酒好きほぼ100人に聞いた「このお酒、お好きですか?」

酒好きほぼ100人に聞く「酒飲みのミカタ」のテーマは最近話題のお酒たち。スパークリングSAKE、ジャパニーズ・ウイスキー、日本ワイン、獺祭、どぶろくの5つのお酒について「お好きですか?」と尋ね、その理由もお聞きしました。

メインビジュアル:酒好きほぼ100人に聞いた「このお酒、お好きですか?」

スパーククリングSAKEは「好き」が56%

スパークリングSAKEのパイオニアである「一ノ蔵すず音」が誕生したのは1998年でした。早いもので25年が経ち、さまざまなスパークリングSAKEが開発されました。松竹梅白壁蔵「澪(みお)」は市場を一気に拡げ、AWA SAKE*は高級市場の開拓を狙っています。

そんなスパークリングSAKEが「好き(はい)」と回答したのは56%でした。好きな理由は「華やかで乾杯に相応しい」「爽快感が好き」「軽やかで飲みやすい」「食前に適している」「日本酒らしくない」「新しいカテゴリーの酒として楽しむ」などが上がりました。 一方、「好きではない(いいえ)」が26%という結果になりました。理由は「甘い」「日本酒はスパークリングである必要を感じない(ビールやスパークリングワインを飲めばいい)」「日本酒の味わいが損なわれている」などで、好みが明確に分かれていると言えそうです。

*AWA SAKEは、瓶内二次発酵で造られ、かつawa酒協会が設けた基準を満たしたスパークリング日本酒のこと。
スパークリングSAKEが好きか
SAKEコンテストKura Master審査
フランスのSAKEコンテスト「Kura Master」でもスパークリングSAKE部門が設けられ、ソムリエたちが審査する

ジャパニーズ・ウイスキーが「好き」は73%

昨年はサントリー山崎蒸溜所の着工から100年のメモリアルイヤーでした。ジャパニーズ・ウイスキーは国内外で高く評価されるようになり、近年はウイスキー製造への参入が相次いでいます。ジャパニーズ・ウイスキーが「好き(はい)」という回答は73%とたいへん高いものでした。「いいえ」はわずか9%ですから、好きな方がそうでない方のほぼ8倍います。
ジャパニーズ・ウイスキーが好きか
好きな方からは「とにかくおいしい」「バランスがいい」「品質へのこだわりが好き」「日本人に合っている」「世界トップレベル」と、味わいの良さや品質の高さを評価する声がほとんどでした。ただし「高すぎる」という意見も多く寄せられました。
サントリーの山崎
サントリーの山崎蒸溜所の建設が始まったのは101年前。ジャパニーズ・ウイスキーは国内外で高く評価されるようになった
「ウイスキー100年プロジェクト」は日本を代表するウイスキーメーカー5社(サントリー、ニッカ、キリンビール、マルスウイスキー、ベンチャーウイスキー)が原酒を交換し独自にブレンドするプロジェクト。希少なため、提供されるのはウイスキーイベント限定です。昨年11月に開催された東京ウイスキーフェスティバルには、関連した4名の姿がありました。
日本を代表するウイスキーメーカー5社
左からサントリーの福與チーフブレンダー、キリンビールの田中マスターブレンダー、ベンチャーウイスキーの肥土社長、マルスウイスキー津貫蒸溜所の折田所長

日本ワインが「好き」は57%

全国各地で新しいワイナリーが誕生しています。2005年頃から増え始め、長野県や北海道など自治体による新規就農促進の動きと相まって加速、ワイナリー経営を学ぶことができる学校も誕生し、組織的に開業を支援する体制ができています。

そんな日本ワインが好きという方は57%です。理由は「日本各地の土壌や気候などがワインに現れるのは楽しい」「添加物を極力避けるスタイルが多い」「味、香り共に日本人に向いている」「マイルドで日本の食事によく合う」「応援したい」などの意見が見られました。

「好きではない(いいえ)」は14%で、多くは品質と価格のバランスの悪さに言及しています。「輸入ワインよりも割高」「日本ワインを応援する著名人が持ち上げすぎ」「本格的なワインとしての質が不足していると感じられる。発展途上」などです。
日本ワインは好きか
日本各地にワイナリーが誕生しています。一般の見学者を受け入れ、ぶどう畑や醸造所、貯蔵庫などを間近に見られるようにしているところも多くあります。
カーブドッチワイナリー
カーブドッチワイナリー(新潟県)

「獺祭」が「好き」は49%

純米大吟醸というカテゴリーの拡大を牽引し、海外でもいち早くプレミアムSAKE市場の開拓に取り組んだ「獺祭」(旭酒造・山口県)は、この秋、ニューヨークに最新鋭の酒蔵を稼働させました。今、もっともよく知られている日本酒と言えるかもしれません。

そんな「獺祭」を「好き」と回答した方は49%です。理由は「おいしい」「飲みやすい」「口当たりがよく誰にでも好まれる」「醸造技術が高い」「プレミアム感がある」「日本酒市場に刺激を与えてくれる」「挑戦するところが好き」と、香味や品質の高さへの支持を軸に、高級感や企業姿勢を評価する声まで多彩です。一方、「好きではない(いいえ)」という方は21%で、「価格が高い」「面白みに欠ける」「綺麗すぎて物足りない」「工場生産的で個性がない」という声が目立ちました。
獺祭は好きか
旭酒造ニューヨーク州の酒蔵
「獺祭」を醸造する旭酒造(山口県)は昨年、アメリカ・ニューヨーク州に大規模な酒蔵を開設し、北米市場の深耕を図り始めた

どぶろくが「好き」は53%

どぶろく特区が誕生して約20年。長く日陰にあったどぶろくですが、日本酒の枠にとらわれないクラフトサケが誕生するなど、いま脚光を浴びています。どぶろくが好きという方は53%で、「個性が豊か」「日本の伝統的な酒」「クラフトサケを応援したい」という理由が目立ちます。一方で好きではないという方からは「味が好みではない」「ばらつきが多い」「不衛生な感じがする」という声が聞かれました。
どぶろくは好きか
近年は家庭で造られ続けてきたどぶろくの再評価が進み、特区の農家をどぶろくを試したり、クラフトサケブルワリーの試飲イベントに参加したりする人が増えています。
どぶラブフェス

〈調査概要〉
調査方法:ネットアンケート調査
サンプル数:N=145(酒好きな方)
調査期間2023/12/5~12/10)


※記事の情報は、2024年2月8日時点のものです。

  

『さけ通信』は「元気に飲む! 愉快に遊ぶ酒マガジン」です。お酒が大好きなあなたに、酒のレパートリーを広げる遊び方、ホームパーティを盛りあげるひと工夫、出かけたくなる酒スポット、体にやさしいお酒との付き合い方などをお伝えしていきます。発行するのは酒文化研究所(1991年創業)。ハッピーなお酒のあり方を発信し続ける、独立の民間の酒専門の研究所です。

さけ通信ロゴ
  • 1現在のページ