【スペシャル企画】フードライター・白央篤司さん×泡☆盛子の「白菜おつまみで家飲み放談」
今回は特別編! 同人誌『酒好文集』の発売を記念して、酒とつまみを愛するフードライターの白央篤司さんをお迎えし、対談ならぬ放談形式でお送りします。トークテーマは「白菜のおつまみ」。家飲み好きのライター2人が、普段家で楽しんでいるとっておきの白菜おつまみレシピを公開! 乞うご期待です。
ご登場いただくのは、酒とつまみを愛するフードライターの白央篤司さん。全国の食材や郷土料理に詳しく、暮らしと食に関する記事や連載も多数手がけておられます。『ジャパめし。』『たまごかけご飯だって、立派な自炊です。』などの著書はおつまみ作りのヒントにもなる名作ばかり。
私はいち書き手として憧れているだけだったのですが、ひょんなことからご縁がつながり、今やありがたいことに貴重なお酒仲間として仲良くさせていただいております。
今回は、それぞれ家飲みをしながらリモートでおつまみ対談を行いました。
家飲みスペシャル対談スタート!
白央 そ、そんな。緊張するなぁ(笑)。
泡 まぁ、一杯でもいっぱいでも飲んで落ち着いてください。
白央 昨日飲み過ぎて二日酔いなんよ……。
泡 ツイッターで朝方まで飲んでたの見ましたよ。元気やな〜。
白央 で、今は迎え酒中!
泡 私は焼酎ハイボールジンジャーでやってます。乾杯っ!
白央 かんぱーい! 盛子さん年末年始はどうだったの、適酒できてた?
泡 年始用に買った箱ワインやビールケースが年末のうちになくなりそうで焦った〜。追加で買って事なきを得ましたが、よー飲みました。
白央 私は30日から3日までは飲んだくれてて、4日から3日間休肝してました。セルフコントロール好調でよいスタート。
泡 え、そんなにコントロールできたの、すごい! 家飲みストの鑑、見習いたい。
今回のトークテーマは…
白央 あ、いいねえ。白菜のない冬とかもう想像できない。年々好きになる野菜だ。
泡 とりあえず白菜があればなんとかなる感がすごい。
白央 だいたいが鍋需要なんだろうけど、おつまみにもいいよね。
~泡☆盛子の白菜おつまみ1品目~
泡 私はくたくたに煮て甘さを出したのが一番好き。ということで私の1品目は、「とろとろ白菜煮のとろろ昆布のせ」です。
泡 へへ、ありがとう。適当な大きさにカットした白菜を好みのとろとろ加減になるまで煮て、とろろ昆布をたっぷりのせるだけのとっても簡単な一品です。お好みでだし醤油なんかをちらりとたらしても。あ、柚子皮の千切りは欠かせない。※詳しいレシピは文末でまとめてご紹介します。
白央 煮るって水煮なの?
泡 私はとろろ昆布の味を活かしたくて塩少々を加えたお湯だけで煮ているけど、ちゃんとしたダシを取るのが面倒じゃない方はダシで煮た方がおいしさはアップすると思う。ただ、ごくごくシンプルな白菜の甘みと、とろろ昆布の旨みの禅っぽい味わいを一度は試していただきたいな〜。常温や、ぬる燗の純米酒に合わせるといい感じですよ。
白央 そっか、精進だね。白菜ってじっくり加熱するとほんのりした甘みが出て、いいもんだよね。とろろ昆布もいいけど、塩昆布もいいだろうな。
泡 あー、塩昆布いいですね。今度やってみよう。
~白央篤司さんの白菜おつまみ1品目~
白央 シンプルに浅漬けが一番好きなんだけど、今日はせっかく呼んでくれたので1品はちょっと凝ってみた。内葉のやわらかいところを生で食べるのが好きでさ、オレンジと一緒にサラダにしましたよ。料理名はストレートに、「白菜とオレンジのサラダ」。
白央 オレンジは上下を落として、リンゴみたいにカットして食べやすい大きさに。同じようにカットした白菜と一緒にボウルに入れて、オリーブオイルとワインビネガー適量、塩をぱらり。仕上げにレモン1カットぐらいを絞って、刻んだパセリで和えます。
泡 オレンジもけっこう存在感ある感じなのね。材料も無理なく揃うものばっかりなのに自分では思いつかない組み合わせで素敵だわ〜。
白央 オレンジは面倒くさかったらカットフルーツを使えばいいよ。
泡 私が再現するときはきっとそうする! お酒はやっぱりワインかな?
白央 ワインにもいいけど、こういうの実は日本酒によく合うんだよ。
泡 へーー! 冷たいの? それともお燗?
白央 冷酒でいきたいね。私はうちにある『豊盃』を合わせて楽しんでた。
泡 素敵っ。
白央 あ、そうそう。レモン汁はなるたけ省かない方がいいです。オレンジの甘さを引き締めてくれるよ。
泡 柑橘ダブル使い、いいですねぇ。白央さんのそういう味や香りの重ね方、憧れますわ。
白央 お、褒められた(笑)。
~泡☆盛子の白菜おつまみ2品目~
泡 ほんなら、味の重ね方を知らない私のどシンプルな2品目いきますー。「焦がし白菜のチーズがけ」。
泡 ナポリタンにかけるような、そこらで売っている粉チーズです!
白央 ふむふむ。
泡 もう名前がすべてなんだけど、まず、花札くらいにカットした白菜をテフロン加工のフライパンで素焼きにします。油っけを入れたくないので、焦げ付くフライパンしかない場合はアルミホイルやクッキングシートにのせてトースターで焼いてください。
白央 花札て(笑)。
泡 わかりやすいでしょ。で、美味しそうな焦げ目がついたらお皿に移します。そのままフライパンに粉チーズをざばーっと入れて、焦げない程度にカリッと焼いたものを白菜にかけたら出来上がり!
白央 あ、粉チーズも加熱するんだ。
泡 そうそう。こんな感じにけっこう焼き目つくくらいにします。
白央 おおお、やってみたくなる。
泡 これはね、スパークリングや白ワイン、ハイボールが合います。でも今思いついたけど、焼いたチーズのコクは熱燗にも合いそうだわ。
白央 いいねいいね、おいしそう!
~白央篤司さんの白菜おつまみ2品目~
白央 フライパンにサラダ油をひいて、中火ぐらいで白菜の軸のところを先に炒めて、しんなりしてきたら葉も加えて、お酒で溶いておいたユズ胡椒を入れて全体を炒め合わせるだけ。
泡 あら簡単! これなら私もすぐ真似できそう。白菜は結構細くカットするんですね。
白央 うん。細かいこというと、サラダのときはタテに切ってシャッキリ感を楽しんで、炒めるときは横に切ってる。そうするとしんなりしていいよ。
泡 すごい! 白菜を横に切るという発想はなかった。ほかにもポイントある?
白央 必ずユズ胡椒をお酒でしっかり溶いておくことかな。味つけはこれだけでじゅうぶん、いいつまみになるよ。
泡 お酒で溶くってのがいいですね。風味倍増。これはどんなお酒を合わせるのがよい?
白央 やっぱビールかなあ。白ワインもいいよ。
泡 柚子胡椒と白ワインって合うもんね。今すぐやってみたい。白菜って本当に変化自在というか、万能だよね。和・洋・中どんな味付けにも合うし、改めて素晴らしい食材だなと。
白央 クリーム煮にしてもうまいしね。バターにもオリーブ油にもゴマ油にも合う。すき煮風にするのもいいし。
泡 あー、いろんな味を想像するだけで飲めちゃいそう。
白央 お酒が進んで困るね。ほら盛子さん、日本酒が空いてるよ。何も大ジョッキで冷酒飲まなくても……。
泡 やめてよ、イメージ崩れるでしょ(笑)。リーデルの華奢なグラスで……やってる……いや、嘘です。まだチューハイを缶から直接ぐびっています。
白央 私はワイン2杯目です。安い白をオンザロックでやってる。ゆるい家飲みサイコー!
酒とつまみの同人誌『酒好文集』発売!
白央 はいはいー。タイトルは『酒好文集』。「しゅこうぶんしゅう」と読みます。酒とつまみと酒場、そして酒旅をテーマにした小冊子、オールカラーで表紙とか入れて32ページです。お互いの酒歴史を年表にして語り合ったり、旅先で酒歩きする楽しさや愛用のうつわのこと、お酒の失敗談とか、いろんなコラムと対談をギュッと詰め込みました!
泡 ぜひ、家飲み派のお仲間にお読みいただきたい内容となっております。普段、仕事では書かない(書けない?)ようなことを詰め込みましたね〜。書いてて楽しかった!
白央 盛子さん、「親には読ませられない」って言ってたね(笑)。
泡 そうなの……。大事に育ててもらったのにこんな飲み方するようになって申し訳ないなって。
白央 「6千円」のくだりとかね。ひゃっひゃっひゃ。
泡 ヤメテーー。でも、「6千円」話の内容が気になったお方は、ぜひメルカリでお求めくださいませ〜。
白央 まともな話もたっぷりあるのでご安心を!
白央篤司さんのnote
泡☆盛子のnote
ご購入はこちらからどうぞどうぞどうぞ〜〜。
泡 すでに読んでくださった方たちからは「お酒を飲みながら読みました」っていうお声を結構いただきましたね。
白央 うんうん、嬉しいね。まさに本望!
泡 みなさまもよかったら家飲みのお供にしてやってくださいませ。
白央・泡 よろしくおねがいしまーす!
***
最後は宣伝になってしまいましたが、初のゲストお迎え企画、楽しかったです!
対談というか、放談中でご紹介したレシピを以下にまとめましたので、ぜひ白菜が旬のうちにお試しください。
白菜おつまみ①|とろとろ白菜煮のとろろ昆布のせ(泡☆盛子)
・白菜
・塩
・とろろ昆布
・柚子皮(千切り)
<作り方>
①鍋に水と塩少々を入れて沸かし、食べやすいサイズにカットした白菜を加えてとろとろになるまで煮込む。
②煮汁ごと器に盛り付け、とろろ昆布をたっぷりとのせて柚子皮を散らす。
<ひとこと>
味が足りなければ、めんつゆやだし醤油をちらりと垂らしてください。
白菜おつまみ②|白菜とオレンジのサラダ(白央篤司さん)
・白菜(内側の柔らかいところ)…130g
・オレンジ…1個
・パセリ…適量
・塩…少々
▼(A)
レモン…1カット
オリーブオイル…小さじ2
ワインビネガー…小さじ1
<作り方>
①白菜は軸と葉に分け、軸はタテに細切り、葉とオレンジは食べやすい大きさに切る。
②ボウルに①と(A)を入れてよく和えて味見をし、塩を適量ふり、パセリを散らす。
<ひとこと>
新鮮な白菜の内側の柔らかいところを使ってください(時間が経った白菜は硬くてサラダに向かないので)。
白菜おつまみ③|焦がし白菜のチーズがけ(泡☆盛子)
・白菜
・粉チーズ
<作り方>
①花札大にカットした白菜をテフロン加工のフライパンで素焼きにする。
②好みの焦げ目がついたら器に盛り、続けてフライパンに粉チーズをあけて弱火で焼き目をつける(フライパンがテフロン加工ではない場合は、アルミホイルやクッキングシートにのせてトースターで焼く)。
③白菜に焼いた粉チーズをかける。
<ひとこと>
器に残った焼き粉チーズだけでもつまみになります。
白菜おつまみ④|白菜のユズ胡椒炒め(白央篤司さん)
・白菜…180g
・ユズ胡椒…小さじ1強
・酒…大さじ2
・サラダ油…小さじ2
<作り方>
①白菜は軸と葉に分けて、葉は食べやすい大きさに、軸は横に幅7㎜程度に切る。ユズ胡椒と酒は小さな容器などに入れて、ダマにならないようしっかり溶いておく。
②フライパンに油をひいて中火にかけ、軸から炒める。透き通ってきたら葉も加えて炒め、酒で溶いておいたユズ胡椒を加えて全体を和える。
<ひとこと>
ゴマ油を使っても、また風味が変わっておいしいですよ。
※記事の情報は2022年1月18日時点のものです。
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