トニックウォーターとは? 味や炭酸水との違い、自宅で簡単に作れるカクテルレシピを解説!
カクテルの定番ジントニックなどで使われるトニックウォーター。その原料や味わい、炭酸水との違いとは? 知っていそうで意外と知らないトニックウォーターに関する知識から、自宅で簡単に作れるカクテルレシピについて解説します!
カクテル作りで重宝されるトニックウォーターの正体とは?
今回はそんなトニックウォーターの正体に迫るべく、世界中で人気のブランド「カナダドライ」を販売する日本コカ・コーラの森嶋さんにお話を伺いました。伺ったお話をもとに原料や味わいなどの基礎的な知識から、家飲みが楽しくなるカクテルレシピまで解説していきます!
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◇日本コカ・コーラ 森嶋健人さん◇
マーケティング本部スパークリングフレーバーズカテゴリーシニアブランドマネジャー。フレーバー炭酸&ジュース領域のブランド(ファンタやスプライトをはじめ、カナダドライ、シュウェップスなど)を担当。
トニックウォーターとは? 日本と海外で飲み方に違いがある!?
森嶋 トニックウォーターは、炭酸水の中に、砂糖、柑橘系のフルーツの果皮のエキス、香草のエキスが入っている清涼飲料水です。中でも、香草由来の苦みのあるエキスが入っているのが特徴です。
お酒との相性がいいので、日本ではカクテルの材料というイメージを持たれている方が多いかと思いますが、海外ではそれだけではないんです。
―そうなんですね。海外ではどのように飲まれているのでしょうか?
森嶋 ヨーロッパなどではお酒と割らずにそのまま飲まれることも多く、一般的な炭酸水やジュースと同様の感覚で楽しまれています。スーパーなどに行くと、多くの種類のトニックウォーターが並んでおり、日本より手軽に手に入るんですよ。
―カクテルにするだけでなく、そのまま飲んでも楽しめるんですね。
森嶋 ジュースのように甘すぎるのは嫌だけど、甘みがまったくない炭酸水だと気が進まない。そんな方に、トニックウォーターは普段使いの飲み物としてもおすすめです。それに実は食事ともよく合うんです。特に味が濃い料理との相性がいいんですよ。
―トニックウォーターの飲用シーンは幅広いんですね。
森嶋 はい。後味がお酒の味わいに近いので、休肝日などにお酒の代わりとして楽しむこともできるかと思います。
トニックウォーターはどんな味わい? 発祥・ルーツは?
森嶋 ほんのりやさしい甘さ、柑橘系のさわやかな酸味がある中に、特徴的な苦みが感じられます。個人的には、ほろ苦い後味が大人っぽい、深みのある味わいを演出してくれるように思います。
また、銘柄によって味わいはさまざまですが、例えば弊社から販売しているカナダドライのトニックウォーターは、シトラス風味でさっぱりしているので普段から飲みやすい味わいになっている一方、シュウェップスは、プレミアムラインとしてバーで使われることも多く、カナダドライより苦みが多い設計になっています。
その日の気分やシーンに応じて、お好みの銘柄を選んでいただいても楽しいかと思います。
―なるほど。好みの銘柄を選ぶ楽しみもあるんですね。ところで、トニックウォーターはいつ頃からあるのでしょうか?
森嶋 トニックウォーターのルーツについては諸説ありますが、「18世紀にイギリスの植民地だった熱帯地方で、医療用の飲料として開発された」という説が一番有力です。
キネという木があるのですが、そのキネの木から抽出できる成分「キニーネ」がマラリアなどの感染症に効くため、感染症の予防や治療として「キニーネ」が入った飲料=トニックウォーターが生まれたのではないかと言われています。
「キニーネ」は非常に苦みが強いという特徴があるので、私たちが今飲んでいるトニックウォーターに苦みを感じる香料(香草のエキス)が入っているのは、トニックウォーター誕生当初、「キニーネ」が入っていたことに由来しています。
トニックウォーターと炭酸水の違いとは?
森嶋 例えばレモンフレーバーの炭酸水であれば、炭酸かつ柑橘風味であるところはトニックウォーターと共通しています。ただ、レモンフレーバーの炭酸水は甘くないですよね。この甘みがあるかないかがトニックウォーターと炭酸水の主な違いです。
―甘みがある炭酸飲料というとサイダーもありますが、トニックウォーターとサイダーは何が違うのでしょうか?
森嶋 サイダーとの主な違いは苦みがあるかないかです。サイダーは、基本的に炭酸水に砂糖とフルーツ系の香料が入っていて、甘みが豊かなものが多いですが、苦みを感じる香料が入っていません。
また、トニックウォーターはお酒の割り材として使われることが多いので、お酒と割った時にも刺激が感じられるよう、炭酸が強めに設計されているというのも特徴です。
―独特の苦みや強めの炭酸があるからお酒とよく合うんですね。トニックウォーターと炭酸水を比べると、お酒を割った時にはどのような味わいの違いが生まれるのでしょうか?
森嶋 炭酸飲料ならではのスッキリとした味わいは共通していますが、やはりトニックウォーターは後味のほろ苦さが特徴的です。このほろ苦さがあることで、炭酸水でお酒を割った時よりも、口の中にほどよく残る余韻を楽しむことができます。そのため、大人っぽい味わいと表現されることも多いです。
トニックウォーターのカロリー・糖質はどれくらい?
森嶋 トニックウォーターは砂糖を含んでいるため、カナダドライ、シュウェップスともにカロリーは100ml当たり36kcal、糖質は9gになります。
●ブランド別 トニックウォーターのカロリーと糖質(100ml当たり)
銘柄 | カロリー | 糖質 |
---|---|---|
カナダドライ トニックウォーター |
36kcal | 9g |
シュウェップス トニックウォーター |
36kcal | 9g |
ウィルキンソン トニック | 38kcal | 9.4g |
フィーバーツリー プレミアム トニックウォーター |
30kcal | 7.4g |
【家飲みにおすすめ】トニックウォーターを使ったカクテルレシピ
自宅で簡単にできる、トニックウォーターを使ったおすすめのカクテルレシピを森嶋さんに教えていただきました!
トニックウォーターカクテルレシピ①|ジントニック
まずはカクテルの定番ジントニック。ジンの香りとトニックウォーターのほのかな甘みや柑橘系の酸味、苦みがよく合います。氷を入れたグラスに、ジン(45ml)とトニックウォーター(150ml)を注ぎステアする。最後にライム(1/10個分)を添える。
トニックウォーターカクテルレシピ②|ワイントニック
ワインがお好きであれば、白ワインをトニックウォーターで割って作るワイントニックがおすすめ。白ワインのフルーティーな香りや酸味と、トニックウォーターの柑橘系の風味がマッチします。また、トニックウォーターのちょっぴりビターな後味が、すっきり爽やかな味わいを引き立てくれます。
白ワインにトニックウォーターを6:4の比率で注げば完成。トニックウォーターを多めにすると、柑橘系の風味や炭酸の刺激が増し、より爽やかな味わいを楽しめます。
トニックウォーターカクテルレシピ③|カナディアンクーラー
赤ワインをオレンジジュースとトニックウォーターで割って作るのがカナディアンクーラー。オレンジジュースの甘みが赤ワインの渋みと調和し、トニックウォーターのほろ苦さが味全体を引き締めてくれます。サングリアの味わいに近く、ワインが苦手な方でも楽しめるカクテルです。
グラスにクラッシュドアイスを入れて赤ワイン(100ml)、オレンジ果汁(30ml)を注ぎ、トニックウォーター(70ml)で満たして軽くかきまぜる。最後にオレンジピール(適量)を絞りかけて、グラスの中に入れればアクセントのある風味に。
トニックウォーターカクテルレシピ④|レモンラッシュ
最後はお酒が飲めない日でも楽しめるノンアルコールカクテル。 トニックウォーターとレモンのシンプルなカクテルです。レモンを加えることで、柑橘系の爽やかな香りや味わいが一層引き立ちます。氷を入れたグラスに絞ったレモン果汁(1/4個分)とレモンの皮(1/2個分)を入れ、トニックウォーター(200ml)を注ぐ。
日本で手に入るトニックウォーターは? 定番の銘柄をピックアップ
ここでは、数ある銘柄の中でもお近くのスーパーや酒屋さん、ネットなどで比較的手に入りやすい、トニックウォーターの定番の銘柄をご紹介します。
●カナダドライ トニックウォーター
ジンジャーエールでおなじみのカナダドライブランドのトニックウォーター。カナダドライは100年以上の歴史があり、世界中のバーテンダーにも愛用されているブランドです。
ほどよく効いた苦味と、ほのかなシトラス風味が特徴で、ストレートでもスピリッツなどのお酒と合わせても飲みやすいトニックウォーターです。
●シュウェップス トニックウォーター
シュウェップスは、1783年に誕生した※炭酸飲料ブランドで、英国王室御用達のソーダメーカーとして認定を受けるなど、英国をはじめとするヨーロッパ地域を中心に、歴史と由緒あるブランドとして世界中で親しまれています。
ほどよい酸味、甘味、そして強めの炭酸で飽きのきにくい味わいが特徴で、ストレートはもちろん、ハードリカーとのミックスにも適した高品質のトニックウォーターです。
※日本コカ・コーラ社調べ
●ウィルキンソン トニック
100年以上の歴史があるウィルキンソンブランドのトニックウォーター。 すっきりとした苦みと、さわやかな酸味の絶妙なバランス、しっかりとした炭酸感が味わえるのが特徴で、直接飲むのにも割材にも適した本格トニックウォーターです。
●フィーバーツリー プレミアム トニックウォーター
2005年にイギリスで誕生した、プレミアムミキサー「フィーバーツリー」の代表的な商品。人工的な添加物を一切使用せず、アフリカのコンゴ共和国で栽培されている良質なキナの木由来の天然“苦み成分”が使用されています。
キナやビターオレンジ由来のコクのある苦みと優しい甘味が特徴で、お酒の味わいを引き立てるカクテル素材としてだけでなく、そのままソフトドリンクとしても楽しめるトニックウォーターです。
飲み方・使い方は人それぞれ! トニックウォーターをもっと楽しもう!
ぜひあなたもお好きな飲み物と組み合わせてみるなど、自分ならではの楽しみ方を探してみてはいかがでしょうか?
▼参考サイト
カナダドライ カクテルレシピ
※記事の情報は2023年6月22日時点のものです。
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