国のブランド保護制度で指定! 伊豆諸島の島焼酎「東京島酒」が今熱い
今年3月に「東京島酒」が国税庁によって地理的表示(GI)指定され、国内外での知名度が急上昇しそうな伊豆諸島の島焼酎。東京都の地酒でもあり、他の産地にない魅力的なバックボーンがある島焼酎をご紹介します。
東京島酒GIとは?
本格焼酎・泡盛では「壱岐(麦焼酎)」「球磨(米焼酎)」「琉球(泡盛)」「薩摩(芋焼酎)」の4地域が指定されていましたが、今回、「東京島酒」が加わり5つになりました。
①地域範囲
・伊豆諸島(東京都大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅島村、御蔵島村、八丈島村、青ヶ島村)
②種類
・蒸留酒
③原材料
・芋類に国内で収穫されたさつまいものみを用いたものであること
・麹に麦のみを用いたものであること
・地域の島内で採水した水のみを用いたものであること
④製法
・地域内で発酵、蒸留及び貯蔵が行われていること
・原酒及び製品の貯蔵は常温で行うこと
・麦又は芋類、麹及び水を原料として発酵させたもろみを、 単式蒸留機をもって蒸留したもの及びそれらを混和したものであること
・伊豆諸島の島内で容器詰めすること
ちょっとわかりにくいですが、要は「麹は麦麹だけ」で、「国産のさつまいも・麦」と「伊豆諸島内の水」を使って、最初から最後まで地域内で製造した焼酎ということです。
ただし、伊豆諸島でつくられたものでも、規定以外の原料を使うなどした焼酎は、「東京島酒」を名乗れないことに注意してください。現在、伊豆諸島には焼酎メーカーが9社ありますが、さまざまな焼酎がつくられており、「東京島酒」に該当しないものもあります。
なぜ、今、東京島酒GIなの?
東京島酒は、2000年頃までは大部分が島内で消費されていましたが、島外から他の酒類が流入したり、島内の人口が減少したりして製造量は減少してきました。今後も人口の大幅な増加は見込めず、また、原料や資材の多くを島外から調達し、製品は船か飛行機で出荷するしかないため、コスト競争力はありません。
伊豆諸島の文化・歴史的な背景や自然環境の良さを生かし、魅力的なブランドに育てて付加価値の高い焼酎を目指すのは、有力な選択肢です。
東京島酒中心に14種類を飲み比べ
東京島酒をプラカップに満たして全員で乾杯した後は、来場した焼酎蔵が順番に挨拶しました。
伊豆諸島の肴と楽しむ
おつまみは、クサヤのほぐし身、八丈島のうみかぜ椎茸の焼き浸し、島唐辛子を効かせたスモークベーコン、明日葉バターなど伊豆諸島の特産品や郷土料理をアレンジしたものです。
ブースには蔵元が立ち、ソーダ割り、お湯割り、ストレートなど好みの飲み方で提供してくれました。寒い日だったこともあってお湯割りがうれしかったです。
※記事の情報は2024年4月4日時点のものです。
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