。
酒造りに最適な環境を求めて震災後に蔵を移転
酒造りに最適な環境を求めて震災後に蔵を移転

1000円以下の「愛宕の松(あたごのまつ) 別仕込本醸造」から、Kura Masterで連続プラチナ賞を受賞した35万円の「零響-Absolute0-(れいきょう アブソリュート ゼロ)」まで、 香りを抑え、キレを重視しています。また、今年は酒蔵として「IWC Sake Brewer of the year」を受賞しました。
リーズナブルな晩酌酒から超高級品まで幅広い品揃え
リーズナブルな晩酌酒から超高級品まで幅広い品揃え

酒づくりでは、6台の精米機を駆使して、低精白の酒は扁平(へんぺい)精米に、高精白はダイヤモンド精米にするなど、商品に適した工夫を続けています。今後もコンセプトである「究極の食中酒」を追い求めていくことでしょう。
最新鋭の精米機を駆使して社員一同で「究極の食中酒」を追い求める
最新鋭の精米機を駆使して社員一同で「究極の食中酒」を追い求める

第2位 小西酒造株式会社(「白雪」「伊丹諸白」醸造元・兵庫県)

第2位は「山は富士 酒は白雪」のキャッチフレーズで親しまれてきた小西酒造です。 屈指の長い歴史を持つ酒蔵で、清酒発祥の地・兵庫県伊丹で創業474年を迎えました。
昨年の3位からひとつ順位を上げて第2位となった。認定プレートを受け取る小西新右衛門社長
昨年の3位からひとつ順位を上げて第2位となった。認定プレートを受け取る小西新右衛門社長

清酒銘柄「白雪」は、寛永12年、1635年に小西家2代目宗宅(そうたく)が江戸へ酒樽を運ぶ途中、雪を頂いた富士の気高さに感動し名付けたといわれています。

また、伊丹は2020年6月に文化庁より「『伊丹諸白』(いたみ もろはく)と『灘の生一本』(なだのきいっぽん)下り酒を生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷」として日本酒をテーマとしたストーリーでは初めての「日本遺産」に認定されました。
思想家として名高い頼山陽が揮毫した「白雪」の看板が遺されている
思想家として名高い頼山陽が揮毫した「白雪」の看板が遺されている
昔ながらの酒蔵の面影を残す小西酒造の長寿蔵。クラフトビールも醸造している
昔ながらの酒蔵の面影を残す小西酒造の長寿蔵。クラフトビールも醸造している
技術力・品質力の研鑽に励む
いつの時代もチャレンジを続け「誰も歩いていない道を行く。」を実践し、技術力・品質力の研鑽に励む

第3位 株式会社南部美人(「南部美人」醸造元・岩手県)

南部美人は1902年創業、今年120周年を迎えた岩手県二戸市にある酒蔵です。「品質一筋」の家訓を守りながら、南部杜氏の手造り技法と魂で「綺麗で美しい酒」を目指しています。

全国新酒鑑評会でも金賞を多数受賞、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門では2017年に「チャンピオンサケ」を受賞しました。
満面の笑みで認定プレートを受け取る代表取締役社長・五代目蔵元 久慈浩介さん
満面の笑みで認定プレートを受け取る代表取締役社長・五代目蔵元 久慈浩介さん
「品質一筋」の家訓を守り、南部杜氏の手造り技法と魂で「綺麗で美しい酒」を目指す
「品質一筋」の家訓を守り、南部杜氏の手造り技法と魂で「綺麗で美しい酒」を目指す
酒造りはチームワークと創意工夫
酒造りはチームワークと創意工夫。これはコンテストで好成績をあげる蔵に共通する
伝統的な酒造りを磨き上げるにとどまらず、生まれたてのフレッシュなお酒を届ける新技術「スーパーフローズン」の開発など、日本酒新時代に向けた取り組みにも挑戦しているのも南部美人の特徴です。

また、輸出にも積極的に取り組み、世界初のSAKEのヴィーガンの国際認定やNON GMOの国際認定など 現在は世界60か国で愛飲されています。久慈社長は「『世界中、日本酒で乾杯』を目指して、日本の伝統文化の旗手として日本酒の素晴らしさを伝えてまいります」と結びました。

5つ星トップ10のご紹介

●第4位 清水清三郎商店株式会社(「作」醸造元・三重県)
認定プレートを受け取る代表取締役 清水慎一郎さん
これまでにTOP3が4回、5年連続の5つ星獲得。認定プレートを受け取るのは代表取締役 清水慎一郎さん

●第5位 有限会社渡辺酒造店(「蓬莱」醸造元・岐阜県)
代表取締役社長 渡邉久憲さんが認定プレートを受け取った
5年連続5つ星を獲得、うちTOP3が3回と抜群の成績。代表取締役社長 渡邉久憲さんが認定プレートを受け取った

●第6位 八戸酒造株式会社(「陸奥男山」「陸奥八仙」醸造元・青森県)
認定プレートを受け取るのは常務取締役 駒井伸介さん
みごと5年連続で5つ星を獲得。認定プレートを受け取るのは常務取締役 駒井伸介さん

●第7位 平和酒造株式会社(「紀土」醸造元・和歌山県)
蔵を代表して醸造家の柿澤夏紀さんが認定プレートを受け取った
蔵を代表して醸造家の柿澤夏紀さんが認定プレートを受け取った

●第8位 株式会社外池酒造店(「燦爛」「望Bo」「外池AUTHENTIC」醸造元・栃木県)
4年ぶりの5つ星返り咲きを喜ぶ外池茂樹社長
4年ぶりの5つ星返り咲きを喜ぶ外池茂樹社長

●第9位 米澤酒造株式会社(「今錦」「年輪」醸造元・長野県)
蔵を代表して代表取締役社長の塚越英弘さんが認定プレートを受け取った
蔵を代表して代表取締役社長の塚越英弘さんが認定プレートを受け取った

●第10位 人気酒造株式会社(「人気一」醸造元・福島県)
代表して営業部副部長の田畑俊哉さんが5つ星認定プレートを受け取った
代表して営業部副部長の田畑俊哉さんが5つ星認定プレートを受け取った
 
5つ星10蔵がそろい踏み
5つ星10蔵がそろい踏み
世界酒蔵ランキング公式サイト

※記事の情報は2024年1月11日時点のものです。

  

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