和食料理人が指南! コンビニ食材を詰めただけの豪華花見弁当《イエノミ歳時記②》
ついにお花見シーズン到来! 家飲み派の我らも外に飛び出して美しい景色とおいしいお酒を楽しもうではありませんか。その際に欠かせないのが花見弁当。酒飲みとしてのセンスの見せ所ですが、一から作るのってけっこう、いや、かなーりタイヘン。
(ピコーン!)
それなら、コンビニで食材を調達すればいいじゃない! でも、パックのまま持って行くのはいかにも寂しい……。ということで、今回はコンビニ食材を美しく盛り付ける方法を和食の料理人さんに習ってきました! 家飲みで見慣れた&食べ慣れたいつもの食材が、プロのアドバイスに従ってちょっと切ったり盛り付けに気を配ったりするだけで大変身しちゃいます。
今年の花見で注目を集めること間違いなしのコンビニ花見弁当はこちら!
基本編
デパ地下で買ったと言われても納得の本格的なお弁当になってますよね。
この方にお聞きしました
村上聡孝さん
京都・柳馬場三条の重厚な町家で、えりぬきの旬食材を使った和食と日本酒を提供する『馳走いなせや』(http://chisouinaseya.com/)の料理長。正統派の日本料理から、洋風のアレンジを取り入れた目新しい料理までを幅広く手がける。
●使用した食材
- 味付きゆで玉子
- 焼き鳥缶(うずらの玉子入り)
- 野菜スティック
- スモークタン
- さきいか
- 筑前煮
- だし巻き玉子
- さわらの西京焼
- 肉団子
●下準備
- 筑前煮など加熱が必要なものはパッケージの表示通りに加熱して皿に写し、しっかりと冷めてから使う。
- 汁気のあるものはザルなどにあけて汁気を切っておく。
●器、小物(すべて100均で調達したもの。)
- ミニ重箱(キャンドゥ)
- 桜柄ビニール風呂敷(ザ・ダイソー)
- 桜の串(キャンドゥ)
泡:お弁当って、どの順番で詰めればいいのかがわかりません。なにか決まりはありますか?
村上:まず、左奥に高さがあって形がしっかりとしたものを置きます。これを柱にして、前に前にという順番で詰めていくと綺麗に収まりますよ。
村上:食材の1つ1つの“顔”が隠れないように、「面を見せる」ことを意識するといいですね。例えば焼き魚なら寝かせて置くのではなく先に詰めた食材にもたれかけさせるようにする、スモークタンはぺらんとしたままではなくて軽く折りたたんで動きをつける、などちょっとしたことで断然見た目が変わります。串を打ったものも立体感を出すのには便利。蓋が閉まらなければラップで覆えばいいと思います(笑)。
ほかにも、さきいかを2、3本まとめて結んだり(一気に和食っぽいビジュアルに!)、ゆで玉子をカットする位置を意識したりと、「カンタンなのに、自分では思いつかない」ワザを教えていただきました。
アレンジ編
めっちゃ豪華!!
これが全部コンビニで買った物とは思えないですよね……。
基本編はちょっと切ったりするくらいでしたが、アレンジ編は混ぜたり巻いたりともうちょい手間をかける感じです。
アレンジその1
●基本編に追加した食材、調味料
- クリームチーズ
- ドライそら豆(お菓子コーナーにあったもの)
- 塩昆布
- ポン酢
- 生ハム
- 焼きさば
- 枝豆
これは日本酒にもワインにも合いそうなナイス酒肴盛り! 野菜を「市松」に仕立てるだけでグッと華やかになりますね。「焼きさばのしっぽ」は、アレンジその2の焼きさば寿司の切れ端を立派な一品に仕立てたもの。しかも、野菜スティックについていたドレッシングを使うとは斬新です。
アレンジその2
●基本編に追加した食材、調味料
- 香り寿司(カニカマの寿司)
- 焼きさば
- ドライそら豆
- 明太子
- スライスチーズ
- 枝豆
ぺらぺらのまな板をカットして仕切りに使うことで、味が混ざらず見た目も整然としてお弁当の格が上がりました。バランやホイルケースよりも硬さがあるので盛り付けの形が崩れないのも素晴らしい。左下の段、スモークタンとスライスチーズを重ねた「博多」は、二色の縞模様の着物の帯をそう呼ぶことにちなんでいるそうです。
プロのワザに改めて感服です。
お花見シーズンが終わっても、普段の家飲みに取り入れたいアイデアが満載でしたね。
どこかのお花見会場でこのスタイルのお弁当を楽しんでいる方と出会えることを強く願っております。
みなさま、よい花見を!
取材協力:馳走いなせや(http://chisouinaseya.com/)
※記事の情報は2018年3月20日時点のものです。
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